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【音楽】『花より男子』主題歌から読み解く、恋愛関係の進展と音楽構造の変化


こんにちは、あんじー。です。

花より男子』シリーズは、庶民女子・牧野つくしと御曹司・道明寺司という、身分も性格も正反対なふたりの関係が衝突と成長を繰り返しながら変化していく恋愛物語。

最近、嵐の復活が報道され、あらしっく(アラシアンズ)の私、大歓喜です。
狙ったかのようにU-NEXTさんで花男が配信されるなど、明らかな囲い込みに嬉しい悲鳴をあげる今日この頃。

実は、私が初めて触れたテレビドラマであり、大衆向け音楽(もといJ-POP)でもあるこの主題歌3曲を、初めての音楽記事のテーマにしたいと思います。


第1期:「WISH」― 片思いと自己変革のはじまり

2005年の第1シリーズの主題歌「WISH」は、恋のはじまり、一方通行の好意や“相手に認められたい”という願望をテーマにしています。

君に似合いの男になるまでこの僕に振り向いてはくれないみたい」には、関係がまだ対等ではないことを前提とした、自己肯定感の低さと相手に認められたいという強い承認欲求が見られます。

やさしい男になろうと試みてみたけれど 君はそんな僕じゃまるで物足りないんだね
という歌詞には、相手に合わせようと自分を変えようとするけれど、報われない葛藤がにじみます。

この時期の道明寺はまだ恋愛に不器用で、気持ちをうまく表現できません。社会的地位は自分の方が上なことも相まって、つくしに対する行動がギクシャクしており、心の距離は縮まっていない状況です。

音楽的構造の特徴

テンポ:BPM132(標準的ながらやや前のめり)
音域:mid1F〜hiC#(C#5)と広めで、感情の起伏を強調
転調:なし。直線的な構成が一方通行の想いを象徴

3曲の中では一番高音の比重が大きく、女性が一番歌いやすい音域かと思います(上下激しくあるのでプラマイゼロかなとも思いつつ…)

高音に到達するメロディラインは、報われない恋に心が振り回される様子や、抑えきれない気持ちの高まりを象徴できます。


第2期:「Love so sweet」― 試練と絆、関係性の変容

2007年の『花より男子リターンズ』では、ふたりの関係が一度壊れかけながらも、再び惹かれ合い、深く結ばれていく姿が描かれます。主題歌「Love so sweet」もまた、その段階の恋愛感情を繊細に捉えています。

「ふたりが離れていっても こんな好きな人に出逢う季節 二度とない」
「最後のLady きっとそっと願い届く」
など、恋の喜びだけでなく、別れや喪失の可能性を含む複雑な心情が表れています。

現実の障害(特に社会的立場)への直面がドラマ内で如実に描かれていたのも2期の特徴かなと思います。

(余談ですが当時2期の記憶喪失シーンがトラウマ過ぎてめちゃくちゃ泣きながら見てました…笑)

音楽的構造の特徴

テンポ:BPM139(やや速め。推進力と緊張感)
音域:mid1D#〜hiA。前作よりやや狭く、歌いやすく整理された印象
転調:サビでBメジャーからCメジャーへ。半音上がることで高揚感と不安定さを演出

転調が非常に印象的で、感情が徐々に高まっていく様子を音楽的に表現。愛の中にある希望と不安、静と動が交差する楽曲です。

イントロアウトロの「Wow oh oh」「yeah yeah yeah」が交互に来るのも感情の動きの激しさを表しているかなと思います。
(wow隊yeah隊、あなたはどちら派?)


第3期(映画):「ONE LOVE」― 永遠へのコミットメントと安定した愛

2008年公開の映画版で使用された「ONE LOVE」は、物語のクライマックスを飾る主題歌。二人がついに結ばれ、結婚という形で愛を“永遠”のものにしようとする決意が描かれます。

松潤のソロパートとしても印象的な「百年先も愛を誓うよ 君は僕の全てさ」というフレーズは、これまで積み重ねてきた葛藤の先にある、穏やかで揺るぎない愛を語っています。

一時の感情ではなく“生涯の覚悟”として相手を愛し、確かな足取りで未来へと進むイメージで綴られています。

音楽的構造の特徴

テンポ:BPM103(ミディアムテンポ。落ち着いた印象)
音域:mid1D〜mid2G。3曲中もっとも狭い
転調:なし。B♭メジャーで統一された安定構成

転調がないのは、この愛が“揺るがないもの”であることの音楽的表現。他2曲に比べて平坦な分派手さは欠けますが、だからこそメッセージが深く届く楽曲構造になっています。


3曲に見る恋愛心理の変化モデル

この変化は、恋愛心理学でもよく語られる「愛の進化モデル」にめちゃくちゃ当てはまっています。

感情の性質:①憧れ(Infatuation)→②情熱的な愛(Passionate Love)→③伴侶愛(Consummate Love)

関係性の力学:①非対称的・片思い→②相互理解と困難の共有→③相互依存と対等なパートナーシップ

時間に対する意識:①現在の願望→②過去と現在の交差→③未来への誓約

相手の理想像に惹かれるところから始まり、やがて現実を知り、その上で深く理解し合うことで、確かな愛へと成熟していくという流れですね。
(個人的に心理学や感情の言語化には興味あるのでいつか別記事で書きたいです)


おわりに

『花より男子』の3つの主題歌は、それぞれが完成された作品であると同時に、物語全体を貫く音楽的ストーリーにもなっています。

恋が育っていく過程を、言葉とメロディで丁寧にすくい取り、視聴者の感情に寄り添いながら、物語の世界観を深めていった3つの楽曲。音楽がドラマの感情の“代弁者”となった良い例じゃないかなと思います。

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