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22.世界酔い体質で「家を本拠地」にするまで – 実家と老後を全部は背負わないと決めた話 –

「働けなくなったら実家に返すよ」みたいな言葉って、一度食らうと地味に効きますよね。
言った側は軽口かもしれないけど、世界酔い体質とロングスリーパーOSを抱えてる側からすると、あれは普通に「人生のセーフティネットを人質に取られた」くらいのインパクトがあります。
僕が「今の家を本拠地にする」と決めるまでには、このあたりのゴチャゴチャを、いったん構造として分解する作業が必要でした。

1. 実家=デフォルトのセーフティネット、という世界観
多くの人にとって、「ダメになったら実家に帰る」は、当たり前の前提になってます。
・仕事を失ったら
・病気になったら
・離婚したら
→ とりあえず実家に戻る、親のところに身を寄せる
この前提が成立する世界にいる人は、「実家」という存在が、かなり大きいクッションになっているはずです。
でも、僕のA(不安担当)は、あるタイミングからこれを素直に信じられなくなりました。
・いつか「負担だ」と言われるかもしれない
・老後の面倒とセットで請求されるかもしれない
・そもそも、実家に戻ったらB(体とメンタル)がもっと削られるかもしれない
この「かもしれない」が頭の中で勝手に増殖して、実家=セーフティネット、のはずが、実家=条件付きローン、みたいな感覚になってしまったんですよね。

2. 「返すよ」の一言が、Aにはローン契約に聞こえる
「働けなくなったら実家に返すよ」
言った本人の意図は、
・心配
・責任感
・世間的な“親としての正しさ”
から来ている部分もあるんだと思います。
でも、世界酔い体質のAには、こう聞こえる。
「こっちに戻ってきたら、こっちのルールに従ってもらうからね」
「生活の面倒を見る代わりに、こっちの老後も見てよね」
もちろん、相手が本当にそこまで考えてるかどうかは分かりません。
ただ、Aはいつも最悪のパターンを想定するので、
「セーフティネットのフリをした追加ローン」
として受け取ってしまったわけです。
この瞬間から、僕の中で実家は「本拠地候補」ではなく、「なるべく最後まで踏み込みたくないエリア」に変わりました。

3. Cが一度、「実家」と「人」を分けてみる
ここでC(価値観・世界観担当)がやったのは、
・実家=場所・構造
・親=個人
を一旦分けて見ることでした。
・実家という“場”は、自分にとってクズい世界寄りか、マシな世界寄りか↵
・親という“人”には、どこまで関わりたいか
この2つは、本来は別の話です。
実家という場は、自分のBが休まる場所かどうか。
親という人とは、どの距離感ならCが落ち着いていられるか。
この二つを混ぜて考えると、Aの中で全部が「重い義務」に見えてきます。
逆に、
・場としての実家とは距離を置く
・人としての親とは、できる範囲で関わる
みたいな分け方も、本当は存在する。
Cはそこを一度、丁寧に切り離して眺め直しました。

4. 「今の家=本拠地」にする、と決める
そのうえで、Cが決めたのは、
「今の家を本拠地にする」
ということでした。
・9〜10時間寝られるベッド
・一番世界酔いしにくい動線
・誰の目も気にせずにノートを書ける机
これがある場所を、本拠地に認定する。
逆に言うと、
・ベッド事情
・生活リズム
・価値観
のどれも自分のOSに合っていない実家は、「本拠地候補からは外す」ということです。
これは、「親を見捨てる」という決断ではありません。
「自分のBとCを本拠地に置く場所は、別にする」というだけの話です。

5. 老後を「全部は背負わない」と決める
実家と老後の問題は、世界酔い持ちのギバー気質を一番くすぐってくるところです。
・親が困っていたら助けたい
・でも、自分のBはもうギリギリ
・全部背負ったら、自分の世界酔いが悪化して共倒れになる
このジレンマの中で、Cが出した答えは、
「老後を全部は背負わない」
でした。
具体的には、
・自分の生活を壊さない範囲で、お金や時間を出す
・制度(介護保険・サービス)をフルに使うことを前提にする
・「同居してフル介護」は、自分のOS的には無理と認める
・その代わり、自分の老後も、子どもや誰かに背負わせない
という線引きです。
Aはここでも「薄情だ」とか「親不孝だ」と騒いできます。
でも、BとCを潰してまで全部を引き受けたら、結局誰も得をしない。
ここはもう、冷静な計算で線を引きました。

6. 実家を「第二避難所」に格下げする
完全に切り捨てるわけでもなく、実家は「第二避難所」としてラベリングし直しました。
・本拠地:今の家(BとCを守る場所)
・第一避難所:自分の貯金・インデックス・スキル(仕事やめても数カ月は暮らせる)
・第二避難所:どうしてもダメなら一時的に実家に戻る可能性
第二避難所は、「あるけど、最後の最後まで使わないカード」です。
これをこうやって整理することで、Aの中でも少し落ち着きが出てきました。
「万が一のときは実家もある。でも、そこを前提にはしない」

7. 「返すよ」を、勝手に“全部返さなくていい”に書き換える
最後にやったのは、「返すよ」と言われた言葉の意味づけを、Cの権限で書き換えることです。
・文字通り全部背負え、という意味に取る
→ Aは発狂する

・「困ったときは一時的に頼ってもいいよ」と好意に取る
→ D(ドラマ担当)が「親子愛ストーリー」にし始める

・「必要なら一部は頼ってもいい。でも、自分の老後は自分で設計する」と聞き直す
→ Cの解釈
僕はこの3つのうち、最後のパターンで採用しました。
実際に相手がどういうつもりで言ったかは、もう確かめようがない部分もあります。
でも、世界酔い体質としては、「自分を潰さない解釈」を選ばないと、AとBが共倒れする。
なのでCは、
「ありがたく“第二避難所”としては受け取る。でも、自分と自分の家族の本拠地はここに作る」
と決めました。
実家への感謝と距離、親への思いと老後の現実、その両方を抱えたまま、今の家を本拠地にする。
それが、世界酔い体質でロングスリーパーOSな僕が選んだ線引きでした。


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