魔女のハーブは、あんまり甘くない 6ー5 魔女と星の未来(5)
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◯港(夕がたに、ちかい時刻)
ソウタ、アカリの手をひいて、ストリートの人ごみのなかを進んでいく。
やがて、港が見えてくる。
大きなニホンノ丸が、係留していた。
ソウタ「・・さあ、この船に、乗ろう」
ソウタ、キップを、アカリにわたす。
アカリ、キップをうけとる。
ソウタの腕の中の、のら猫が、ぴょんと地面におりると、「ニャオ」となく。
ニホンノ丸の前にくると、アカリ、ぴたっと足をとめる。
ソウタ「・・・・アカリ?」
ソウタ、アカリに、振りむく。
アカリ「・・ソウタさん、ごめんなさい」
アカリの胸のペンダントが、光りだす。
空が、きゅうに、暗くなりはじめた。
ソウタ「え、どうして、空が・・・・・?」
ソウタ、空を見上げて、不思議な顔。
アカリ「・・さよなら、ソウタさん」
アカリ、キップを、ちぎる。
風がふき、ばらばらになったキップが、アカリの手から、海へと飛んでいく。
ソウタ「アカリ・・・・?」
ソウタがつめよると、アカリは、両手でペンダントをにぎる。
アカリの肩越しに、走ってくるセーラの姿が、見えた。
セーラ「あ、いた、2人とも・・・・!」
セーラ、ココを腕にかかえ、息をはずませている。
セーラ「あれ、空が・・・・?」
セーラ、暗くなっている空を見て、つぶやく。
ココが「ニャ」となく。
アカリ「わたし、帰る場所が、あるの・・・・」
ソウタ「・・・・?」
アカリのペンダントが、光りだす。
すると、ひかりのわたが、アカリを包んでいく。
ソウタ「え・・、アカリ・・?」
ふわりと、アカリの体がうきあがり、ひかりのわたが、港の空へとうかんでいく。
ソウタ、7つの星が光る空へあがっていくアカリを、しんじられないような顔で見つめる。
アカリの姿が、南の空へむかって、だんだんと小さくなっていく。
セーラ「わわ、ア、アカリちゃん、まって・・・・!」
ココが、セーラの肩に、ぴょんと乗る。
セーラ、いそいでホウキにまたがると、空に舞いあがり、アカリをおう。
セーラ「あれって、前に、レオーナちゃんがいってた・・・・?」
港のひとびとが、ざわっと、いっせいに空を見ている。
ソウタ、ぼうぜんと空を見ていると、ニホンノ丸が汽笛をあげ、海へと、うごきだした。
のら猫が「ニャ」と、空にむかって小さくないた。
◯街の駅(夕がたをむかえるころ)
大きな汽車が、街の中心部にある駅に、とまっている。
ジリリリリ、とベルがなる。
車掌さん〈まもなく出発です。乗客のかたは、お急ぎください〉
ホームに、アナウンスが、ながれた。
ノア、急ぎ足でホームにはいり汽車にのりこむと、ほっと息をはく。
ノア「・・よかった、まにあった・・。まあ、これでよかったんだよね。ちょっと、さみしいけど・・・・」
ノア、かべによりかかると、汽車の窓から見える港の景色を見る。
ノア「・・きっと、お父さんも、わかってくれるよね・・・・」
ノアがつぶやくと、とつぜん、ホームから走ってくる足音が聞こえてきた。
ノア、振り向くと、外から人が飛び込んできた。
ノア「わっ!」
ノア、声をあげて、尻もちを、つきそうになる。
ばたん、と汽車の扉がしまる。
やがて、がたんごとんと汽車が走りはじめた。
ノア「エ、エドワウさん・・・・?」
ノア、おどろいて、手をくちにあてる。
ノアの前で、汗だくのエドワウが、はあはあと、息をはずませている。
エドワウ「・・よかった、なんとか、まにあった・・・・」
エドワウ、顔をあげると、帽子をとって、ノアにわらいかける。
ノア「ど、どうして・・・・?」
ノア、しんじられないような視線を、エドワウにむける。
エドワウ「いや・・。その、ちょっと、君が心配で・・・・」
ノア「・・・・え?」
汽車が、スピードをあげた。
エドワウ「あ、だから、その・・、君がいるかなって・・・・」
がたんがたんと、しばらく、汽車の音がひびく。
ノア、したをむいて、ぷーっとふきだす。
ノア「あー、リサさんに、怒られませんでした?」
ノア、指さきで、エドワウの胸をつつく。
エドワウ「あ、ああ、すこし・・・・・。でも、<あんたも、男らしくなったね>って言ってくれて・・・・」
ノア、くすっと笑い、エドワウのとなりに座る。
ノア「・・じゃあ、また、本のつづき読んでくれます?」
ノア、そう言って、バックから歴史の本をだし、エドワウに見せる。
エドワウ、こほんと、せきばらいをする。
エドワウ「じゃ、じゃあ、このまえの、つづきからで・・・・」
エドワウ、ノアに説明をはじめようとすると、ノアが売り子の女性に手をあげて 「あの、クッキーを2つ、ください」と声をかける。
エドワウ、「?」と、不思議な顔をむける。
ノア「あー、さっき、オムレツを食べそこなっちゃったから、すこし栄養補給したいんです」
と、いたずらっぽく笑う。
エドワウも笑いだし、2人でクッキーを食べてから本を読みはじめる。
やがて、汽車が山のトンネルにさしかかると、ノア、空を見て「?」と目をひらく。
ノア「あれ、もう空が、どうして・・・・?」
空が、暗くなりはじめていた。
7つの星が、きらりと、かがやいている。
ノア「たしか、あの星座って、この前も、見えた・・・・?」
ノアがつぶやいて、エドワウによりかかる。
エドワウ、顔が、トマトのように赤くなる。
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<6ー6に、つづく>
