見出し画像

社員が増えて手狭になったので、AIチームのオフィスを新調した話(全員AIですが)

先日、会社のオフィスを引っ越しました。

といっても、不動産の話ではありません。AIチームの“オフィス”の話です。社内向けに作っている、AIたちの働きぶりを映す『ダッシュボード』です。それを、これまでの俯瞰図から、グルッと回せる3Dのオフィスへ作り替えました。

理由は単純で、手狭になったからです。この数日で、うちの“社員”が一気に増えました。

前回の記事で「この3日で13人のAIを“雇用”した」と書きました。あれから、さらに増えました。いまは専門の担当が14人、それをまとめるリーダーが1人。あわせて15のエージェントが、このオフィスで仕事をしています。

今日は、その「引っ越し」と、新しいオフィスで何が見えるようになったか——という舞台裏を書きます。

まず、誤解のないように

毎回しつこく書くのですが、大事なことなので今回も先に。

会社が丸ごとAIになったわけでも、全員がAIで回っているわけでもありません。

お客様と会って話す、商談に出る、最後にメールを送る——そういう「人と人の、外に出ていく仕事」は、いまも私自身がやっています。営業も、候補を調べる・下書きを作る・フォームに記入するところまではAIですが、「誰に送るか」を選んで「送る」のは人の仕事です。

表に立つのは人、裏で下ごしらえや事務・SNS・受託・雑務を支えるのがAIチーム。いまはそういう分担です。私は中小企業へのAI導入支援を生業にしているので、まず自分の会社の裏側で本気で試す——その途中経過を、こうして正直に書いています。

手狭になったので、オフィスを新調した

これまでのダッシュボードは、平面の俯瞰図でした。上から見たオフィスに、担当ごとのデスクが並んでいる絵です。最初はそれで十分でした。人数が少なかったので。

ところが役割を切り出すたびに担当が増えていって、平面に並べると窮屈になってきたんです。最近も、自社の決算を読んで事業相談に答える経営コンサル役と、台帳の一括更新みたいな機械作業をまとめてこなす事務スタッフ役が加わりました。

そこで、思い切って引っ越すことにしました。新しいオフィスは、マウスで360度ぐるっと回せる立体のオフィスです。中央に光るタワーがあって、その高いところにまとめ役のリーダー。周りをぐるりと囲むように、専門の担当たちのデスクが並んでいます。

ちょっとした遊びとして、オフィスの雰囲気を切り替えられるようにもしました。昼間の明るいオフィス、深夜の作業部屋、ネオンの司令室——気分で変えられます。実用一辺倒だと作っていて味気ないので、自分がちょっと楽しくなる工夫を入れています。

顔ぶれをざっと並べると、こんな感じです。

  • 営業の候補をリサーチする担当

  • 英魚ウメールを下書きする担当

  • お問合せフォームに記入する担当

  • 返信が来ない相手を追いかける追客担当

  • 商談用の提案資料を作る担当

  • SNSの発信担当

  • お客様の名刺やチラシを作る制作担当

  • 補助金の新着や締切を見張る担当

  • 法律担当

  • 税務担当

  • 労務担当

  • 受け取った書類を仕分ける整理担当
    先ほどの経営コンサル役と事務スタッフ役。これで14人です。

そして、先ほどの経営コンサル役と事務スタッフ役。これで14人です。

線引きとして、法律・税務・労務・補助金まわりの担当は、弁護士でも税理士でも社労士でもありません。 あくまで「一次情報に当たって論点を整理するリサーチ役」です。当たりをつけるのがAIの仕事で、最終的な判断はちゃんと専門家の先生に確認する。そこは混ぜないようにしています。

「いま誰が何をしているか」が見える

引っ越しで一番やりたかったのは、見た目の刷新そのものより、「いま誰が何をしているか」がひと目で分かることでした。

新しいオフィスでは、仕事をしている担当のデスクが光ります。手が空いている担当は、待機の表情。そして各担当の頭の上に、「いま何をしているか」の一言が吹き出しで出ます。「あきる野の税理士を調査中」「◯◯社のフォームに記入中」——そんな具合です。

下のほうには、直近の活動ログが時系列で流れます。どの営業バッチが終わったか、どんな制作物が仕上がったか。眺めているだけで「ああ、今日はこれが前に進んだな」と分かる。

なぜここにこだわったか。理由は、私自身の不安でした。

複数の担当に仕事を任せ始めると、だんだん「いま全体がどうなっているのか」が見えなくなってくるんです。任せた仕事が止まっていないか、誰かが手持ち無沙汰になっていないか。人間のチームでも、メンバーが増えると同じ悩みが出ますよね。任せるほど、状況が見えなくなる不安が増す。

だから、見えるようにした。それだけのことなんですが、これがあるのとないのとでは、安心感がまるで違います。

「どれだけ時間が浮いたか」も表示している

もう一つ、新しいオフィスに付けたものがあります。AIが肩代わりしてくれて、私が削減できた時間の累計です。

これは、ふわっとした自己満足の数字にはしたくありませんでした。だから集計の仕方を、最初から決めてあります。

業務ごとに「これは1件あたりだいたい何分浮く」という短縮時間を、私が自分で定義する。営業なら1社あたり何分、追客なら1通あたり何分、給与計算なら1か月あたり何分、制作物なら1件あたり何分——という具合です。そこに実際にこなした件数(これまでの営業の社数、追客の通数、給与の月数、制作物の件数など)を掛けて、機械的に積み上げる。

ポイントは、AIが勝手に数字を盛らないようにしてあることです。定義した時間 × 実際の件数。それだけ。自分で「効果が出た気がする」と水増しするのではなく、淡々と積み上がる仕組みにしています。

始業から4時間経過した時点で19時間の時間削減でした。

画面に出ている数字は、見ていただいたとおりです。いまのところ、ざっと100時間ほど。書いている時点での話なので、これを読む頃にはもう少し増えているかもしれません。

正直、100時間という数字そのものに、特別な思い入れはありません。大事なのは、浮いた時間を「人にしかできないこと」に回せているという実感のほうです。お客様とちゃんと話す、戦略を考える。裏側が軽くなったぶん、そこに向き合える。「AIに仕事を奪われる」というより、「自分がやらなくていい裏方を一つずつ手放している」感覚に近いです。

まだ途中です。これからも増えていきます

良いことばかり書いてきましたが、当然うまくいかないこともあります。指示が曖昧だと見当違いのものが返ってくるし、担当を分けても文脈の渡し方が下手だと噛み合わない。「どこまで任せて、どこから自分がやるか」の線引きは、いまも毎日引き直しています。完成形にはほど遠い。

それでも続けているのは、手応えがあるからです。そして、業務をAIに任せられるようになるたびに、担当は増やしていく予定です。手狭になったらまた引っ越せばいい。来月この記事を書くときには、オフィスがもう一回り大きくなっているかもしれません。

最後に少しだけ。こうやって自社の裏側で泥臭く試した経験が、お客様に「AIをどう導入するか」をお伝えするときの一番の土台になっています。自分が手探りでやってきたぶん、「ここは効くけど、ここはまだ人がやったほうがいい」を、自分の言葉で話せる。

もし「うちの業務のどこをAIに任せられるか、まず話だけ聞いてみたい」という方がいれば、お気軽にどうぞ。今すぐの導入を考えていなくても大丈夫です。私も毎日学びながらやっている途中なので、一緒に考えるくらいの気持ちで。

(Grid Memo / AI導入支援を自然に紹介。押し売りにしない)
AI導入支援:https://grid-links.com/ai-support/
Grid Memo(GmailのCRM):https://grid-memo.com/

いいなと思ったら応援しよう!