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怪談 桜の木の下で

地元にある踏切の話だ。

市の中心部を走っていることもあり列車の量は多い。しかしその一方で自ら身を投げる方が多く一時期は踏切なのに大島てるさんの事故物件のサイトに炎マークで掲示されたこともあった。

事故物件じゃないよ、って話だけどね。

もう私が中学生ぐらいのときだろうか。

電車がA駅とB駅の間で運転見合わせとなれば誰か飛び込んだのだろうと学校で噂になれば夕方のニュースになれば飛び込みがあったと報道される。

名所と言えるレベルではないが、何年かに一度の割合で誰か飛び込む。そのために踏切には自サツ対策のためのブルーライトが夜になれば光り輝く。人気が無い時間のほうが飛び込みやすいためだろう。

昔からよく夜中の踏切を通ると誰かしら見ている人を目撃している。

それは点検作業員でもなく、線路脇にある電子機械の近くにセーラー服を着た女子中学生がぼんやりと佇みこちらを見ている。またあるときは老若男女の人集りが同じく線路脇の電子機械がある場所でヒソヒソと話していたりしている。

どちらも、その場にいたら明らかに運行の妨げになる行為であるから何れも禁止行為にあたる。

しかし、私が気がついた途端には姿がない。

先ほどまでいた女子中学生は?人集りはどこに行ってしまったのかと我が目を確かめるべくもう一度見回してみるがやはりそんな人や人集りはないのだった。

心霊の噂にはあがらないが、知る人ぞ知る地元では有名な幽霊が出る場所の一つとして確立された。

1年ほど前のことだろうか。

飛び込みが多いとされる踏切より先にある踏切で身を投げられた方が居たという。

住んでいる場所からも程近いため報道はされなかったものの地元ではたちまち話題になった。話によれば身投げをされた方はバイク同士のすれ違いができる狭い踏切へ遮断器が下りているにも関わらずダイブした。

電車の運転士が急ブレーキも間に合わず轢いてしまったと救急に通報があり、救急車が駆けつけたが残念ながら旅立ってしまった後だった。事故後はパトカーが複数台来て大騒動になりしばらくの間は電車の運転が見合わせになる事態になった。

踏切の近くには公園がある。

春になれば植樹されている桜が美しく咲く。

桜の木の下にはベンチはないがゆっくりと電車を眺める事が出来るので、桜が咲く時期になれば電車と桜を撮ることが出来る隠れたビュースポットでもある。

朝の会社への通勤時の際にたまたま信号が赤信号で停まらなければいけなくなった。目の前には身投げされた方が出た踏切が見えてくる。徐行して信号の前には停められるよう速度を落とした。

すると、踏切の先にある桜の木の下で40代後半から50代半ばぐらいの少しふくよかな感じの女性が虚ろな表情でぼんやりと立っていた。最初は朝の散歩のついでに公園の桜の木を見に来たのかなと思った。

ところが女性の表情を見る限り明らかに明るい表情をしておらず、どこか虚ろで寂しい顔つきだった。

不自然だなと思いながらも信号の色が赤から青に変わった瞬間に横断歩道でいったん停止した後に右折したのだが、ふと踏切の先の公園をチラッと見てみたら先ほどまで桜の木の下にいた筈の女性がいない。

もう一度、前方を気にしながらも公園を見てみた。

しかし、誰もいなかった。

後々になって調べて分かったことは身投げをされた方が女性で、私が見た女性とも年代が合致していた。

身投げをされた女性が心残りがあり現れたのか。

踏切へのダイブは社会に対する恨みから生じているとされている。これは誰かに対して迷惑を被る形で抱えていた鬱憤を憂さ晴らししたい心境の方が行き着きやすいとも言われており、必ずしもの答えではない。

最後になるが、身投げをしても楽にはならない。

目の前の苦痛からは解放はされるだろう。しかし寿命が来る前に自ら絶つ行為は色々打開策があったにも関わらず自ら解決案を見出だせず思い悩んだ結果ならば行き着くまでにどうか思いとどまってと言いたい。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

【怪談 桜の木の下で おわり】

これは配信向きでもトーナメント向きでもない話。

自サツがテーマだと語れないからね。

今までYouTubeでも決して話さなかった内容の一つで今回桜の時期は過ぎ去ってしまったが桜の木が美しく色づく季節になればあのとき桜の木の下にいた女性の姿を思い出さない日は無かった。

決して助長するわけでもないがやはり色々と人が抱え込む心の闇を感じてならなかった。

という感じで桜に纏わる怪談を書いたところでまとめおわり。出来る限り創作(モザイク)をした状態でこれからも実話怪談を投稿していくのでお楽しみに!

※画像は生成AIにより作成しました

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