XX型が女性でXY型が男性ならXXY型はどちら??性染色体の組み合わせは他にも!!
前回までY染色体の消失(人類の消滅・老化で喪失)というテーマで4回シリーズで書いてきました。
また、健康情報に戻ろうかなと思ったのですが、意外にスキがつきましたので、その流れで今回も性染色体の解説をします。
記事のテーマを広げていこうと考えています。
性染色体の組み合わせのパターンはXX型とXY型だけではなく、他にもあります。
例えば、XXY型ですが、男性か女性かどちらでしょうか?
そんなこと知ってるよという人もいるかと思いますが、他の染色体パターンの話もしますので、読み進めて下さるとうれしいです。
XXY型などは一般に性染色体異常と呼ばれますが、私は異常でないと考えてます。
性染色体異常だと、偏見や差別を生み出す表現でないかと心配します。
ですので、ここでは性染色体パターンと勝手に名付けています。
これは私のオリジナルの表現で、他で使うと笑われるでしょう。
(私の記事をパクる人がいたので、そういう人が増えたらこの表現が広まるかもしれませんが。といってパクらないで下さい)
この記事では、性染色体の組み合わせパターンを紹介してから、発生するメカニズムを紹介します。
常染色体の数が通常と異なる場合、ダウン症(21番3本)以外は死産か生まれても生存できません。
しかし、性染色体の数が通常と異なる場合はほとんど生存でき、気付かれることなく男性・女性として生きていることもあります。
最後にその理由を説明しましょう。
なお、( )内に総染色体の本数と性染色体の組み合わせを示しています。
A.代表的なパターン
1.クラインフェルター症候群(47, XXY)
性別:男性(X染色体が2本ある)
タイトルにもあるXXY型ですが、男性であり中性という訳ではありません。
しかし、下記の様な特徴があると言われています。
主な特徴:
精巣の発達不全による不妊(無精子症が多い)
女性化乳房(エストロゲン/テストステロン比の変化)
高身長(特に四肢が長い)
二次性徴の遅れ(ひげや体毛が薄い)
筋肉量の低下・体脂肪の増加
学習障害や言語発達の遅れ(軽度)
性欲低下や男性ホルモン低値
これらの特徴は性ホルモンの分泌低下が関与しているためです。
思春期以降に明らかになることが多いです。
ただし、これらの特徴は必ずしもあるわけでなく、実際に子供をお持ちの方もいます。
気付かれないまま、通常の男性として生涯を終えることも多いようです。
2.ターナー症候群(45, X)
性別:女性(X染色体が1本しかない)
XO(エックスオー)型とも表記。
主な特徴:
低身長(成長ホルモン関連遺伝子の影響)
翼状頸(首の皮膚が広がる)
卵巣機能不全(無月経・不妊)
外反肘(肘が外側に開く)
心血管異常(大動脈縮窄など)
リンパ浮腫(新生児期に手足のむくみ)
二次性徴の不十分(乳房発育不全など)
翼状頸を補足説明すると、首の両側の皮膚がひだとなって肩までつながっているものです。
これらの特徴はX染色体上の遺伝子量が不足することが原因とされています。
ヒトで45本の染色体で生存可能な唯一の存在です。
3.トリプルX症候群(47, XXX)
性別:女性(X染色体が3本ある)
主な特徴:
外見上はほぼ通常
やや高身長
学習障害や言語発達の遅れ(軽度)
運動発達の遅れ(協調運動がやや苦手)
情緒面の問題(不安傾向など)
月経異常がみられる場合がある
多くは正常な生殖能力を有する
多くは診断されずにそのまま経過しているようです。
4.XYY症候群(47, XYY)
性別:男性(Y染色体が2本ある)
主な特徴:
高身長
思春期の発来はほぼ通常
学習障害(特に言語面)
注意欠如・多動傾向や自閉スペクトラム様の行動特性
筋緊張低下や運動発達の遅れ
正常な精巣機能・生殖能力
行動特性は個人差が大きく、特異的傾向は限定的
行動特性については明確な因果関係を否定する研究もあります。
5.XXYY症候群(48, XXYY)
性別:男性(X染色体とY染色体が2本ずつある)
主な特徴:
高身長(特に四肢が長い)
精巣機能低下による低テストステロン
不妊(精子形成障害が強い)
学習障害や知的発達の遅れ(XXYよりやや顕著な傾向)
注意欠如・多動傾向や自閉スペクトラム様の行動特性
筋緊張低下や運動発達の遅れ(協調運動が苦手)
かつてはクラインフェルター症候群の一部とされていましたが、現在では独立した概念として扱われています。
実際にXXYY症候群はクラインフェルター症候群よりも発達面の影響が大きいとされています。
以上は代表的なパターンで他にも非常にまれですが、下記のパターンが存在することが確認されています。
特徴などは簡略しますが、参考までに紹介しましょう。
(これらの症例は記事末の参考資料の書籍に記載されています)
6.XXXX症候群(48, XXXX)
トリプルX症候群よりも特徴が大きいです。
7.XXXY症候群(48, XXXY)
クラインフェルター症候群よりも特徴が大きいです。
8.XXXXY症候群(49, XXXXY)
XXXY症候群よりも特徴が大きいです。
XXXY症候群もXXXXY症候群も男性ですが、X染色体の本数が多いほど男性ホルモン分泌が抑制されます。
なお、XXY型のクラインフェルター症候群は男性と書きましたが、ヒト以外で例えばショウジョウバエはメスになります。
また、XO型のターナー症候群もショウジョウバエはオスになります。
B.発生のメカニズムは性染色体不分離
性染色体が通常と異なる場合の多くは、精子や卵子が形成される際の減数分裂で起こる不分離によって生じます。
減数分裂は第Ⅰ分裂と第Ⅱ分裂の2回あります。
染色体は一度2倍になってから、2回連続分裂(4分の1)して2分の1になるのです。
この過程で染色体が正しく分離しないと、性染色体を2本持つ配偶子と性染色体を持たない配偶子が生じます。
これらが受精に関与すると、45本(モノソミー)や47本(トリソミー) といった通常でない染色体数の受精卵が形成されます。
前述の通り減数分裂は2回あるため、性染色体を4本持つ配偶子もあります。
1回目の分裂で性染色体が1本ずつでなく、2本と0本に分かれ……
2回目の分裂で4本と0本に分かれる……
上記で紹介したXXXXY症候群はまさにこのケースです。
C.性染色体が通常でなくても生存可能な理由
一般に、染色体数が通常でない場合はダウン症を除いて生存できないケースがほとんどです。
ダウン症の21番染色体が最も生存に影響する遺伝子が少ないからです。
それ以外は染色体が3本あると、死産か生後すぐ死亡になります。
しかし、性染色体では比較的生存可能なケースが多いことが知られています。
その理由はX染色体の不活性化にあります。
女性(XX)では、2本あるX染色体のうち1本が不活性化されます。
この仕組みにより、X染色体の本数が増えても遺伝子発現量がある程度は調整されます。
ただし、すべての遺伝子が不活性化されるわけではなく、一部の領域の遺伝子などは発現が維持されます。
それで、X染色体の数に違いがあると、完全には補償されないので、症状として現れるのです。
X染色体が4本あるXXXXY症候群も3本が不活性化するので、生きていける訳です。
しかし、一部は不活性化しないので、X染色体が多いほど女性的になります。
参考資料
下記の本は性染色体について詳しく書かれています。
ただし、本書のメインテーマは『「Y」の悲劇 男たちが直面するY染色体消滅の真実』同様に将来のY染色体の消滅です。
今回の性染色体のパターンについての記述があります。
XXXXやXXXYやXXXXYという型や症候群については本書から採用いたしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は4月9日(木)午前10時です。
XXY型の記事を書きましたので、その延長でネコのXXY型をテーマにしようと思います。
それがオスの三毛猫です。
三毛猫はオスが約3千から約3万匹に1匹で、後は全てメスです。
読者離れが心配ですが、記事のテーマの範囲を広げたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
少しでもご参考になれば、スキを押して下さい。
