[kintoneプラグイン]地図プラグイン「かさねマップ」をリリースしました!バラバラの台帳が、1枚の地図にかさなります
こんにちは、アントベアクリエイツの森田です。
先月、「まもなくリリースします」としてご紹介していた地図プラグイン 「かさねマップ」 を、本日リリースしました。
かさねマップは、kintone のレコードを地図の上にピンで並べるプラグインです。住所を入れておけば、一覧画面のボタンひとつで、台帳がそのまま地図になります。
そして名前のとおり、別々のアプリを1枚の地図に「かさねて」見られるのがいちばんの特徴です。
きっかけは、福祉の現場の「紙の地図」でした
このプラグインは、岐阜県にある美濃加茂市社会福祉協議会さんとの案件から生まれました。
地域の福祉・介護資源マップ――どこにどんな施設があって、どのあたりに支援が必要な方が住んでいるのか。それを1枚にまとめた地図です。とても大事な資料なのですが、作るのも更新するのも、ものすごく手間がかかっていました。
お話を伺っていて、困りごとは大きく3つに分かれるな、と思いました。
住所の一覧では、位置関係がわからない

kintone に住所は入っている。でも文字列を上から下まで読んでも、「近い」のか「遠い」のか、どのあたりに集まっているのかは頭に浮かびません。
手作りの地図は、更新がつらい

一度がんばって地図を作っても、データが増えるたびに作り直し。気づけば「最新版」が誰の手元にあるのかわからなくなっていきます。
複数の台帳を突き合わせられない

利用者の台帳、施設の台帳、拠点の台帳。別々のアプリで管理していると、「この方の近くに、どの施設があるか」を見るためにアプリを行ったり来たりすることになります。
3つ目がとくに厄介で、これを解決したくて作ったのが地図アプリ同士を「かさねる」機能です。
「かさねる」別々のアプリを、1枚の地図に
かさねマップでは、地図を開いているアプリ自身に加えて、別のアプリを最大5つまで重ねて表示できます(合計で最大6レイヤー)。
利用者のアプリ、施設のアプリ、拠点のアプリ。それぞれ別のアプリのままで構いません。地図の上でだけ、いっしょに並びます。

レイヤーごとにピンの形(5種類)・アイコン・色を変えられるので、「丸い青が利用者さん、四角い緑が施設」というふうに、ぱっと見で区別できます。左上のレイヤーバーでチェックを外せば、その場で非表示。「今日は施設だけ見たい」も一瞬です。
住所を入れておくだけで、地図に載ります
地図に載せるには緯度・経度が要るわけですが、そこを手で入力していただくつもりはありません。**住所から自動で座標に変換(ジオコーディング)**します。
方法は3通り用意しました。
新規登録したときに、住所から自動で変換(編集時にも変換させる設定もあります)
詳細画面のボタンを押して、そのレコードだけ変換
すでにある数百件・数千件は、地図の[その他]→[一括ジオコーディング]でまとめて変換
既存の台帳をお持ちの方は、3つ目の一括変換を一度実行していただければ、あとはもう地図が出来上がっています。ここがいちばん気持ちのいい瞬間かもしれません。
なお、変換に使っているのは国土地理院のサービスです。ビル名や部屋番号まで入っているとうまく当たらないことがあるので、そのときは住所を少し簡略にしてお試しください。(郵便番号も外しておいたほうがいいです)ピンの位置が少しずれた場合も、ポップアップの[位置を修正]からドラッグで直せます。直した座標はそのまま kintone に保存されます。
数百件あっても、ちゃんと読める地図に
ピンが数百個ある地図は、そのままだと地図に表示しにいっても、処理中の状態になり、しばらく待っても真っ黒に・・・何も読めない、、重い、、ということはありませんか?快適に地図に表示するために工夫している機能も、ひととおり入れました。
まとめ表示(クラスター):近いピンを丸数字にまとめます。ズームすると自然にほどけていきます
ヒートマップ:密集しているところを色の濃さで表示。ピン表示と併用できます
区分での絞り込み:主分類の値ごとに、ピンの色を自動で振り分けます
名称検索・住所ジャンプ:探したい場所へ一気に飛べます
半径検索:地図をクリックして、500m〜10km の円を描き、その中のレコードだけを一覧に出します
よく使う条件はビューとして名前を付けて保存できます(最大5件)。ただしこれは端末のブラウザーに保存される仕組みなので、他の方や別のパソコンとは共有されません。あしからずご承知おきください。
書き込んで、画像として持ち出せます
現場でいちばん喜んでいただいたのが、実はこの機能でした。

ヘッダーの[画像保存(編集)]を押すと、まず表示中の地図を好きな範囲で切り取り、続いてペン・矢印・テキスト・図形で書き込みができます。
「このエリアを重点的に」「この順で回る」といった手書きの情報を、そのまま地図に載せられます。一覧画面からは PNG でダウンロード、詳細画面からは指定した添付ファイルフィールドに直接保存。会議資料や訪問計画に、加工なしでそのまま使えます。
地図を見て終わり、ではなく、地図を持ち出せるところまでを1つの流れにしたつもりです。
地図の利用料は、0円です
ここは設計の段階でいちばん悩んで、いちばんこだわったところです。
地図の表示には 国土地理院の地図タイルを使っています。Google Maps API のような従量課金のサービスを使っていないため、表示件数が増えても、利用する人数が増えても、地図まわりの追加費用は一切かかりません。
多機能・高性能を求められる場合は他のkintoneプラグインをお探しいただければと考えておりますが、この「かさねマップ」はライトに気兼ねなく、ぱっと使いたいという日常の道具としてこのような判断をしています。
地図系のツールは「使えば使うほど請求が増える」構造になりがちで、それだと現場の方が安心して使い込めません。何回開いても、何人で見ても値段が変わらない。そのような需要を満たすように考えて制作しています。
データの扱いについて
位置情報を扱う以上、重要なデータの扱いについて説明させていただきます。
かさねマップは、kintone の外にデータを保存しません。ただし地図を表示するために、国土地理院のサーバーへ次の情報が送られます。
表示している範囲のタイル座標(=どのあたりを見ているか)
住所検索・ジオコーディングのときの、住所の文字列
逆ジオコーディングのときの、緯度・経度
氏名や施設名などのフィールドの値が送信されることはありません。 導入をご検討の際は、この点を情報システム部門の方にもお伝えいただければと思います。
こんな現場で効きます
社会福祉協議会・地域包括・介護事業所:利用者と社会資源の位置関係を1枚で
訪問・巡回サービス:今日回る先を地図で確認し、そのまま画像で持ち出す
自治体・インフラ管理:設備台帳を地図化して、エリアごとの状況を把握
住所が入った台帳をお持ちなら、たいていの業務でお使いいただけると思います。
価格と、無料トライアルについて
プラグイン本体:240,000円(税抜・買い切り) ※初年度の保守費用を含みます
2年目以降の保守:24,000円/年(税抜・任意)
地図の利用料:0円(レコード件数・利用人数による追加費用はありません)
2年目以降の保守は任意です。更新されなくても、ご購入いただいたバージョンはそのままお使いいただけます。
30日間の無料トライアルをご用意しています。クレジットカードの登録は不要で、ライセンスコードを入れずにそのまま評価いただけます。試用中に登録した住所・緯度・経度は、プラグインを外したあとも kintone のデータとして残ります。
ひとつだけ注意事項があります。かさねマップはPC版の kintone のみの対応で、kintone モバイル(スマホアプリ・モバイル表示)には対応していません。現場でスマホから、という使い方はまだできませんので、そこはこれからの宿題です。
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おわりに
「kintoneのデータを地図にして視覚化すると、話が早い」というのは、開発中に何度も感じたことでした。
住所の一覧を前に「この訪問先とこの施設って近いんでしたっけ」と確認し合っていた会話が、地図を1枚出した瞬間に「じゃあこっちから回りましょう」に変わる。同じ情報を見ているはずなのに、見え方が変わると出てくる考察まで変わることが、開発していてたのしかった点です。
kintoneアプリ のデータ中には、すでにたくさんの住所が入っています。それはもう、地図になる材料が揃っているということでもあります。あとは、開くだけの手間をどれだけ小さくできるか。かさねマップは、そこを担当する便利な道具になってもらいたいという思いで作りました。
まずは30日間、お手元のアプリでそのまま試していただければ嬉しいです。「うちの業務だとこう使いたい」というご相談も、ぜひお聞かせください。
これからも、日々の業務のなかで「ちょっと助かるな」と感じていただける一歩を、少しずつ積み重ねていければと思っています。
