バリスタFIREしたおっさん バークシャーが再び株を買い始めた理由を考える
投資の神様ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイ。
正確には、2026年からCEOはグレッグ・アベル氏に交代し、バフェット氏は会長として残っています。
そんなバークシャーに、最近変化が起きています。
ようやく株を買い始めたのです。
ここ数年のバークシャーは、株を売り続けていました。
Appleなどの保有株を減らし、ひたすら現金を積み上げていたのです。
そして2026年3月末には、バークシャーの現金は約3,800億ドルという巨大な水準まで膨らんでいました。
ところが4〜6月期、ついに流れが変わりました。
バークシャーはこの3カ月で、
株式を売った金額より、買った金額の方が約200億ドル多くなりました。
14四半期続いていた「株式の売り越し」が終了したのです。
これは少し気になります。
そこで今回は、
バークシャーは何を買っているのか
現在どんな株を持っているのか
バフェットからグレッグ・アベルへ移行したバークシャーの投資スタンスは変わったのか
について考えてみたいと思います。
バークシャーはここ数年、株を売り続けていた
バークシャーは長い間、株を積極的には買っていませんでした。
2025年7〜9月期まで12四半期連続で株式を売り越し、その後も慎重姿勢を続けていました。
現金は2025年末でも3,700億ドルを超える規模でした。
つまり、「買いたい会社がない」というより、「買いたい価格の会社がない」という状況だったのでしょう。
これはバフェット投資を考えるうえで非常に重要だと思います。
良い会社だから買う
成長企業だから買う
AI企業だから買う
ではありません。
必ず「その値段で買って儲かるのか」を考える。
だから欲しい会社があっても、価格が高ければ現金のまま待つ。
その結果が4000億ドル近い現金だったと思います。
2026年、バークシャーが動き始めた
2026年4〜6月期、バークシャーはついに株式の買い越しに転じました。
株式購入額から売却額を差し引いたネットの購入額は約200億ドル。
そして、その中でも明らかになっている大きな投資が、
「Alphabet」Googleの親会社です。
バークシャーは4〜6月期にAlphabet株をさらに約100億ドル買い増しました。
実はAlphabetは、それ以前からかなり保有していました。
2026年3月末時点でAlphabet Class A株を約5,425万株保有しており、評価額は約156億ドル。
株式ポートフォリオの約5.9%を占めていました。
そこへさらに約100億ドルです。
単純計算なら、Alphabetへの投資額はかなり大きな規模になります。
これはなかなか象徴的だと思います。
バフェットがGoogleを買う時代
昔のバフェットと言えば、
コカ・コーラ
アメリカン・エキスプレス
銀行
保険
消費財
といった企業への投資が有名でした。
「自分が理解できないものには投資しない」というスタンスも有名です。
そのためIT企業への投資には長い間消極的でした。
しかし現在のバークシャーを見ると、Apple、Alphabetという巨大テクノロジー企業が大きな割合を占めています。
ただし、ここで重要なのは、AIブームだからAlphabetを買っていると考えるのは少し違うのではないか、ということです。
Googleには、
検索
YouTube
広告
Android
Google Cloud
Geminiを中心としたAI
などがあります。
つまりAlphabetはAI企業であると同時に、世界最大級のキャッシュマシーン
でもあります。
これはむしろバフェットが昔から好きだった企業に近いです。
巨大なブランド
競争優位性
高い利益率
大量のキャッシュフロー
強固な市場ポジション。
それを妥当な価格で買えるなら投資する。
バフェット投資の基本はそれほど変わっていないのだと思います。
現在のバークシャー保有株
では現在、バークシャーはどんな会社を持っているのでしょうか。
2026年8月9日時点では、4〜6月期の詳細な13Fはまだ提出されていません。8月14日が提出期限となています。
したがって、正式に確認できる最新の全保有銘柄は2026年3月末時点になります。
主な保有株は次の通りです。

2026年3月末時点の13Fポートフォリオ全体は約2,631億ドルでした。
そして今回Alphabetを約100億ドル追加しているため、現在はAlphabetの存在感がさらに大きくなっている可能性があります。
意外と分散投資していない
このポートフォリオを見ると、個人投資家にとって面白いことがあります。
それは、「バークシャーはそれほど分散していない」ということです。
Apple、American Express、Coca-Cola、Bank of America、Chevronの上位5社だけでポートフォリオの約67%を占めています。
「卵を一つのカゴに盛るな」というのが投資の世界の常識ですが、バフェットは必ずしもそうではありません。
良い会社を見つけたら大きく投資する。
ただし、それは企業を徹底的に調べられるバークシャーだからできることでもあります。
ただ、「バフェットも集中投資しているから」と言って、資産の半分を一銘柄に投入するのは多分違います。
そこは真似してはいけないところでしょう。
「自分自身」を買っている
今回、私がAlphabet以上に気になったのがこちらです。
バークシャー自身の株です。
バークシャーは2026年4〜6月期に約45億ドルの自社株買いを行いました。
さらに7月にも約33億ドルを追加。
3月末以降だけで約78億ドルのバークシャー株を買っています。
実はバークシャーには、自社株買いについて明確な考え方があります。
経営陣が、バークシャー株が本源的価値を下回っていると判断した場合に自社株を買います。
つまり、Appleでもなく、Coca-Colaでもなく、「今一番買いたい株の一つが自分たちの会社」ということになります。
これは投資家としては結構重要なメッセージだと思います。
バークシャーの投資スタンスは変わったのか
CEOはバフェットからグレッグ・アベルへ交代しました。
そのため、「これからバークシャーは積極投資型になるのでは」という見方もあります。
実際、今回の株式購入や自社株買いを見ると、資本を動かすスピードは以前より上がっているように見えます。
ただし、基本思想はそれほど変わっていないと思います。
アベル氏は2026年の株主向け書簡でも、「価値を慎重に評価し、忍耐強く行動し、長期保有する」という従来の考え方を示しています。
さらにバフェット氏自身も現在も意思決定に関与しており、アベル氏と互いに承認できないことは行っていないと説明されています。
つまり、人は変わったが、投資哲学は変えていない。
これが現在のバークシャーだと思います。
今回面白いと思ったこと
今回のニュースを見て、「バフェットが株を買った=株価上昇のサイン」とは思ってません。
2024年、2025年・・・バークシャーは高い株を無理して買いませんでした。
市場が上昇しても焦らず、「買えるものがなければ現金でいい」と4000億ドル近くまで現金を積み上げました。
そして2026年・・・Alphabet、バークシャー自身、さらに7月には住宅会社Taylor Morrisonを買収。
少しずつ資金を動かし始めています。
またTaylor Morrisonの買収額は約68億ドルと報じられています。
ここから感じるのは、「株を買う時期になった」ではなく、「買える価格になったものが出てきた」ということです。
この違いは大きいと思っています。
今回学んだこと
個人投資家は現金を持っていると不安になります。
株が上がると、「早く買わないと置いていかれる」と思います。
私自身もそうです。
SNSを見ると、
「この株が上がった」
「このAI株で2倍になった」
という話ばかり流れてきます。
すると現金を持っている自分が損をしているような気分になります。
しかしバークシャーは違います。
何百億ドルという機会損失が発生しても、
買いたい価格になるまで待つ
そしてチャンスが来たら、大きく買う
投資で難しいのは、「何を買うか」以上に、「何もしないで待つこと」なのだと思います。
そして今回のバークシャーの動きを見る限り、長い間待っていた巨大な投資家が、少しずつ椅子から立ち上がり始めたように見えます。
ただしまだ、財布の中には3,600億ドル以上残っています。
バークシャー自身も、「今が絶好の買い場だ」と考えているわけではないのでしょう。
買えるものだけ買う
高ければ待つ
チャンスがなければ現金でもいい
非常に地味ですが、長期投資では、この地味さこそが一番難しいです。
今回のバークシャーの動きから、改めてそんなことを感じました。
本記事は2026年8月10日時点の公開情報をもとに作成しています。
4〜6月期の個別株保有状況の詳細は今後提出される13Fで判明(日本時間で8月15日(土)の早朝ごろまでに出てくる可能性高い)するため、Alphabet以外の新規購入・買い増し銘柄については現時点では確定していません。
私がバリスタFIREまで、
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