YAMAHA DX7とFM音源
note公式からのお知らせで「これ考えた人天才」と言うコンテストを知りました。コンテストに応募はしないのですが(万人受けする内容でないのと恥ずかしいので笑)便乗して書いてみました。
以前にも紹介しましたが、FM音源を作った偉大な方々のインタビューが載っています。まさに「これ考えた人天才」です。当時主流だったアナログシンセをデジタルで模倣するのではなく、全く新しい概念のシンセを作った人たちです・・と言ってもDX7が登場した1983年当時シンセサイザーと言う楽器を知っていたかも怪しく、その革新性を知るのはずっと後の事です。
DX7(正確にはDX7-2D)を使い始めたのは90年代半ば〜後半頃だったと思います。それから長く使っている中で、DX7はシンセカテゴリーの中の一つと言うよりは他にはないアイデンティティーを持った楽器なんだなと言う認識が深まって行きました。
FM音源は周波数変調によって音を作るので、当然周波数によって音色が変化し、その周波数が(アナログ的な)曖昧だと音色変化も意図しないものとなってしまいます。
FM音源で音を作っていて何か違うなと思った時、デチューンパラメーターを弄ったらしっくり来る事があります。これは微妙な周波数の変化も音色に反映される為です。
位相も音色に影響を及ぼし、DX7ではオペレータの発音タイミングを揃える(同期)か否かをスイッチ出来る様になっています。同期のON/OFFによって音色が大きく(感じるかは人それぞれかもしれませんが)変化することも少なくありません。またゲームミュージック等で馴染みのある4opFM音源もオペレータの位相が同期(固定)しています。
仮にアナログでFM音源を作る事が可能だとしても、アナログの味でもある曖昧な挙動が寧ろ仇となってしまい、デジタルの繊細な周波数制御と位相の同期によるサウンドは出せないと思っています。逆に理論上曖昧とは対極にあるデジタルの音はイマイチなのでは?と思うかもしれません。確かに少なくともDX7はアナログシンセの様な音は苦手としていて、その点で評価が下がってしまう側面も見受けられました。
デジタルvsアナログの様な対立構造は不毛な争いになりがちですが、個人的には音作りの指針になる事もありポジティブに捉えています。例えばアナログサウンドが欲しい時にアナログ機材を使うのではなく、デジタルの合わせ技で何とか作れないか、作るとすればどんなアプローチが良いかを考えるのが面白く、その過程で出て来たアイデアが想定とは別の所で活用出来たりすれば、それはそれで一つの結果を出した事にもなる訳です。
FM音源でもピアノ系の音色を作っていたつもりがギターぽくなって来て、それが良い感じだったのでそのままギター音色として完成させた、そんなエピソードもよくある事だったりします。
自作のFMアコギを紹介して締めくくろうと思います。PX7を2個使って位相の同期をONとOFFにした音色を用意(左右にパンニング)、各々にピッチモジュレーションを掛けてを左右に振っています。
