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最後に残ったもの

最初に説明されていた

「最期は大量の出血を伴う」

という言葉は、ずっと心の奥に残っていた。そのため、最期の姿を想像することが怖かった。
けれど実際には、ごくわずかな量で済んだ。

薬も、途中からは目に見えて分かるほどのものになる。

と言われていたが、最後まで最初のままで済んだ。

これ以上苦しい思いをさせずに済んだこと。それだけで、十分だった。
あれほど注意を払って扱っていたにもかかわらず
この頃、私自身にもその影響がわずかに出ていた。
それでも、その薬があったことで
もう一人の大切な人もつらさから守られていたのだと思うと
感謝と戸惑いが入り混じっていた。


最期の確認のため医師が駆け付けてくれた。

「よく頑張りましたね。感謝されていると思いますよ」

そう言われた瞬間
張り詰めていたものがほどけるように涙があふれた。

「ありがとうございました」

それだけを伝えるのがやっとだった。

毎週のように訪れてくれていた友人も駆け付けてくれた。

容態がいつ変わるか分からない状態の中で
私はほとんど外に出ることができなかった。だからこそ、友人たちの存在は私にとっても束の間の救いだった。
ベッドの周りを囲むように集まり
以前とは違う姿であっても
変わらない日常のように会話をしてくれた。その空気は、この場の時間をわずかにやわらげていた。
もう一人の大切な人も言葉こそ発することはできなかったが
穏やかな表情でその会話を聞いていた。

一対一で向き合う時間は
どうしても孤独を感じる瞬間があった。
それでも、その場には確かに多くの人の想いがあり
支えられていたのだとあらためて気づかされた。

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