光を手放す勇気が、やさしさになる
──チョウチョウウオ・ヴァルメイ
湖の水面に、細い光がゆれていた。
強くはない。けれど、消えもしない。
チョウチョウウオのヴァルメイは、その光を見つめながら考えていた。
「光って、目立つためにあるんだろうか」
DJとして湖畔をにぎわせるアシカのミルザートは、
腹ドラムを鳴らしながら笑って言った。
「光はさ、気づいたやつの心を動かせば、それで十分だろ」
ブルーマウンテンウオータースキンクのグリーヌは、
走り去る風の中でこう付け足した。
「見せる光より、そばにある光のほうが、長く残るよ」
その言葉が、ヴァルメイの胸に静かに沈んでいった。
彼はずっと思っていた。
自分は主役じゃない。
強い輝きも、派手な色も持っていない。
それでも──
誰かの隣で、そっと揺れることならできるかもしれない。
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