モーツァルトとバロック音楽は、本当に体にいいのか?音楽の生理的効果
クラシック音楽を聴くと落ち着くと感じませんか?
特にモーツァルトやバッハなどのバロック音楽には、「頭が良くなる」「血圧が下がる」といった話がよく聞かれます。
実際のところ、科学的な研究ではどんな結果が出ているのでしょう??
モーツァルトとバロック音楽が体に与える生理的な影響について、研究結果をもとにわかりやすくまとめます。
モーツァルトの音楽が体に与える影響
「モーツァルト効果」という言葉は有名ですが、本来は空間認識能力が一時的に上がるという認知面の話が中心でした。
一方で、体への影響についても、複数の研究が行われています。
代表的な研究の一つが、2016年に発表されたドイツの研究です。
健常者120人を対象に、モーツァルト(交響曲第40番)、ヨハン・シュトラウス、ABBAの曲をそれぞれ25分間聴かせ、血圧・心拍数・ストレスホルモンを測定しました。
結果は次の通りです。
• モーツァルトとシュトラウスを聴いた群では、血圧と心拍数が有意に低下
• 特にモーツァルトの効果が強く、収縮期血圧が平均約4.7 mmHg、心拍数が約5.6拍/分低下
• ABBAの曲ではほとんど変化なし
• コルチゾールは音楽を聴いた群全体で低下
無音の休息でも低下は見られたが、音楽群の方が大きめ
また、術後の患者を対象にした研究では、モーツァルトの音楽を聴かせることで痛みの軽減が早まり、呼吸数が下がるという結果も出ています。
心筋梗塞後の患者でも、モーツァルトを聴いた群の方が収縮期血圧の低下が大きかったという報告があります。
重症患者を対象にした研究では、モーツァルトのピアノソナタを聴かせることで鎮静薬の使用量が減り、ストレス関連のホルモンが低下した例もあります。
バロック音楽(バッハなど)の生理的影響
バロック音楽も、似たようなリラックス効果が報告されています。
特にバッハの音楽を使った研究が多く見られます。
• バッハの「管弦楽組曲第3番」を聴かせた研究では、収縮期・拡張期血圧と心拍数が有意に低下
• 「ブランデンブルク協奏曲第4番」を聴いた場合、交感神経の活動を示す指標(LF/HF比)が低下したという報告
• ヘヴィメタルと比較した研究では、バロック音楽は交感神経を抑えやすい傾向がある
バロック音楽がこうした効果を持ちやすい理由として、次の点が挙げられます。
• 多くの曲が60〜80 BPM前後のテンポで書かれており、安静時の心拍数に近い
• 規則的で予測しやすいフレーズ構造が多い
• 急激な音量変化が少なく、体が興奮しにくい
実際に、バッハの曲を聴くとコルチゾールが下がるというデータもあります。
モーツァルトとバロック音楽、両方に共通するのは、穏やかで規則的なクラシック音楽が、血圧や心拍数を下げ、交感神経を抑え、ストレスを軽減する方向に働きやすいという点です。テンポがゆっくりで、構造が規則的な音楽全般に似た効果が現れやすいと考えられています。
まとめ
研究結果を総合すると、モーツァルトやバロック音楽を聴くことで、
• 血圧が下がる
• 心拍数が穏やかになる
• ストレスホルモンが減る
• リラックスしやすい状態になる
といった生理的な変化が起こる可能性が示されています。
日常の中でちょっと落ち着きたい、と思ったとき、モーツァルトやバッハを流してみるのは、手軽で害の少ない選択肢の一つだと思います。
科学的な裏付けがあるからこそ、音楽をただの趣味ではなく、体を整えるツールとして上手に取り入れてみるのも良さそうです。
