魔女のハーブは、あんまり甘くない 5ー8 魔女と妖精の王女(8)
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◯泉のある森(満月がうかぶころ)
光のわたのなかの、アカリ。
星空を背に、宙にうかんでいる。
胸のペンダントが、かがやきつづけている。
アカリ「わたしたち、宙にういてる・・・・?」
アカリ、肩のココを見ながら、つぶやく。
ココ「ニャ」
ココが、嬉しそうに鳴く。
アカリ「楽しそうね、ココちゃん・・。でも、どうやって、降りればいいのかな・・・・?」
アカリ、地上を見ながら、苦笑い。
すると、光のわたが、ゆっくりと、地上へとおりていく。
アカリ「・・・・?」
地上では、セーラが、手をひろげて、むかえている様子。
やがて、ペンダントが、かがやくのをやめると、光のわたも、きえる。
アカリとココ、ゆっくりと、セーラの前に足をつく。
セーラ「よかった・・。2人とも、おかえりなさい」
セーラ、ほっとした顔で、ココを抱き上げる。
アカリ「あー、びっくりした。でも、なんか楽しかった」
アカリ、ほほえむ。
レオーナ「・・魔女座とふれた感じは、どうでしたか?」
白うさぎを抱いたレオーナが、ほほ笑んで、たずねると、アカリ、すこし考えて
アカリ「んー。なんだか、なつかしい感じがした」
と、笑顔でこたえる。
白うさぎが「きゅー」となくと、夜空の7つの星が、東から西に、順に光りはじめる。
セーラ「な、なにあれ・・、星空が、歌っているみたい・・・・」
レオーナ「(笑って)ね? 星たちも、よろこんでるんですわ」
7つの星が、くっきりと、形をつくった。
アカリ、なにかに気づいたように、おどろいた顔になる。
アカリ「・・あれ、なんか、あの7つの星のならびって、セーラちゃんのシルエットそっくりなんだけど・・」
セーラ「そ、そう・・?」
セーラ、7つの星を見ると、うんうんと、うなずく。
セーラ「やっぱり、美魔女なのかな、あたしって・・・・」
セーラ、顔を両手ではさんで、幸せそうな表情をつくる。
アカリ、苦笑いをしながら、セーラを見る。
やがて、夜空の小さな星が、ゆっくりと集まり、きれいな輪になって、7つの星をかこんだ。
アカリ「 あれ? まわりの星が、あつまって・・」
アカリ、不思議な表情。
セーラ「・・え、あれ?」
セーラ、目をひらく。
セーラ「・・ねえ、なんか、星と星のあいだに、赤い糸みたいなのが、見えない?」
セーラ、アカリを見る。
アカリ「・・え、そうかな」
アカリ、まばたきをする。
セーラ「・・なんか、それが、小さな星を、みんなあつめているような・・・・」
レオーナ、じっと星を見るが、首をかしげる。
レオーナ「わたくしも、なにも見えませんわ・・。魔女の目って、なにか、めずらしい見え方を、するんですの?」
セーラ「んー。でも、いま、見えたんだよねー」
セーラ、ホウキをふりながら、いう。
ココ、「ニャ」と鳴く。
◯船の甲板(昼ごろ)
ヒカワノ丸は、港にとまり、たくさんの船客が、笑顔でおりてくる。
そのなかには、リサ・ノア・エドワウの姿もあった。
ノア「・・わあ、すてきな街」
ノア、街の景色に、目をかがやかせる。
リサ「・・ええ。楽しい船旅だったわね。ね、エドワウ?」
リサ、エドワウの肩に、ぽんと手をおく。
エドワウ「うん、そ、そうだね・・・・」
エドワウ、小さく、こたえる。
船客たちが、みんな港から散っていくと、エドワウ、やがて、ぴたっと足をとめて、リサを見る。
エドワウ「姉さん、いいかな・・・・」
エドワウがいうと、リサ、真顔になって、ゆっくりとうなずく。
リサ「・・ノアちゃん、ちょっといい?」
リサ、ノアの背中に声をかける。
ノア「?」とふり向く。
リサ「・・ごめんなさい。わたしたちは、ここでいちど、お別れになるの」
ノア「・・・・?」
ノア、無言で、リサを見つめる。
リサ「・・わたしたち、どうしても、行かなきゃいけないとこがあるの」
エドワウ、うつむく。
リサ「ほんとにごめんね・・。でも、この街のどこかに、アカリちゃんは、いるはずだから・・」
リサ、胸のペンダントを、ノアに見せる。
ノア「・・わかりました。大丈夫です」
ノア、こくんと、笑顔でうなずく。
ノア「・・ちゃんと、お姉ちゃんに、あってきます」
カモメが、港の空に、はばたく。
リサ、ふっと、母親のような笑みを、うかべる。
リサ「・・ほんと、ノアちゃんは、つよい子ね。きっと、うまくいくわ」
リサ、ノアの頭をやさしくなでると、ノア、すこし照れた顔。
エドワウ、顔をあげて、ほほえむ。。
リサ「・・アカリちゃんのいるとこで、また会おうね」
リサ、ノアをぎゅっと抱きしめると、ノアのほおに、キスをする。
ノアも、にこっと笑い、リサのほおに、小さくキスをする。
エドワウ、すこしはなれて、ほおを赤くしている。
ノア「・・あ、エドワウさん」
ノアが、エドワウを見る。
エドワウ「・・・・?」
ノア、エドワウの前に行くと、にこりと笑う。
すると、ノア、エドワウのほおに、キスをする。
エドワウ「・・・・・・・・・・」
リサ「あら」
リサ、すこし、おどろいた表情。
エドワウ、信じられないような顔をノアにむけ、くらっとその場に、たおれそうになる。
エドワウ「え・・、え・・・・・?」
エドワウ、いままでにないくらい、顔が赤くなる。
ノア、くすっと笑う。
リサも、ふきだしそうな表情。
ノア「・・じゃあ、また。リサさん、エドワウさん」
ノア、おじぎをすると、街へと歩いていく。
エドワウ「・・ま、まって」
ノア「?」
エドワウ「よ、よかったら、これ」
エドワウ、ポケットから金貨をだすと、ノアにわたす。
ノア「・・わあ、どうもありがとう」
ノア、金貨を、ぎゅっとにぎって笑う。
エドワウ、照れながら、笑みをうかべる。
リサ、笑顔で2人を見ていると、馬車が走ってくる音が、ひびいてきた。
リサ「・・あ、ちょうど馬車がきたわ。あれに乗りましょ」
エドワウ、リサを見て、うなずく。
リサが手をあげると、馬車がとまる。
若い大きな馬と、ぎょしゃのおじいさん。
ぎょしゃ「・・はい、3人ですかな?」
ぎょしゃのおじいさんが、大きな声できく。
リサ「いえ、2人で、お願いします」
ぎょしゃのおじいさん、じゃあ乗ってと、目で2人をうながす。
リサ「ヤマテノ丘まで、いいですか?」
ぎょしゃ「ほい、きた」
リサとエドワウ、馬車にのる。
若い馬が声をあげて、馬車が走り出す。
エドワウ、ふりむくと、ノアが手をふっている。
リサとエドワウ、ノアが見えなくなるまで手をふる。
やがて、ノアの姿が、見えなくなった。
リサ「・・いっしょに、残ったほうがよかった?」
エドワウ、ぼーっとしている。
リサ「・・・・?」
リサ、エドワウの顔の前に、自分の手をだして、小さくふる。
リサ「・・おーい、聞こえてる?」
エドワウ「・・・・え?」
エドワウ、はっと気づいた表情。
リサ、ふっと笑う。
リサ「・・ううん、なんでもないわ。ヤマテノ丘に行きましょ」
若い馬は、ぱかぱかと、軽快な音をたてて、街のなかを進んでいく。
リサ「・・ええ、やっぱり、叔母さんには会わなきゃね」
リサの言葉に、エドワウ、満足そうな顔。
エドワウ「叔母さんは、よく、憎まれ口をたたいてたけど、最後まで、姉さんのこと話してたから」
リサ、前を見ながら、小さく笑う。
とつぜん、馬車が、ぴたっととまった。
車輪が、がくんとゆれる。
リサ・エドワウ、「?」とおどろく。
若いウマが、ブルルと高い声をあげた。
ぎょしゃ「・・この子は、あなたを気に入ったようだね」
ぎょしゃのおじいさんが、ふり向いてわらう。
リサ「?」と目をひらく。
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<5ー9へ、つづく>
