基本心が晴れていない私が、「SUNNY LIGHT NOTEBOOK」を手にして感じたこと
私の心のなかは、おおむね天候不良だ。
ずっと雨というわけではないけれど、厚い雲が広がりやすかったり、冷たく湿った空気が流れていたり。基本的に、すっきりしないお天気が続いている。
そんな万年ぐずつき気味な私は先日、自分とは真逆の名を冠したノートを手に入れた。
いろは出版さんの「SUNNY LIGHT NOTEBOOK フリーマンスリー」というノートだ。
この1〜2ヶ月ほど、こんなスペックのノートを探していた。
・小さめ
・軽め
・薄め
・でもページ数は100ページ以上ある
・フラットに開く綴じノート
・細かめ方眼罫
・罫線の色は薄め
・紙質は書き心地よく、裏抜けしにくめ
・マンスリーカレンダー付
注文が多いと我ながら思う。こんなわがまま仕様のノートがあるわけがないと、半ば諦めながら気長に探そうと思っていた。
だからあまり真面目に探してなかったのだが、なんとあった。それがこの「SUNNY LIGHT NOTEBOOK マンスリー」だ。
サイズはA6変形。片手にすっと収まる。
ページ構成は、マンスリーカレンダー13か月分と127ページの2mm方眼メモページ。
罫線や文字の色は控えめも控えめな薄いグレー。
アクセントカラーは黄色み強めの、まさにサニーなオレンジ色。
開くとパタンと水平になる糸かがり製本。
紙質はすべすべで、私が常用するジェットストリームやJuice upが裏抜けしない。
ロフトでたまたまサンプルを見て「あなたをずっと探してた気がする……」と感動した。出会えると信じていなかったというのに、私の心の天候は、ぐずついている上に気まぐれだ。
求めるものがすべて詰まった、天恵のようなノート。まさに雲間からの差した一筋の光のよう。手元に届いたときには、ひとしきり四方八方から眺め、拝んだ。

左のダイゴーさんの手帳・ブックカバーに入れる
or裸で使う予定
ただ、使い始めるのに二の足を踏んだ。北欧の冬くらい晴れない私の心が、自認「SUNNY=晴れ」なこのノートの使用に耐えうるのか不安になったのだ。ノートと私との間には、今日も冷たい雨が降るくらいのぶ厚い雲の層がある気がした。
その不安は、ノートと同梱されていた「使い方リーフレット」を読んでにわかに増した。そこには4つの使用例が掲載されていたのだが、その一つが「一言日記」だった。
そこには、
「みんな本当に優しい」
「キュンときた〜!」
「ホクホクした😊」
「目覚めもよかった😊」
など、とてつもない「晴れ」感を放つ日記があった。おじけづいた。あまりにも自分の日記とテイストが違いすぎた。
私は7年前からほぼ毎夜、日記を書いている。そしてその内容は、たいてい暗い。「なんだかさみしい」「ひたすらにかなしい」「許さない」「どうすればよかったのだろう」などの言葉が並ぶ。
私には、使用例のようなサニーなテンションでこのノートを使う自信がない。めちゃくちゃすてきなノートを前に、いや、すてきであるがゆえに、これを使う資格が自分にあるんだろうかと、気後れした。

でもそのとき、ふとある妄想がよぎった。
この使用例の人はもしかしたら、私と同じで基本心がぐずついている人かもしれない。そして“SUNNY LIGHT”という名にあやかって、「このノートには、サニーなことを書いていこう」と決めているのかもしれない。明るさに、光に、目を向ける練習をしているのかもしれない、と。
そんなことを考えたのはたぶん、リーフレットにあったこの言葉のためだ。
To make your day full of light.
開発者の方の思いが込められたコピーだ。あなたの一日を光で満たす、的な感じだろうか。
このノートはきっと、元々サニーな人ではなく、むしろ天候不良な人に向けてつくられているのだ。コピーを心に染み込ませるように、じっくり眺める。
すると、ノートのすべての仕様が心の晴れない人=私を思って設計されている気がしてきた。
小ささも軽さも手触りも使い心地も、余計な刺激や違和感を与えないようにしてくれている。曇り空のようなグレーのなかに、さりげなくオレンジ色が覗く。雲間から時々差してくる光みたいに。
開発者さんがこのノートに込めた想いを勝手に想像し、納得する。これで安心してノートを使える。そう思った。
気に入ったノートを使い始める。ただそれだけのことにさえ、こうしていったん卑屈や疑念を挟んでしまう。気持ちの良い心模様にならないわけである。
そんなめんどくさい天候不良人間が、「SUNNY LIGHT NOTEBOOK」を使ったらどうなるだろう。ほんのちょっぴり、希望と期待の光が心に差している。

