見出し画像

“ふたりらしい結婚式”はどうつくられる?ウェディングプランナーの仕事・信頼関係・チームづくりから学ぶ、後悔しない結婚式の考え方「ウェディングプランナーになりたいきみへ」を小学生でも分かるように説明します


ウェディングプランナーになりたいきみへ 〜笑いと涙の結婚式〜

著者 河合 達明




はじめに

このnote記事は、無料部分の「小学生でもわかる解説」だけでも十分にご理解いただけます。

有料エリアには「音声考察(日本語版・英語版)」と本のエッセンスをより深く理解するための「大人向けの解説」を用意しております。

なお、この記事は無料・有料・音声考察のすべてにおいて、原著の引用は一切使用しておりません。すべて、私自身の言葉のみで構成したものです。



ウェディングプランナーってどんなお仕事?「笑いと涙の結婚式」の誕生。

皆さんは「結婚式」と聞いて、どんな場面を思い浮かべますか?

きれいなドレスを着た花嫁(新婦)さんや、かっこいいタキシードを着た花婿(新郎)さんが、たくさんの人にお祝いされて笑顔を浮かべている姿かもしれませんね。

結婚式は、これまで自分を育ててくれた家族や、支えてくれた大切な友だちに「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えるための、人生でたった一度きりのとても大切な日です。

そして、新しい人生のスタートラインに立つ日でもあります。

この大切な一日を、最初から最後までいっしょになって作り上げ、支えていくプロフェッショナルが「ウェディングプランナー」というお仕事です。

この本を書いたのは、結婚式場を作る会社「ブラス」の社長である川井達明さん(本の中では河合達明さんと書かれています)です。

川井さんはもともと、21歳のときから結婚式の司会(進行を進めるマイクを持つお仕事)をしていました。

司会のお仕事が大好きで、「もっともっといい結婚式にできるはずだ」と毎日がんばっていました。

しかし、昔の結婚式はホテルなどで、決まった順番通りに淡々と進めるのがあたり前でした。

司会者がその場の雰囲気を見て「もっと写真を撮る時間を増やしましょう」と変えることは許されなかったのです。

川井さんは「一生に一度の大切な日なのに、みんな同じようなやり方をするのはおかしい。もっと新郎新婦や家族、ゲスト(お祝いに来てくれたお客さん)のことを一番に考えた、オリジナルの結婚式を作りたい!」と強く思いました。

そこで川井さんは、わずか8人の仲間といっしょに、自分たちの理想の結婚式場を作ることを決意しました。

そのときに決めた大切なルールが「笑いと涙の結婚式」です。

新郎新婦やゲストはもちろん、そこで働くスタッフもみんなでいっしょに手を取り合って笑い、いっしょに感動して涙を流す。

まるで自分の家族の結婚式であるかのように、心から寄り添う結婚式を目指したのです。

ウェディングプランナーとは、ただスケジュールを管理するだけの人ではありません。

新郎新婦の心に寄り添い、ふたりの「お父さんやお母さん、親友」のような存在になって、世界にひとつだけの最高の思い出をチームで作り上げるお仕事なのです。

そのすばらしいお仕事の裏側や、そこで働く人たちの熱い思いを紹介していきます。


ふたりの個性を引き出す「打ち合わせ」:真っ白な紙と鉛筆から始まる魔法。

結婚式を挙げることが決まり、式場を選んでもらった瞬間から、いよいよ「プランニング(計画)」がスタートします。

プランニングと聞くと、結婚式のパーティーの内容をいっしょに考えることだと思う人が多いかもしれません。

でも、それだけではありません。実は決めることが山のようにあるのです。例えば、次のようなものがあります。

・花嫁さんが着るウェディングドレス

・お祝いに来てほしい人に送る招待状

・当日のお席の場所(席次)

・お祝いに来てくれた人に持って帰ってもらうプレゼント(引き出物)

・会場をかざるお花

・プロのメイクアップ

・会場で流す音楽(BGM)

・お客さんに出すお料理

・世界にひとつだけのウェディングケーキ

これらすべてを、新郎新婦といっしょに一つひとつ話し合って決めていきます。

プランナーの中尾友香さんは、この話し合いで最も大切にしているのが「おふたりらしさ」を引き出すことだと言います。

そのために中尾さんが最初に行うのが、新郎新婦に「プロフィールシート」を書いてもらうことです。

そこには、誕生日や家族のことだけでなく、趣味や好きな音楽など、ふたりの人柄が分かる情報がたくさん詰まっています。

最初は「何を書けばいいのか分からない」と困ってしまう新郎新婦がほとんどです。

そんなときは、プランナーが学校の先生や新聞記者のように優しくインタビューをしながら、雑談を交えてシートを埋めていきます。

そして、中尾さんは「真っ白な紙と鉛筆」を用意します。

最初から「何時に入場して、何時にケーキを切る」という枠にはめるのではなく、もっと自由にイメージをふくらませるためです。

「今まで出席した結婚式で、楽しかったことはありますか?」 「これはやりたくないな、と思うことはありますか?」 「好きなキャラクターは何ですか?」 このように、新郎新婦が答えやすい質問をしていき、白い紙をふたりの言葉やキーワードでいっぱいにしていきます。

そうすると、最初はぼんやりしていたイメージが、だんだんと形になって見えてくるのです。

中尾さんはこれをサッカーに例えて、こう言っています。

「プランナーは、いいパスを出すアシスタントです。最後にゴールを決めてシュートを打つのは新郎新婦のおふたりです」

すべてを決める権利は新郎新婦にありますが、プランナーが良いパスを出すことで、3人4脚でいっしょに作り上げているという強い絆が生まれます。

また、新郎新婦の中には、家庭の事情などで少し複雑な悩みを抱えていて、なかなか心を開けない人もいます。

そんなとき中尾さんは、なんと自分の自宅に新郎新婦を招いて、お鍋をいっしょに囲んだこともあります。

ウェディングプランナーという肩書きを一度はずして、ひとりの人間として向き合うことで、新郎新婦も「実は子供のころにお母さんを亡くして、お父さんとも連絡が取れなくて……」と、胸の奥にある本当の思いを話してくれました。

その思いを知ることで、初めて「家族の絆」をテーマにした最高の結婚式を形にすることができたのです。


最高の当日を作る「10割の結婚式」:チームワークはまるでサッカーチーム。

ウェディングプランナーの藤井菜実さんは、「打ち合わせで九割。残りの一割は、当日に完成させる」という自分だけのやり方を持っています。

これは、当日までに絶対に妥協をせず、全力で90%(九割)の準備を整えておくということです。

そして、残りの10%(一割)は、結婚式の当日にそこにいるスタッフ全員と、ゲストのみんなが作り出す空気によって、100%の最高の結婚式を完成させるという意味です。

ウェディングプランナーが作る「進行表(スケジュールが細かく書かれたシート)」は、ただの時間割ではありません。

そこには、新郎新婦の夢やワクワク感がこれでもかと詰め込まれています。

藤井さんは、忙しいときほど、この進行表作りに全力を注ぎ、妥協をしません。

そして、この9割の準備をさらに輝かせ、当日に10割の感動へと導くのが、式場の「スタッフ全員によるチームワーク」です。

プランナーの成瀬正浩さんは、「全員参加型の結婚式」こそが自分の得意技(代名詞)だと言います。

成瀬さんが担当した、ある新郎新婦の結婚式のエピソードを紹介しましょう。

ふたりの出会いの場所は、アルバイト先だった「映画館」でした。

これを聞いた成瀬さんは、「映画」をテーマにした世界にひとつだけの結婚式を作ろうと提案しました。

まず、ゲストが会場に一歩入った瞬間から、まるで映画館に来たようなワクワク感を感じられる仕掛けを作りました。

・入口には、ふたりが映画スターのように写った映画のポスターを飾りました。

・待合室では、冷たいジュースといっしょに、映画館の定番であるポップコーンを配りました。

・受付では、お祝いのチケット(映画の切符のようなもの)が配られ、披露宴の会場に入る際、映画館のスタッフに変身したプランナーがチケットをハサミで切る(もぎりをする)演出をしました。

そして、披露宴が半分ほど進んだころ、お色直し(新郎新婦が衣装を着替えて再入場すること)の時間がやってきます。

突然、会場が暗くなり、映画の予告編のようなカッコいい映像がスクリーンに流れます。

映画のテーマ曲に合わせて新郎新婦が入場する……と思いきや、なんと会場に悪い海賊(かいぞく)に変身したプランナーたちが登場したのです!

悪い海賊たちは花嫁の指輪を奪おうと襲いかかります。

迫真の演技で逃げ惑う新郎新婦。

そこへ、ヒーローの衣装をまとった新郎が現れ、大活躍で悪い海賊たちをやっつけました。

無事に指輪と花嫁は守られ、会場内は大きな拍手に包まれました。

この間、わずか5分足らずの出来事でしたが、会場にいるゲスト全員が物語の登場人物になったように一体となりました。

この素晴らしい演出は、プランナーひとりの力では絶対にできません。

お料理を出すシェフたち、ケーキを作ったパティシエ、音楽や照明を動かす音響オペレーター、

And、サービスをしてくれるたくさんのアルバイトスタッフ(ブラスでは「PJ」=プリティ・ジョブと呼んでいます)

全員が、台本をしっかりと読み込み、息を合わせて協力したからこそ大成功したのです。

このように、みんなでひとつの目標に向かって走り抜けるチームワークは、サッカーや野球などの団体競技(スポーツ)にそっくりです。

全員が「このふたりを絶対に世界一幸せにするぞ!」という強い思いでひとつになったとき、想像を超える大きな感動が生まれるのです。


新郎新婦の心にそっと寄り添う:トウモロコシの涙と「いい日になるね」

結婚式の準備は、新郎新婦にとって初めてのことばかりで、実はとても大変です。

ふたりとも普段はお仕事をしながら、限られた時間の中でドレスを選んだり、招待状を作ったりしなければなりません。

プランナーの笠島えり菜さんは、ある新婦さんが打ち合わせの中で「なんで結婚式なんて、しなきゃいけないんだろう……」と、ため息まじりにつぶやいた言葉が、今でも忘れられないと言います。

その新婦さんは、会社でも責任あるお仕事を任されていて、とても忙しい毎日を送っていました。

でも一生に一度の結婚式だから妥協したくないと、夜遅くまで一生懸命に準備をしていました。

ある日の夜、新婦さんが会社から帰ってきたのは、夜の11時を過ぎていました。

家族はみんなすでに眠っていました。

ふとリビングのテーブルを見ると、そこには畑を耕しているおばあちゃんが、孫の彼女のために茹でておいてくれた「トウモロコシ」が置いてありました。

しかし新婦さんは、結婚式で使う映像のために、ゲストの名前をパソコンで打ち込む作業をしなければならず、作業が終わったのは朝の4時でした。

彼女は泥のように眠り、朝食も食べずにトウモロコシに手をつけることもなく、お礼も言わずに仕事へ出かけてしまいました。

通勤電車の中で、新婦さんはトウモロコシのことを思い出して涙が止まらなくなりました。

「結婚式は、家族にありがとうを伝えるための日なのに、準備のせいで大切な家族を傷つけてしまっている」 そのやりきれないストレスが、プランナーの前で「なんで結婚式なんて……」という言葉になってこぼれ落ちたのです。

笠島さんは、この言葉を聞いて大きなショックを受けました。

式場ではいつも明るく笑顔を見せてくれていた彼女が、一歩外に出るとそこまで追い詰められていることに気づけなかったからです。

笠島さんは強く思いました。

「ウェディングプランナーのお仕事は、ただおしゃれな結婚式を計画することじゃない。式場では見せない新郎新婦の心の負担を取り除き、心に寄り添うことなんだ」

それからというもの、笠島さんは新郎新婦の小さな心の揺らぎを絶対に見逃さないように、優しく見守るようになりました。

And, 迎えた結婚式当日の朝。

緊張でガチガチになって部屋で待っている新郎新婦のもとへ、笠島さんが向かいます。

すると、いつもは頼もしい新郎が、笠島さんの顔を見てギュッと手を握りながら、こう言ってくれたのです。

「カサジー(笠島さんのニックネーム)、今日はいい日になるね」まだ結婚式は始まっていません。

それでも、ふたりをこれまで誰よりも近くで支え、寄り添い続けてくれたプランナーがとなりにいるだけで、「絶対に今日は最高の一日になる」という強い安心感を持つことができたのです。

新郎新婦の不安をすべて消し去り、心から楽しんでもらうことこそが、プランナーの真の役割なのです。

また、プランナーの伊藤美咲さんは、「結婚式当日は、すべての段取りを忘れて楽しんで!」といつも伝えています。

新郎新婦は緊張で「次はどう動けばいいんだろう」と頭がいっぱいになりがちですが、「私がずっととなりにいるから、全部任せて笑っていてね」と声をかけることで、ふたりは心からお祝いを楽しむことができるのです。


一生に一度の瞬間をキャッチする:時間を感じるのではなく「時感(じかん)」で動く。

ウェディングプランナーの大星絵莉子さんは、結婚式はマニュアル通りにはいかない「生き物」だと言います。

だからこそ大星さんは、文字通り「時間」を感じるだけでなく、その一瞬にしか生まれない大切な感情や空気を敏感にキャッチする「時感(じかん)」という感覚をとても大切にしています。

大星さんが担当した、あるお天気の日に行われた結婚式での、とても不思議で素敵なエピソードを紹介します。

新郎新婦のふたりは、打ち合わせの段階ではとても静かで、自分の気持ちをあまり表に出さないタイプでした。

しかし、結婚式当日の朝、お互いのドレスとタキシード姿を初めて見せ合う瞬間に、新郎が今まで見たこともないような本当に嬉しそうな満面の笑顔を浮かべたのです。

新婦のお腹には、すでに5ヶ月になる小さな赤ちゃんがいました。

大星さんはその新郎のまぶしい笑顔を見た瞬間、自分の直感を信じて、予定にはなかった行動を起こしました。

ふたりが持ってきていたビデオカメラを急いで手に取り、こう言ったのです。

「これから生まれてくる赤ちゃんに向けて、今のおふたりの幸せな姿と、ビデオメッセージを撮影しましょう!」ふたりは少し照れながらも、肩を寄せ合って、未来の赤ちゃんに向けて「元気に生まれてきてね」と愛のこもったメッセージを伝えました。

これは進行表にはどこにも書かれていなかった、その瞬間のひらめきから生まれた出来事です。

でも、ふたりにとって一生の宝物になる素晴らしい「時間」になりました。

もうひとつ、大星さんの「時感」が生み出した感動的なお話があります。

新郎新婦のうち、新郎は星を見る「天体観測」が大好きでした。

そこで会場の飾り付けも、夜空をイメージしたキラキラ輝く星いっぱいのデザインにしていました。

結婚式の当日、新郎の友だちがスピーチ(お祝いの言葉)をしているとき、こんなことを話しました。

「学生時代、理想のプロポーズについて語り合ったとき、お前は『星空の下でプロポーズしたい』と言っていたけれど、あの夢は叶ったのかい?」実は新婦は、プロポーズの言葉をまだちゃんともらっていないことを、前日の電話でプランナーにこっそり相談していました。

それを知っていた大星さんは、スピーチを聞いた瞬間、インカム(耳につける無線機)でスタッフ全員にすばやく指示を出しました。

「進行表を一度すべて無視します!再入場のとき、おふたりをいつものテーブルではなく、星空のディスプレイが一番きれいに見える壁の前に案内してください!」「了解!」 スタッフ全員が一瞬でその意味を理解し、息ぴったりのチームワークで動きました。

And, 音楽が流れ、ふたりは美しい星空のライトの下に立ちました。

新郎は新婦の手を握り、友達の前で堂々とプロポーズの言葉を伝えることができたのです。

会場にいたゲスト、カメラマン、音響、すべてのスタッフが心をひとつにして、この奇跡のような瞬間を作り上げ、たくさんの涙と感動が溢れました。

このように、進行表の余白に「今、この瞬間にしかできないこと」を見つけ出し、勇気を持ってアレンジを加えることが、プロのウェディングプランナーに必要な素晴らしい技術なのです。


裏側で支えるプロフェッショナルたち:世界にひとつのケーキ・お料理・優しい建物。

結婚式は、ウェディングプランナーひとりの力では絶対に完成しません。

主役のふたりを後ろから、そして下からしっかりと支える「様々な職人(プロフェッショナル)」たちが同じ式場の中で働いています。

まず、結婚式の象徴ともいえるのが、真っ白で美しい「ウェディングケーキ」です。

パティシエの冨田恵里花さんのお仕事は、このウェディングケーキをすべて「フルオーダーメイド(一人ひとりのためにゼロから特別に作ること)」で作ることです。

冨田さんは、新郎新婦と直接会って、どんなケーキにしたいか話し合います。

ふたりの出会いのエピソード、共通の趣味、好きなキャラクター、お仕事の内容など、一見関係なさそうなすべてのお話が、ケーキをデザインするための宝物のようなヒントになります。

冨田さんは、ふたりの思いを一枚のデッサン(絵)に描き起こし、本番の一発勝負に向けて、お休みの日も何回もスポンジを焼いたり、生クリームの練り方を工夫したりして練習を重ねます。

そして、披露宴でウェディングケーキが登場した瞬間、会場中に「わあーっ!」という大歓声と笑顔が広がります。

それを見たとき、冨田さんは「このお仕事をしていて本当に良かった」と心から幸せを感じるそうです。

次に、お祝いに来てくれたゲストを一番に温めるのが「美味しいお料理」です。

シェフの鈴木光洋さんは、披露宴会場のすぐお隣にある「オープンキッチン(みんなから見える調理場)」でお料理を作っています。

昔のホテルなどでは、調理場と会場が遠く離れていて、せっかく作ったお料理が冷めてしまうことがありました。

でも、鈴木さんの働く式場では、お肉がジュージューと焼ける音や美味しい香りを会場に届けながら、出来立ての最高に美味しい状態の料理を、ベストなタイミングでお客さんのテーブルへと届けることができます。

ときには、新郎新婦の親御さんが一生懸命に自分の畑で作った自慢の野菜を調理場に持ち込み、「この野菜を使って料理を作ってほしい」とお願いされることもあります。

そんなとき鈴木さんは、「よし、絶対に一番美味しい一皿にして驚かせるぞ!」と、プロのプライドをかけて包丁を握ります。

さらに、そうしたプロたちが働く「結婚式場」という建物自体をメンテナンスし、優しく整えるお仕事もあります。

店舗コーディネーターの稲山美穂さんは、もともとウェディングプランナーとして大活躍していました。

結婚を機に、式場をデザインするお仕事へと移りました。

稲山さんは、プランナーをしていた時の経験を活して、お年寄りのゲストや、車椅子の人でも安心して快適に過ごせるように「バリアフリー(段差のない優しい設計)」を取り入れました。

専門家のアドバイスを受けながら、細かなところまで「人への優しさ」が詰まった建物を作っています。

また、チーフプランナーの竹中優さんは、新人のプランナーたちを優しく見守り、指導するお仕事(チームのまとめ役)をしています。

新人が初めて一人で担当するときは、不安や緊張でいっぱいになります。

そんなとき竹中さんがそっととなりに寄り添い、「順調だね、楽しみだね」と声をかけるだけで、チーム全体に強い安心感が生まれるのです。


ウェディングプランナーを目指すきみへ:10人十色の個性とつむがれる強い絆。

もし、この文章を読んでいるみんなの中に「私も将来、ウェディングプランナーになって、誰かを幸せにするお仕事がしたいな」と思った人がいたら、ぜひプランナーたちがみんなに送る温かいアドバイスを心に留めておいてくださいね。

まず、支配人(式場のリーダー)の西川司さんからのみんなへのメッセージは、「チャレンジし、そして続けること」です。

西川さんは、実はもともと「名古屋グランパス」というプロのサッカーチームに所属していた、本物のプロサッカー選手でした!サッカー選手からウェディングプランナーへの変身はとても珍しいことですが、西川さんは「みんなで力を合わせて大きな目標を達成することは、サッカーも結婚式も全く同じだ」と言います。

そんな西川さんも、新しい式場に異動(お仕事する場所が変わること)したとき、周りの女性プランナーたちと意見が合わず、冷たく跳ね返されてしまった苦しい経験があります。

信頼関係がゼロだった西川さんは、そこで諦めませんでした。

「このチームの誰もやっていないことで、自分にできることは何だろう?」と考え、得意だった「ガーデニング(お庭のお手入れ)」を平日の誰も見ていない時間に黙々と始めました。

お庭をきれいに飾ったり、重い荷物を運んだり、高いところの電球を交換したりと、みんなのために率先して泥だらけになって働きました。

それを見た仲間たちは、「西川さんは本当に私たちのためにがんばってくれている」と気づき、そこから強い信頼関係が生まれ、最高のチームを作ることができたのです。

また、「自分は人見知りだし、大人しい性格だから、ウェディングプランナーみたいな華やかな仕事は向いていないかも……」と心配する人もいるかもしれません。

でも、プランナーの伊藤美咲さんは、「すべての人に、それぞれの役割があるから大丈夫だよ」と優しく教えてくれます。

伊藤さん自身、もともとは初対面の人と話すのが苦手な人見知りでした。

でも、「人を幸せにしたい」という強い気持ちだけでこの世界に飛び込みました。

そして、人見知りだからこそ、「緊張している新郎新婦の気持ちが誰よりもよく分かる」という強力な武器(強み)を手に入れることができました。

グイグイ引っ張る元気なプランナーだけでなく、ふたりの話を優しく静かに聞いて、そっと後ろから背中を押してあげるようなプランナーも、絶対に必要とされているのです。

プランナーの木根愛美(マナティ)さんも、入社したばかりのころはなかなか担当のお客さんを持てず、とても焦って落ち込んでいました。

でも木根さんは、「私にできる基本のことを、日本一がんばろう!」と決めました。

電話を一番早く取る、式場に来てくれたお客さんに美味しい飲み物をすばやくお出しする、お客さんが帰ったあとをきれいに片付ける。

こうした普通のことを徹底的に行いました。

さらにお客さんの名前と好きな飲み物をすべて頭の中に叩き込んで、笑顔でお出迎えを続けました。

そうすると、お客さんたちから「いつもありがとう、マナティ!」と名前で呼ばれるようになり、みんなに愛される大人気のプランナーへと成長することができたのです。

ウェディングプランナーの稲垣佐江子さんは、「結婚式は、新しい家族の『絆(きずな)』を結ぶ場所」だと言います。

稲垣さんの働く式場では、毎年「夏祭り」というイベントが開催され、これまでにそこで式を挙げたご家族が「ただいま!」と帰ってきます。

あるご夫婦は、最初はふたりだけで写真を撮り、次の年は赤ちゃんを抱っこして……と、毎年1ページずつ増えていくそのアルバムは、新しい「家族の成長記録」になっていきます。

稲垣さんが担当した新郎さんが、大きな病気(脳出血)で倒れてしまったことがあります。

新郎さんはつらいリハビリの中で「さあちん(稲垣さん)の結婚式までに、車椅子に乗って外出できるようになるんだ」と目標を立ててがんばり、見事当日に車椅子で駆けつけてくれました。

さらに2年後の「夏祭り」の日、新郎さんは車椅子から立ち上がって、「自分の力で立てるようになったよ!」と笑顔を見せてくれたのです。

ブラスの社長である川井さんは、こう言っています。

「人間には、人生の中で主役になれる日が3回あります。それは、この世に生まれたとき、大切な人と結ばれるとき、そして人生の役目を終えて旅立つときです。その中で、自分の意思で、お世話になったすべての人に心から『ありがとう』と伝えることができるのは、結婚式だけです」

これまで自分を支えてくれた多くの人たちへの「感謝」を形にし、となりにいる人と手を取り合って生きていくという「誓い(約束)」を立てる、人生で最も美しい一日。

もしみんなが、将来誰かを笑顔にしたい、大切な人を幸せにしたいと思ったら、ぜひこの素晴らしいお仕事の扉をたたいてみてください。

きみの人生をキラキラと輝かせる、たくさんの感動の出会いが待っています。

ここから先は

9,429字 / 2画像 / 2音声

¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?