【水道工事の思い出】スイサイとジッパーと、合材屋への道
大阪で水道工事をしていたころの話だ。
現場で「スイサイ」と呼ばれる地層がある。とにかく固い。普通のスコップじゃびくともしない。そこはジッパー(バックホウのアタッチメント)でガンガン崩しながら掘っていくしかない。
その日は枝管じゃなく、本管を少し入れる作業だった。

ジッパーでスイサイを少しずつ崩して、「ケンスコ」と呼んでいた先が尖ったスコップで掘っていく。それを「カクスコ」という平たいスコップで、上にいる人がユンボに人力で入れていく。ちなみに横を掘るスコップは「ミゾホリ」だ。現場の道具には、みんなちゃんと名前がある。
ようやく本管の先が見えた。
上では長さを測って、エンジンカッターで管を切る。「滑剤」と呼ぶヌルヌルした液体をゴムパッキンにたっぷり塗って、インパクトでボルトを止めていく。角度を考えながら、90度・45度の曲がった管をつなぎ合わせて、また滑剤、またボルト。ビニールをかけてビニールテープで止めたら、ワイヤーロープで縛ってユンボで吊る。

少しずつ下げて、本管とボルトでつなげる。
最後に「大阪市水道局」と書かれた青いテープを上に乗せて、埋め戻しだ。
ただ、穴掘りが終わったころには、たいてい私に「行ってきてー」と声がかかる。
合材(アスファルト)を取りに行く仕事だ。
これが正直、楽だった。クーラーの効いた涼しい車に乗って、大正区の大林道路まで向かう。
でも、ひとつだけ注意がある。
掘ったときに出たレンガが荷台に混ざっていると、受け入れを断られることがあった。量が多いと持ち込み先を変える必要もあった。

そういうときは43号線を北上したところにある「OGロード」と呼ばれる受け入れ先に向かった。※現在は閉鎖されている
台貫(重量計測)のあとには、プールみたいな水場を通ってタイヤの泥を落とす設計になっていた。帰りも同じコース。少量のときは別の合材屋に行くこともあったけど、9割以上は大林道路だった。
深夜に水道工事をすることもあった。
そういうときは、合材屋の受付の人が椅子に座ったまま寝ていた。みんな。

合材を積んでシートをかけて現場に戻ると、もう埋め戻しもプライムコートも終わっていて、あとは仮のアスファルト舗装をして終わり、という流れだった。
後日、きれいに本復旧するので、その日はある程度でよかった。
とはいえ、剥がれて苦情が来ることもある。
そのときは「レミファルト」という、加熱不要の袋詰めアスファルトを持って修復に行く。何度も行った。夏でも冬でも。
工事が終わっても、終わらない仕事というのは、どの業界にもある。
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現在は行政書士として、運送業許可の取得サポートをしています。現場経験28年の視点から、車庫や運行管理についてもアドバイスしています。
行政書士あおばと合同事務所
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水道工事13年・古紙回収8年・危険物輸送7年、現場28年の経験をもとに運送業・物流の話を書いています。「面白かった」「参考になった」と思っていただけたら、次の記事を書く励みになります。