オーケーストアは、なぜ「毎日安い」のに儲かるのか?
この前、妻とオーケーストアに行ったときのこと。
妻「オーケーって、なんでこんなに安いの?」
私「……」
妻「特売日でもないのに、いつ来ても安くない?」
私「……」
妻「もしかして、赤字覚悟で売ってるの?」
私「いや、実はそこが面白いんだよね」
気になって調べてみたら、
オーケーストアの「安さの仕組み」が想像以上によくできていました。
オーケーには「特売日」がない
普通のスーパーなら、
「火曜市!」
「本日限り!」
「夕方5時からタイムセール!」
と、お客さんを集めるために価格を変えます。
でもオーケーの経営方針は、
「高品質・Everyday Low Price」
つまり、
毎日が特売。
だから、そもそも特売日がありません。オーケー自身も公式サイトでそう明言しています。(オーケー株式会社)
これ、単なるキャッチコピーではありません。
例えば「今日だけ卵が安い」とすると、
お客さんは、
「じゃあ今日は行こう」
と思う一方で、
翌日には、
「今日は高いからやめておこう」
となる。
安売りが、逆に「高い日」を作ってしまうんです。
オーケーはそれをやらない。
「いつ行っても安い」
という記憶をお客さんの中につくる。
これが強い。
しかも、他店が安かったら値下げする
さらに驚いたのが、
「競合店対抗値下げ」
という仕組み。
近隣の競合店を調査して、
オーケーより安い商品が見つかると、
「競合店に対抗して値下げしました」
というPOPをつけて価格を下げます。
しかも競合店の特売品や目玉商品までチェックしている。(オーケー株式会社)
ここまでやる理由は、
「安売りで集客したい」
からではありません。
もっと重要なのは、
「オーケーで買って損した」と思わせないこと。
なんです。
オーケーが売っているのは「安さ」ではない
僕はここがマーケティング的に一番面白いと思いました。
スーパーで買い物するときって、
意外とストレスがあります。
「これ、別の店の方が安いかな?」
「明日の特売まで待った方がいい?」
「今日は買わない方が得?」
毎回比較するのって、
地味に面倒ですよね。
でも、
「オーケーなら、だいたい安い」
と思えたらどうでしょう。
比較しなくていい。
特売日を覚えなくていい。
チラシをチェックしなくていい。
買った後に、
「別の店の方が安かった……」
と後悔する可能性も減る。
つまりオーケーが本当に売っているのは、
安い商品ではなく、「価格を疑わなくていい安心感」
なのかもしれません。
「安いのに信頼される」という逆説
さらにオーケーには、
「オネスト(正直)カード」という面白い仕組みがあります。
例えば、
「もうすぐ値下げになります。急がなければ待ってください」
という情報までお客さんに伝える。
普通なら、
「今買ってもらった方が売上になるのでは?」
と思いますよね。
でもオーケーは、
短期的な1回の売上より、
「この店は正直だ」
と思ってもらう方を選ぶ。(オーケー株式会社)
結果として、
「オーケーなら大丈夫」
という感情が積み上がっていく。
これこそ、
僕は強烈なマーケティングだと思います。
その結果、顧客満足度16年連続1位
そして数字にも表れています。
オーケーはJCSI(日本版顧客満足度指数)のスーパーマーケット業種で、
2025年度まで15年連続1位。
さらに2026年度も1位となり、
16年連続の顧客満足1位になりました。(プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)
これ、単純に、
「他店より10円安いから」
だけでは説明できないと思うんです。
安い。
↓
いつ行っても安い。
↓
他店が安ければ対応する。
↓
正直に情報を伝える。
↓
「ここで買えば損しない」という信頼になる。
価格戦略が、そのままブランド戦略になっている。
「安く売る」より「迷わせない」
オーケーを調べていて、
僕が一番勉強になったのはここでした。
普通は、
「どうすればもっと安くできるか?」
を考えます。
でもオーケーが作った価値は、それだけじゃない。
「どうすれば、お客様が価格について迷わなくて済むか?」
まで設計している。
これって、どんな商売にも当てはまります。
料金プランが5種類ある。
キャンペーンによって価格が違う。
人によって値引きする。
今日申し込むのと来月申し込むので条件が違う。
売る側は、
「選択肢を増やした方が親切」
と思っている。
でもお客様からすると、
「結局いつ買えば一番得なの?」
になる。
選択肢が多いことが、
必ずしも価値ではありません。
オーケーが教えてくれたのは「安売り」ではなかった
Everyday Low Price。
競合店対抗値下げ。
オネストカード。
全部バラバラの施策に見えます。
でも実は、
一つの感情につながっています。
「オーケーなら大丈夫。」
僕はこれが、オーケーストアの本当の強さだと思います。
マーケティングというと、
広告。
SNS。
キャンペーン。
キャッチコピー。
そんな「売るための施策」を考えがちです。
でも本当に強い会社は、
お客様が迷わなくなる「約束」を決めて、それを何十年も守る。
だから最後に一つ。
あなたの会社は、
お客様から、
「ここで買えば大丈夫」
と思ってもらえる「約束」を持っていますか?
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