魔女のハーブは、あんまり甘くない 6ー1 魔女と星の未来(1)
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◯街の教会(昼のころ)
カランカラン・・。
教会の鐘が、しずかに、鳴りおわる。
アカリとノア、しばらく、おたがいを見ている。
アカリ「ノア・・。どうして、この街に・・?」
アカリ、しんじられないような表情で、ノアを見る。
ノア「おねーちゃんこそ、そのドレス姿・・」
ノア、金のドレスを着た、アカリを見ていう。
ココが、2人を、じっと見ていると「ニャ」と小さな声をだす。
アカリとノア、はっとする。
セーラ「・・お、おっほん。えーと、アカリちゃん、これは、どういった状況なのか、説明してもらってもいいかな・・・・」
銀のドレスのセーラ、せきばらいをする。
ちょっと、顔が緊張ぎみ。
アカリとノアが、いっしょに、セーラを見る。
セーラ「(どきっとして)ふ、ふたりとも、なんか顔がそっくり・・、ってことは、もしかして・・・・」
セーラが、きょろきょろしていると、アカリが、ゆっくりと口を開く。
アカリ「ええ・・、妹の、ノアなの・・・・」
セーラ「え」と、まさかの表情。
ノア、セーラに、ぺこっと、おじぎする。
ノア「ノアです。はじめまして・・・・」
セーラ、ひきつった笑みを、うかべる。
セーラ「は、はじめまして・・。ほんとに、アカリちゃんを、そのまま小さくした感じ・・・」
ココが、セーラの足元に、ぺたっとすわる。
ノア「おねーちゃん、帰ろ」
ノア、アカリに、つめよる。
アカリ「・・・・え?」
ノア「・・わかってるでしょ。お父さんも、心配してるの。とっとと帰ろ」
ノア、アカリの金のドレスのはしを、ぐいと指さきで、つまむ。
アカリ「・・・・いやよ」
アカリが、くちを、ぎゅっと、むすぶ。
ノアが、むすーっと、ふくれる。
ノア「・・また、意地をはって。だめよ、わがままいっちゃ」
ノア、子どもをしかる母親のような目で、アカリを見る。
アカリ「・・・・だめ、帰らない」
アカリ、腕を組んで、ぷいと、横をむく。
ノア、ふーっと、大きく息をはいて、うつむく。
だが、足元のココと目があうと、顔つきが、ころっと変わる。
ノア「・・あれ、かわいい黒猫ちゃん」
ノア、ココを抱き上げると、ココが、嬉しそうに鳴く。
ノアの視線の先に、お店が見えた。
「おいしいオムレツのお店」
と描かれた看板が、かかげてある。
ノア「・・あ、いい香り。朝、食べてなかったから、ちょうどよかった」
ノア、ココを見る。
ノア「ね、あのお店、行こっか。ほら、おねーちゃんも」
ノアが、ココを抱いて、お店のほうへ歩いていく。
アカリ、ちょっとためらってから、ノアのあとについていく。
ココ、ニャオと鳴いて、ノアのほおを、ぺろっとなめる。
セーラ「ちょっ・・、あたしより、なついてる・・・・?」
セーラ、かなり困惑しながら、アカリたちのあとを歩きだす。
◯貴族エリアの街(夕がたのころ)
街の中心部にある、大きな邸宅。
ひげをはやした男性が、2階の大広間の窓から、街をながめている。
メイド「・・アルカスさま、ただいま、お電話が、はいりました」
メイドが、うれしさをひめた顔で、大広間に、はいってくる。
アルカス「・・おお、それで、どうだったかね?」
アルカス、やや緊張の面持ちで、メイドに、ちかづく。
メイド「・・はい。ソウタさんから、連絡が入ったそうです。もうすぐ、アカリさんと、会えそうだと」
アルカス、「おお」とおどろきの、表情。
メイド「・・たぶん、ノアさんも、その街にいると、思いますわ」
メイドが、よろこびの声を、だす。
アルカス「そうか、それなら、よかった・・・」
アルカス、ふーっと息をはくと、ほっとした様子で、そばの大きなイスに腰をおろす。
アルカス「・・まったく、ノアも、いきなり、いなくなってしまうし・・。2人とも、いったい誰ににて、あんな冒険好きな子になったのか・・」
アルカス、手を顔にあて、苦笑いする。
アルカス「・・まあ、元気でいるなら、なによりだ・・・・」
アルカスが、大広間の真ん中のテーブルを見る。
テーブルのうえには、アカリとノアの姿が写った写真が、おいてあった。
アルカス「あれから、もう1年か・・・・」
アルカス、イスから腰をあげると、メイドのほうを向く。
アルカス「・・ハーブティーを、持ってきてくれるかね?」
メイド「セウスさまにですね?かしこまりました」
メイド、ていねいな返事をすると、きれいな足取りで大広間をでていく。
アルカス、となりの部屋にいくと、大きなベッドでセウスが眠っていた。
やがて、セウスが、そっと目をあける。
セウス「・・大丈夫だったの?」
アルカス「ああ、元気みたいだよ」
アルカス、やさしげな視線を、セウスにむける。
セウス「・・よかった。まあ、私たちの娘ですもの。心配することなんて、ないわね」
ドアが、こんこんとノックされ、アルカスが、どうぞと、声をかける。
メイド「・・おまたせしました」
ドアが開き、メイドが、ハーブティーをのせたトレイを、アルカスにさしだす。
アルカスが、ありがとうといって、トレイを受けとり、ハーブティーをセウスの手に、わたす。
セウス、ゆっくりと、ティーカップに口をつける。
セウス「・・おいしい。あんまり甘くなくて・・・・」
セウス、ほっとした表情。
メイド「アカリさまは、このお味が、たいへん、お好きだったようです」
メイドがいうと、アルカスが、うなずく。
セウス「・・そうね、よく私たちに、飲ませてくれていたものね」
セウス、ティーカップをトレイにおくと、夜をむかえた空を見た。
7つの星が、空に、かがやいていた。
セウス「あら、あの星は・・?」
セウス、星にむかって、つぶやく。
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<6ー2に、つづく>
