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まとまらない声が、物語を動かす

──バーバリーシープ6匹


草原に、六つの足音が重なっていた。
テンポはそろわない。
歩幅も、向きも、声も、ばらばら。

ベディアが先に進めば、
ランディアは立ち止まり、
サンディアは周りを見渡し、
ガルニンは首をかしげ、
ミナンは小さく笑い、
ガナンは遅れてついてくる。

「なあ、なんで一緒にいるんだっけ?」

誰かが言ったその一言に、
誰もすぐには答えられなかった。

仲がいいわけでもない。
意見が合うわけでもない。
でも、なぜか離れなかった。

そこへ、森の奥から大きな影が現れる。


現れたのは、ハナブトオオトカゲのトルヴァンだった。
その背中には、色を変えながら揺れるルクスピラの姿。

「なあ、群れってさ」
トルヴァンが、何気なく問いかける。
「なんで必要なんだ?」

ルクスピラはくるりと色を変えながら笑った。
「そろってないと、ダメ?」

その瞬間、
六匹の中に沈んでいた疑問が、
一斉に浮かび上がった。

ベディアは言う。
「先に行きたいやつがいる」

ランディアは首を振る。
「待ちたい時もある」

サンディアは周囲を見て、
「危ない場所は、誰かが気づく」

ガルニンは考え込む。
「決まってないから、選べる」

ミナンは笑う。
「一人だったら、ここにいない」

ガナンは少し遅れて、
「……離れる理由が、なかった」

それで十分だった。

群れは、
そろうためにあるんじゃない。
違いを抱えたまま、
同じ場所に立ち続けるためにある。

トルヴァンは満足そうにうなずき、
ルクスピラは色を重ねて言った。
「それ、いい物語になるね」

六匹は顔を見合わせる。
まだまとまってはいない。
でも、物語は動き出していた。



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🐑 バーバリーシープ6匹
まとまらない声が、ひとつの物語になる
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🦎 ハナブトオオトカゲ(トルヴァン)
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🦎 パンサーカメレオン(ルクスピラ)
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