レジリエンスを育てるために、親ができること
前回は、レジリエンスとは「失敗や困難から立ち直る力」であり、大切なのは最初に湧いてくる感情ではなく、その後にどんな考え方を選ぶかだというお話をしました。
では、このレジリエンスは、家庭で育てることができるのでしょうか。
私は、親ができることは大きく4つあると考えています。
① 失敗する経験を奪わない
レジリエンスは、失敗を経験したことがない人には育ちません。
もちろん、わざと失敗させる必要はありません。
でも、子どもが失敗しそうだからといって、親が先回りしてすべて解決してしまうと、「立ち直る経験」を積む機会まで奪ってしまいます。
失敗は避けるものではなく、成長するための材料でもあるのです。
② 感情ではなく、その後の考え方に目を向ける
失敗すれば、悔しい、腹が立つ、情けない。そんな気持ちになるのは自然なことです。
「そんなことで落ち込まないの」と感情を否定する必要はありません。
むしろ、「悔しかったね」と、その気持ちを受け止めてあげることが大切です。
そのうえで、
「次はどうしたらうまくいくと思う?」
そんな問いかけが、子どもの考え方を前向きな方向へ導いてくれます。
③ 「頑張ればできる」という感覚を育てる
もちろん、努力すれば何でも必ず成功するわけではありません。
それでも私は、努力には意味があると思っています。
教育現場でも、「頑張ることができる子」は、時間はかかっても少しずつ成長していく姿を何度も見てきました。
「頑張れば昨日の自分より前に進める」
そんな感覚を持っている子は、失敗しても立ち直りやすくなります。
④ 努力そのものを認める
テストの点数だけを見て、
「今回は残念だったね」
で終わってしまうのは、少しもったいないと思います。
「今回は本当によく頑張っていたね」
「毎日机に向かっていたこと、お父さんもお母さんも見ていたよ」
そんな言葉は、結果だけではなく、努力そのものに価値があることを子どもに伝えます。
努力を認められた子は、「もう一回やってみよう」と思えるようになります。
レジリエンスとは、失敗しない人になることではありません。
失敗しても、自分で立ち上がり、もう一歩踏み出せる人になることです。
その力は、一度の励ましで身につくものではありません。
家庭で交わされる何気ない会話や、親の一言、その積み重ねが、子どもの心を少しずつ強くしていくのだと私は考えています。
