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【#72 徳島~大阪最安値2,500円!】令和の鉄道連絡船南海フェリーに乗る

【#72 徳島~大阪最安値2,500円!】令和の鉄道連絡船南海フェリーに乗る

【日付】2026年8月5日(水)
【時刻】徳島駅9時55分→徳島港南海フェリー前10時17分(徳島市営バス南海フェリー周遊便右回り)
【運賃】250円(ICOCA等交通系ICカード利用可)

【時刻】徳島港10時55分→和歌山港(航路)13時05分(南海フェリー5便和歌山港行き)
【船名】フェリーかつらぎ(1999年就航)

【時刻】和歌山港(鉄道)13時14分→和歌山市(南海)13時19分(和歌山市行き)
【車両】南海7100系・先頭からモハ7185+クハ7969(めでたい電車”かしら”)

【時刻】和歌山市(南海)13時30分→新今宮(南海)14時26分(特急サザン32号難波行き)
【車両】南海9000系(4両・先頭自由席車クハ9507乗車)+南海12000系(4両・指定席車・サザンプレミアム・12002編成)

【運賃】徳島港(航路)~和歌山港(航路から鉄道乗り換え)~新今宮(南海)まで「好きっぷ」(徳島~大阪最安値!)2,500円

上記2枚:徳島駅から阿波踊り会館方面へ向かう道中。徳島は8月12日からの阿波踊りムード。1週間前の段階で準備が出来ていた。夜になると各所から本番に向けた練習が行われていた。
南国ムードたっぷりの徳島駅。県庁所在地代表駅前にヤシの木があるのは宮崎駅(日豊本線)も思い浮かぶが他にもあるのだろうか?
徳島駅改札口のパワーワード。徳島県以外に県内全線のJR線で交通系ICカードが使えないのは他に愛媛県と高知県もあり、四国では使えない線区がまだまだ多い。
…にもかかわらず徳島駅前にはカモノハシのイコちゃん🤩「ICOCA入金機」とあるが?
徳島市営バス・徳島バスの一部路線ではICOCA等交通系ICカードが使える。徳島駅の入金機はそのため。本来は鉄道乗車向けに開発したカードだが、最初に使えるようになったのは鉄道ではなく路線バスと言う事例は…他にもあったと思った。なお徳島市営バスは2028年までに全路線民間移譲される見込みだ。いすゞエルガミオ・徳島230あ76・徳島港南海フェリー前
旅客(徒歩)乗船する場合はバス停前(バス下車したら1分もかからない)にある「南海フェリー徳島営業所」と書いた事務所に入る。正面から見て左側の有人窓口で「好きっぷ」購入が出来る。現金払いのみである。単にフェリーだけの乗船ならば右側の自動券売機でも購入出来る。クレジットカード等によるタッチ決済にも対応しており、同じカードで南海フェリー+南海電車と乗り継ぐと最終的に2,500円になるように決済される。
徳島~大阪最安値!2,500円!「好きっぷ」は3枚綴り。上から徳島港→和歌山港の乗船券(船なので乗車券ではない)、和歌山港→難波(南海電車の駅ならば途中駅でも下車可能)の乗車券、横長の券が「きっぷのご案内」である。「好きっぷ」を買い求める旅客は多かった。徒歩乗船のほぼ全員(約30~50名)が「好きっぷ」購入と言う感もあった。
上記3枚:徳島港10時20分着の和歌山港からの下り第4便が到着。「船(フェリー)も”編成”で撮る」と結果、いろんな構図から記録する事が出来た(100枚近く撮影したのでそのうち3枚を公開)。立っていた場所は事務所から100メートルほど離れた場所で、この構図はYouTuber綿貫渉氏の南海フェリー乗船上記動画を参考にさせていただいた。

↑「フェリーかつらぎ」は1999年就航で南海フェリーとJRTT(鉄道・運輸支援機構)との共有船である。
南海フェリーは2028年3月をメドに航路廃止を決めた。理由は「フェリーかつらぎ」の老朽化でリニューアルか新造船への置き換えが必要な状況である。だが必要な費用が用意出来ず、2019年就航の「フェリーあい」1隻だけで回すには様々な意味でタイトで、利用客の主体であるトラック・自動車と言った航送輸送が道路交通(E28神戸淡路鳴門自動車道経由で近畿各所)へ移行した事により利用減少している事も見逃せない。
徳島県庁は「航路廃止は仕方ない」としている一方で、和歌山県庁は「なんとか航路を存続できないか模索している」とされる。徳島県と和歌山県で思惑が異なる所も大きい。
南海フェリーは「2028年3月をメドに運航終了する」としているが、これには注釈があって「フェリーかつらぎの状態が良くないので、それによっては運航終了日が早くなるかもしれない」と異例の予告をしている。それは「フェリーかつらぎ」と言う船体が相当疲れている事を示す。

かつては「鉄道連絡船」は各地にあったが、架橋(宇高航路など)、トンネル新設(青函連絡船など)、利用者減少(国鉄小松島線や南海各線など他多数)により運航終了している航路は多い。気付いてみたら日本で現存する鉄道連絡線は、南海フェリーと宮島航路(山陽本線の宮島口~安芸の宮島まで。JR西日本グループと広島電鉄グループが運航する)程度である。
フェリーや鉄道連絡船には独特の旅情がある。鉄道系YouTuberもこぞって紹介するほどだ。令和の鉄道連絡船の魅力を下記グラフ(写真+説明文)で述べたい。

事務所2階が「徒歩客専用乗船口」である。写真には写っていないがこの後ろには約50席程度のベンチが並んでおり、スーツケース等の大きな荷物を持った旅客も少なくない。ジュース自販機もある。乗船開始は出航15分前(10時40分)からであった。どこの社のフェリーでもそうだが乗船直前に案内される待合室に入ると「ワクワク感」がたまらない😆
徳島港の自動車用待合所の様子。ド平日という事もあってか車の台数は少ない。小型車(一般的な自動車)が約30台、大型トラックが約15台ほどであった。便によっても多い・少ないはあるが、これだと経営上は厳しいのかもしれない。南海フェリーの会社としての収益はギリギリ数百万円の黒字だ。
乗船開始する。「ようこそ南海フェリーへ」の案内と大きなフェリーを見ると旅のワクワク感がたまらない😆
何度も見た「徳島⇔和歌山」の行き先表示器。かなり古くなっている。
ここから船内に入る。四国の地を踏むのもここまでとなった。
上記3枚:「フェリーかつらぎ」乗船後は甲板に進む。階段は急で手すりを持たないと登るのが大変だ。甲板の「避難集合場所」のベンチ数も旅客定員にカウントされるのだろう。何らかの海難があった場合は旅客全員ここに集められる。夏の昼間なので甲板はとても暑い。
太陽光発電システムが「フェリーかつらぎ」の甲板にあった。住宅3軒分の電気を作り、東京~大阪間をエコカーで年間30往復した分の二酸化炭素の排出を削減している。発電規模は10kw、太陽電池は180W/KW台とあった。発電した電力は船内のサービス電源(照明等)に使っていると言う。左側には電車やバスでもおなじみの南海のマークが見えるが、これがそのままファンネルマークになっている。
晴天の日は日の出から日没まで4階(最上階)展望デッキに入る事も出来る。ここも階段は急だ。夏の昼間なので容赦なく太陽光を浴びる事になる。夏(や冬)に長時間ここにいるのは個人的にはおススメしない。
地上の乗船口とフェリーかつらぎの間に接続していた通路が収納される。これで乗船完了した事を示す。
上記2枚:地上側に接続していたロープが切り離された。錨も外された事だろう。するとフェリーかつらぎは少しずつ岸壁から離れ始める。
上記8枚:徳島港を出港。270度旋回して船首を和歌山方へ向ける。これで今回の四国旅を無事ケガも無く終えることが出来た。YouTuberわたりどりとんだ氏の上記動画(8分40秒あたりから)にあるような”儀式”を私も行ったのは言うまでもない😭「南海フェリーが運航終了するまで最低でも残りあと1回は四国へ来よう」と思った😭
南海フェリーから見える景色で最近大きく変わったものがこれ。徳島港を横断するかのように高速道路が”ぶっちぎる”。これはE55徳島南部道路で阿南・室戸方面へ向かう高規格道路だ。和歌山・大阪南部・奈良・三重から四国各所へ行くには南海フェリーを活用した方が”最短経路”と思うのは私だけだろうか(航送料金等の金額的な所は別としても)。
上記2点:オーシャン東九フェリー「フェリーびさん」東京港行き (新門司港1日目19時00分→徳島港2日目9時20分~11時20分→東京港(有明)3日目5時30分)
四国の大地がどんどん遠くなる。あの”儀式”がこの辺りまで続いていた😂
ここまでが徳島港の構内らしい
2階の船内客室に入る。自由席で好きな場所に座れば良い。シートアレンジも複数あり写真はド定番の「リクライニングシート」が80名分(10名×8列分)並んでいる。窓側に座らない限り外の様子を見る事は出来ず、フェリーらしく窓にはタップリ水垢が付着しているので私が座った所からは満足に外の様子が見えなかった。これも「フェリーかつらぎ」の約25年と言う歴史を刻んでいるのだろうか。

船内のシートアレンジは「リクライニングシート」しか撮影していないので文章で捕捉したい。
この手のフェリーでやはりド定番なのが「桟敷席」である。広い畳に旅客が複数ゴロゴロ寝ている。これが船旅(フェリー)の魅力である。こちらの客数が多く好んで選んでいるように見えた。
ここで気になったのが桟敷席付近の通路を歩くと独特な揺れがある。これが不快で(こう見えても乗り物酔いしやすいので🤮)乗り心地の悪さがあった。断片的に見た時にこの乗り心地の悪さと「フェリーかつらぎ」の老朽化…と言う話をつなげれば一応は説得力がある。
ところが、「リクライニングシート」や「OA席」(パソコンをするためのデスクシート。6席分しかなく、ここにしか電源コンセントもないため満席だった)、甲板に出ると乗り心地の悪さは意外にも感じない。むしろ快適な乗り心地である。恐らく桟敷席付近の真下に機関(エンジン等)があるかもしれないので、それ由来の揺れなのだろうか?
「グリーン席」も存在するが、これは名前の通り高級座席で(JRで言うグリーン車相当)で追加料金が必要である。
徳島港を出港すると何もやる事がなかったので暇になる。船内にはジュース自販機、アイス自販機、カップヌードル自販機もある。コストがかかるので”船内価格”で市中価格よりは若干高い。以前は有人の売店も営業していたが、COVID-19による休止を挟み、現在は正式に閉店してしまった。
「日清食品カップヌードルシーフード」を買うと350円。市中価格(小売り希望価格)より100円高い。お湯と割り箸も用意されている。市中で販売しているものと同じ商品であるが、南海フェリーで食べたカップヌードルシーフードは今までに感じた事がないほど美味しかった。
日常的な食べ物でも船内や列車内で食べた食事と言うのは、何故か非常に美味しく感じる。これは旅の魅力でもあるが、高揚感もあるのかもしれない。

徳島港を出港から1時間過ぎた所で甲板(3階)に出る。風が冷たくて心地よい。ここでボンヤリと景色を見る。大型貨物船が多数行き交う海域だ。タブルコンテナ(40フィート程度のコンテナを2段積み)も多かった。これが日本の貿易を支えているのだと思った。
所々に錆が目立つ船内。「フェリーかつらぎは老朽化している」と言う事前知識があるので、実際に乗船するとそう見えてしまい仕方がない。全体的な古さは拭えない。
フェリーかつらぎから見る海。この日は荒れる事もなかった。台風が来ない限り夏は平均的にそうかもしれない。小さな白波をかき分けながら進む。時速換算で30~40キロ程度だがこれが非常に速く感じる。
淡路島が段々と小さくなる。徳島港を出港から1時間前後くらいが最も大きく見える(=淡路島の近くを通っている)。和歌山港が近づいてくると当然見え方も小さくなる。
いよいよ本州の陸地が見えて来た。遠くには和歌山市内がハッキリと見えるようになった。「フェリーかつらぎ」は大きく右旋回を始める。
小さな灯台が見えて来た。和歌山港の構内に入ったようだ。
上記4点:和歌山港の構内に入ってからもさらに右旋回。赤い橋が見えてくると到着も目前だ。
和歌山港の南海フェリー発着場が近づいて来た。一旦ここから大きく離れて向きを整える。入港はバック(後退)となる
地上側には係員が待機する。この後「フェリーかつらぎ」からロープが投げ込まれる。このロープを地上側で固定する。これを「仕事」と見れば大変な労力で力作業と言う事もわかる。フェリー・貨物船の運航では港側の作業員も必要だ。ネットメディア(ブログ・YouTube等)ではあまり注目されない存在だが、この人たちの活躍がないと安全に航行できないことを知っておいた方が良いだろう
和歌山港の発着場から大きく離れる「フェリーかつらぎ」。船尾を先頭にして入港する。
船の知識が無いので誤りがあるかもしれないが、スクリューを逆回転にしているのだろうか?海水をかき分けるような形にしているので海水が濁っている。そこに大きな水の流れが発生している。重苦しく水をかき回し、バック(後退)で船尾を先頭にゆっくりと和歌山港の発着場へ進む。
上記2点:直接船尾を先頭に接岸場へ入るのではない。概ね接岸場と平行になる位置まで船体を持って、そこから垂直移動で接岸場へ進む。この後「フェリーかつらぎ」からロープが投げ込まれて、地上側の係員が受け取り、地上側の設備にロープを固定する。この時点で13時06分であった。
「和歌山港下船口」へ進むと旅客が何人も待っていた。地上側の通路と接続し、下船開始となったのは13時09分(電車発車まで残り5分)であった。
ようこそ和歌山へ(車の運転手や同乗者からはこの壁のウラがこうなっているとは気づかないだろう。これは夢を壊すので知らない方が良い)
長い歩く通路。四国各県のポスターやステッカーが貼ってある。和歌山港の乗船口の段階で「気分は四国!😆」なのだが、私は逆に四国から来た立場なので後ろ髪を引かれる所があった。やはり南海フェリーの運航終了まで”最後にもう1回”乗りたいと思った。この時点で13時11分。電車発車まで残り3分間に合うか😰
間に合った😌豪華な雰囲気の内装だがこう見えても1973年製である。クハ7969車内
和歌山港線(和歌山市~和歌山港)は実質的に南海フェリー発着時間帯しか電車の運転がない。基本的には線内折り返しだが難波直通の特急サザンが来る事もある。和歌山市駅は特急サザンが発着する1番のりばから最も遠い7番のりば発着が多い。和歌山市駅では歩く距離が長いので知らない人が来ると迷うだろう。実際にこの折り返しとなる和歌山港行きに乗り遅れて困り果てた旅行客もいた。クハ7969
特急サザン32号難波行きに乗り換える。自由席と指定席が4両ずつ。指定席は別途料金が必要なためコスパ重視ならば自由席が良い。和歌山市駅から大阪市内(天下茶屋・新今宮・難波の各駅)までは1時間もかからない。阪和線の紀州路快速よりも速い。徳島~大阪は実質的に4時間半程度かかるが(高速バスだと2時間半~3時間程度)”旅情とコスパ”はバツグンに良かった。「最後にもう1回」乗りたい。

📚 この記事は「鉄道考察マガジン」に収録しています。過去の記事もぜひご覧ください!

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