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ノーベル賞受賞坂口志文教授の『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』の要約

前回は花粉症ビタミンDの関係について、制御性T細胞の観点から解説しました。

今回はその制御性T細胞についての書籍要約解説動画を紹介します。

制御性T細胞というと、その発見で2025年ノーベル生理学・医学賞に大阪大学の坂口志文(しもん)特任教授が選ばれました。

その坂口志文氏はブルーバックスで『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』という著書を書かれています。

紙の本での入手は困難となりますが、アマゾンキンドルでは簡単に入手できます。
購入のクリックを押した瞬間に、ウェブ用キンドルをクリックする場面に切り替わり、1クリックしただけで読み始められました。
本当に便利な世の中になったものです。

まず本書の各章ごとの要約を書きます。→
次に京都大学で坂口志文教授のインタビュー動画が公開されており、本人が制御性T細胞の解説をしていますので、紹介します。→
最後に坂口氏でないのですが、とても分かりやすい制御性T細胞の解説動画がありましたので、これもリンクしています。→
興味のある所だけでも目次からクリックして下さい。


A.『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』要約

第1章 ヒトはなぜ病気になるのか

免疫病原体異物排除する高度な防御システムです。
しかし、その反応が過剰になると、アレルギー自己免疫疾患を引き起こします。
免疫は単に強ければよいのではなく、精密な制御が欠かせません。
自己と非自己を識別する仕組みは免疫学の基本原理とされてきました。
ところが、その識別だけでは免疫の安定性を十分に説明できません。
免疫の働きを積極的に抑制する細胞の存在が必要であると考えられます。

第2章 「胸腺」に潜む未知なるT細胞

T細胞胸腺という臓器で成長し、自己を攻撃する細胞除去します。
このメカニズムは自己免疫の防止に重要です。
しかし、自己を攻撃するT細胞の完全な削除だけでは、免疫寛容(体が自分自身を攻撃しない状態)は維持できません。
そこで、免疫を能動的に抑制するT細胞の存在が考えられました。
胸腺の特別なT細胞がその候補として浮上します。
これが後に制御性T細胞と呼ばれる細胞です。

第3章 制御性T細胞(Treg)の目印を追い求めて

制御性T細胞を同定するために、特異的な分子マーカー(細胞表面の分子)が探されました。
そこでCD25が重要な分子として考えられました。
しかし、CD25は他のT細胞にも存在するため、それだけでは十分でありません。
Foxp3(フォックスピー3)により制御性T細胞は免疫反応を抑制する機能を持つことが確認されました。
さらに、制御性T細胞にはさまざまなタイプがあり、状況に応じて性質を変える柔軟性もあることも明らかになります。
制御性T細胞は「免疫を抑える働き」という機能の面と「特定の分子をもつ細胞」という特徴の面の両方から説明できるようになりました。

第4章 サプレッサーT細胞の呪縛

1950年代に提唱された抑制性T細胞の概念は、証拠不足から否定されました。
そのため、免疫を抑制する制御性T細胞の存在は長く疑問視されていたのです。
しかし、動物実験により、胸腺のCD25陽性T細胞を取り除くと、自己免疫が起こることが示されました。
この結果は、免疫抑制が偶発的現象ではないことを示しています。
こうして、制御性T細胞は実体を持つ細胞として再評価されました。

第5章 Foxp3遺伝子の発見

制御性T細胞にとって決定的に重要な遺伝子がFoxp3です。
この遺伝子に異常があると、重い自己免疫疾患が発症します。
Foxp3が働くことで、制御性T細胞の性質が保たれます。
これにより、制御性T細胞は分子として明確に定義できるようになりました。
以後、免疫制御の研究は分子レベルでの解明へと進展しました。

第6章 制御性T細胞でがんに挑む

体の中では日々、がんになる細胞が生まれますが、通常は免疫排除しています。
しかし、多くのがんでは制御性T細胞増加していることが分かりました。
制御性T細胞はがんを攻撃するT細胞の活性を抑制し、がん免疫を回避するのです。
制御性T細胞を部分的に除去すると、がんを攻撃する免疫が強くなります。
一方で、制御性T細胞を過度に除去すると、自己免疫疾患が発症します。
免疫チェックポイント阻害療法はこのバランスを操作する治療法です。
がん治療では制御性T細胞の選択的制御が重要課題となります。

第7章 制御性T細胞が拓く新たな免疫医療

制御性T細胞は自己免疫疾患アレルギーを抑える働きがあります。
移植医療では拒絶反応を抑える役割が期待されるようになりました。
体外で増やした制御性T細胞を投与する細胞療法も研究されています。
しかし、体内で安定して働かせることが技術的に簡単でありません。
制御性T細胞を適切に制御できれば、副作用の少ない治療が可能になるでしょう。
制御性T細胞は次世代の免疫医療の中心として注目を集めています。

第8章 制御性T細胞とは何者か

制御性T細胞は免疫の働きを抑える特別なT細胞です。
Foxp3という遺伝子を中心とした遺伝子の調節システムによって機能が維持されます。
自己免疫の防止免疫恒常性の維持に欠かせません。
一方で、感染症がんでは免疫反応を弱めることもあります。
つまり、制御性T細胞には良い機能悪い機能の両方があるのです。
制御性T細胞は免疫のバランスを支える中心的な存在となりました。

B.坂口志文教授の解説動画

坂口志文教授はノーベル賞受賞直後に、京都大学インタビューを受けており、その動画が公開されています。
本人が制御性T細胞の解説をしていますので、紹介します。

【京都大学】医生研チャンネル
「坂口志文先生ノーベル賞受賞」記念特番 受賞4日後!坂口志文先生独占インタビュー+医生研坂口研究室 現役、OBインタビュー

C.制御性T細胞の解説動画

最後に坂口氏でないのですが、とても分かりやすい制御性T細胞の解説動画がありましたので、これもリンクしています。

【南雲吉則】Dr.ナグモの命の食事
【祝!坂口志文先生】2025年ノーベル賞で注目!「制御性T細胞」とは何か?(Treg・Foxp3遺伝子・自己免疫疾患・がん治療・がん予防・ナグモクリニック・予防医療)

ぜひ、興味を持たれた方は坂口志文教授の『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』を読んで下さい。

本記事は健康に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾病の診断、治療、予防を目的とするものではありません。
体調に不安がある場合は、医師等の専門家にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は3月2日(月)午前10時です。
制御性T細胞とがんについて解説します。
少しでもご参考になれば、スキを押して下さい。

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