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将来、人類のY染色体が消滅する?!男性がいなくなると人類は滅亡?!(Y染色体シリーズ1/4)

今回は人類のY染色体消滅の可能性についての記事です。
今まで健康情報が多かったのですが、なぜ人類の未来の話?と思われるかしれません。
次にY染色体が消滅した哺乳類という動物の話……
3本目に男性の加齢によるY染色体喪失の話へと展開していきます。
最後は寿命は男性が女性より短い理由として健康情報につながります。

もし将来、Y染色体が消滅するとしたらどうでしょうか?
男性が存在しないとなれば、人類は滅亡するのでしょうか?

これはSFの話ではありません。
実際に、進化生物学の研究者が「ヒトのY染色体は将来消滅する可能性がある」という仮説を2002年に権威ある科学誌『nature』で発表しています。
『The future of sex(性の未来)』https://www.researchgate.net/publication/11486255_The_future_of_sex

男性を男性にしている染色体であるY染色体は、長い進化の歴史の中でどんどん小さくなってきた染色体なのです。
しかも、研究者の中には、このままの進化が続けば、約1000万〜1400万年後にY染色体が消える可能性があると指摘する人もいます。

しかし、一方で、「Y染色体はすでに安定しており、消えることはない」という反論もあります。

今回は、進化生物学と遺伝学の研究から見えてきたY染色体の未来について解説しましょう。


1.Y染色体はもともと普通の染色体だった

ヒトの染色体は全部で46本あります。
そのうち性染色体女性X染色体2本XX型男性X染色体1本Y染色体1本XY型いう組み合わせで性別が決まります。
つまり、男性だけが持っているのがY染色体です。

しかし、進化研究によればY染色体はもともとⅩ染色体とほぼ同じ大きさの染色体だったと考えられています。
約1億6000万年前、哺乳類の進化の過程で染色体に性決定遺伝子が現れました。

それが現在のSRY遺伝子の祖先と考えられています。
SRYはスライと読み、Sex-determining region Y、Y染色体性決定領域遺伝子です。
この遺伝子を持つ染色体が、後にY染色体になりました。

2.Y染色体はなぜ小さくなったのか

現在のY染色体は、X染色体と比べると非常に小さい染色体です。
例えばヒトの場合、Ⅹ染色体が800~900程度の遺伝子を持つのに対して、Y染色体は50〜100程度の遺伝子しか持ちません。
つまり、Y染色体は、進化の過程で多くの遺伝子を失ってきた染色体なのです。

その理由として最もよく説明されるのが、遺伝子組換えができないという特徴です。
通常の染色体は、対になる染色体と遺伝情報を交換する仕組みがあり、これを遺伝子組換えと言います。

しかし、Y染色体は基本的に同じY染色体とペアを作ることができません。
そのため、遺伝子の修復が起きにくく、有害な変異が蓄積しやすいと考えられています。

進化理論では、遺伝子組み換えが起こらない集団では有害な突然変異が蓄積していくということです。
通常の染色体では、組み換えによって有害変異を除去し、健康な遺伝子を維持することができます。
しかし、Y染色体ではそれが起きにくいため、長い進化の歴史の中で徐々に遺伝子が減少してきたと考えられています。

3.「Y染色体は消える」という仮説

こうした研究から、一部の進化生物学者はY染色体は将来消える可能性があるという仮説を提唱しました。
過去の遺伝子減少ペースを単純に計算すると、約1000万〜1400万年後にはY染色体が完全に消える可能性があるというのです。

もちろんこれはあくまで理論的な予測であり、実際の進化がその通りに進むとは限りません。
進化の速度は環境変化突然変異自然選択などによって大きく変わるためです。
そのため、この説は現在でも議論が続いています。

4.「Y染色体は消えない」という研究者も多い

一方で、近年ではY染色体はすでに安定しているという研究結果も増えています。

Y染色体には回文構造と呼ばれる特殊なDNA配列があります。
これは鏡写しのような構造になっており、同じ染色体の中で遺伝情報をコピーすることができます。
この仕組みによって自己修復のような遺伝子修復が可能になると考えられています。

つまり、Y染色体は完全に孤立しているわけではなく、独自の修復システムを持っている可能性があるのです。

まとめ:Y染色体の未来はまだ分からない

現在の研究をまとめると、Y染色体については次のようなことが分かっています。

  • Y染色体は進化の過程で大きく縮小した

  • 遺伝子組み換えが起きにくいため退化しやすい

  • 将来消える可能性を指摘する研究者もいる

  • しかし、現在は安定しているという説もある

  • Y染色体がなくても雄の哺乳類が存在する

つまり、Y染色体の未来はまだ科学的に確定していないというのが現在の研究の結論です。
しかし、一つ確かなのは、性別を決める仕組みは進化の中で変わり得るということです。
人間の体の中には、まだ私たちが知らない進化の歴史が隠されているのかもしれません。

参考動画

最後にY染色体の消失について分かりやすく説明している動画がありますので、紹介しましょう。

参考資料

本記事は下記の書籍を参考にしています。
詳しく知りたい方はこちらの本をご覧ください。

また、本書の内容の一部がダイヤモンドオンラインで読めます。

同じ著者が同じテーマで別の本も出版しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は3月26日(木)午前10時です。
Y染色体が消滅した哺乳類という動物の話です。
人類でY染色体が消滅しても男性が存続して人類は滅亡しない可能性について解説します

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