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魔女のハーブは、あんまり甘くない 6ー10 魔女と星の未来(10)

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◯アカリのお店(ハーブ&魔女)

開店前の、アカリのお店。

セーラとユイ、エプロンをまとい、テーブルをふいている。

アカリ、イスのうえで、赤ちゃんを抱いている。

ユイ「あー、アカリ。あたし、赤いレンガマーケットに、買い出しに行ってくるから」

ユイが、元気な声をだす。

アカリ「・・あ、ありがと、ユイちゃん。あと、ハチミツも、お願いね」

ユイ「はいよー。じゃ、ミントちゃん、行ってくるねー」

ユイ、アカリの腕のなかのミントに、ウインクする。

ミントが、小さく「キャ」と、ほほえむ。

ユイが、笑顔で手をふり、お店のそとのストリートを歩いていく。

セーラ「おー、ミントちゃん、いろんな表情が、できるようになったねー」

セーラが、人さし指をだすと、ミントが小さい手で、セーラの人さし指を、そっとにぎる。

窓ぎわでは、ココと、(もと?)のら猫が、いっしょに並んで、ひなたぼっこをしている。

セーラ「お、また2人で、のんびりしてんの?」

セーラ、のら猫のお腹を見ると「?」の表情。

セーラ「あれ、お腹が、ちょっと、ふくらんで・・・・?」

ココ、小さく目をあけて、セーラを見る。

セーラ「ココ・・・・?」

アカリ、壁の時計を見て、はっとした顔。

アカリ「・・あ、ミルクの時間」

アカリが、厨房から、あっためた、ほ乳瓶をだすと、ミントが、ごくごくとミルクを飲みはじめる。

セーラ「おー、ミントちゃん、いい飲みっぷりだねー」

アカリ、にっこりと、ほほえむ。

アカリ「・・そうなの、とっても、ミルクが好きなのね」

ミント、ミルクを飲み終わると、すやすやと眠り
はじめる。

アカリとセーラ、ミントの寝顔を見て、いっしょにほほえむ。

セーラ「・・アカリちゃん、もう、お母さんに、なっちゃったんだね」

セーラ、ミントのほおを、指さきで、なでながらいう。

アカリ「・・ほんとに。まだ、自分でも、しんじられない・・・・」

そとから、港の汽笛の音が、ひびいてきた。

セーラ「この街にきたのって、ほんのすこし前なのに、いろんなことが、あったな・・・・」

セーラ、窓のそとに見える港を見ながら、つぶやく。

アカリの胸のペンダントが、きらりと光る。

ミントが、ぱちりと目をあける。

アカリ「え、ミントちゃん・・・・?」

ココが、「ニャ」となく。

◯妖精の国(地上で、夕方ごろ)

クリスタルの城のなかで、小さな妖精たちが羽をひろげて、わいわい遊んでいる。

テティス「・・ほらほら、みんな、集まって。今夜は、<祈りの儀>よ」

テティス、ぱんぱんと手をたたいて、妖精たちを広場のほうへと、うながす。

妖精たちが、みんな広場に飛んでいくと、テティス、はっと気づく。

テティス「そうだ、レオーナさまにも、声かけなきゃ・・・・」

テティス、階段をのぼり、レオーナの部屋の前にいくと、ぴたっと足をとめる。

テティス「・・あら、レオーナさま、なにを、してらっしゃるんですか?」

レオーナが、部屋のまんなかにすわり、なにか光るものを、手にしている。

レオーナ「・・あら、テティス。アカリさんたちにプレゼントよ。約束ですもの。ちょっと時間、かかっちゃったけど」

テティス、レオーナの手を、じっとみる。

テティス「まあ、それは、ペンダントですか? あのアカリさんに、あげたものを?」

レオーナ、小さく、うなずく。

レオーナ「・・ええ。アカリさんのより、ちょっと小さめだけど、すばらしい力をひめたペンダントなの・・・・」

レオーナが、右、左、両方の手に、ペンダントを持っている。

テティス「あら、2つ、あるんですの・・・?」

テティスがつぶやくと、白うさぎが、ぴょんと、あしもとにとんできたので、テティスが「わっ」とおどろく。

テティス「こ、この子は、たしか、地上から、つれてきた・・・・」

テティス、白うさぎを見ながら、声をだす。

レオーナ「うん、〈みるく〉って名前をつけたのよ。もう、この世界に、すっかり、なじんだみたいね・・・・」

みるく、小さな赤い目を、テティスにむける。

テティス「・・まあ、そうなんですか。みるくちゃんも、ずいぶん大きくなりましたね。この前まで、ほんの、手のひらサイズだったのに」

テティス、手をひらいて言う。

レオーナ「・・ええ。この子も、アカリさんたちに会いたがってるだろうから、そろそろ、地上へ連れていこうかと思ってるの」

すると、レオーナの、左右の2つのペンダントが光りだした。

レオーナ「え、どうして・・・・?」

レオーナ、天井をみると、たくさんの光の柱が、地上から射し込んでいた。

レオーナ「地上からの光が、あんなに・・。なにかあったのかしら・・・・?」

みるくが、ぴょんと、はねた。

レオーナ「あら、みるく・・・・?」

みるくが、部屋のなかを、ぴょんぴょんと回りはじめる。

テティス「・・・・?」

レオーナ「そういえば、みるくに最初に会ったときも、こんな、つよい光がさす夜だったわね・・・・」

レオーナ、天井を見ながら、つぶやく。

◯アカリのお店(夕方ちかく)

お店から、たくさんの街の人たちが、でてくる。

ユイが「ありがとうございました」といって、見送る。

街の人たちが、手をふって帰っていく。

セーラ「おー、おつかれさま。すこし、落ち着いたね」

セーラ、ティーカップをあらいながらいう。

ユイ「・・ほんと、毎日こんなに、いっぱいくるなんて」

ユイが、ハンカチで、ひたいの汗を、ふく。

アカリ「・・2人とも、ごめんね。こんなに、手伝ってもらっちゃって・・・・」

アカリ、ミントを腕に抱きながら、つぶやく。

セーラ「・・べつに、いいのよ。ね?」

セーラ、ユイを見る。

ユイ「そーそー。アカリは、ミントちゃんのお世話に集中しなさい」

セーラとユイが、わらいかける。

アカリ「2人とも、ほんとに、ありがとう・・」

アカリが、2人につぶやくと。お店のそとで、ことん、と音がした。

アカリ「・・あれ? だれか、きたのかな? ソウタさんかな?」

セーラ、あたしが行くねといって、お店の外に出る。

セーラ「え、だれもいないけど・・、郵便かな?」

セーラ、そとのポストのなかを見る。

なかには、赤い封筒が入っていた。

セーラ「・・・・?」

セーラ、お店にもどり、封筒を、アカリに見せる。

アカリ「・・・・え、手紙?」

セーラ、アカリに、封筒をわたす。

アカリ「差出人の、名前が、書いてないね・・」

アカリ、封筒をあけて、手紙を見る。
セーラとユイも、そばで、手紙を見る。

〈10月10日の夜。
        南の星空を見てください

                                                    星の旅人より  >

ユイ「これ・・・・、なに?」

セーラ「星の旅人って・・、だれ?」

セーラとユイが、顔を見合わせ「?」の表情。

アカリも、しばらくだまっていたが、はっと外を見る。

アカリ「あら、空が・・・・?」

アカリ、窓の外が、くらくなりはじめているのに気づく。

いつの間にか、星空が、ひろがっていた。

アカリの胸のペンダントが、つよく光りだした。

すると、ミントの小さな体が輝き出した。

セーラ「え、ええ・・・・?」

ユイ「ミ、ミントちゃん・・・・?」

セーラとユイ、おどろいて、ミントを見る。

アカリ、夜空を見ると、7つの星が、つよく光っていた。

アカリ「え・・・・?」

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魔女のハーブは、あんまり甘くない                                               第6章   魔女と星の未来           END

                                                 〈 第7章に、つづく〉

                                                  

                                                    


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