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日曜劇場「VIVANT」で話題沸騰、核融合とはなにか

VIVANに核融合が

皆さん、日曜劇場「VIVANT」をご覧になっていますか?
2023年に放送された第1シーズンは壮大なスケールの話でしたが、2026年7月から始まった第2シーズンはさらにスケールアップしています。

VIVANTは、日本の自衛隊にあるといわれている極秘諜報組織の「別班」を軸にした物語。主人公の乃木憂助が別班のメンバーとして活躍しています。第1シーズンでは国際テロ組織の「テント」が敵として描かれ、第2シーズンの敵は、中国の別班ともいえる「シンシー」です。

先日放送された第16話で、シンシーの狙いが核融合技術であることが明らかになりました。作中では、登場人物の一人、科学者のエリシャ・ママドフが核融合反応の持続化技術を世界に先駆けて開発したとされており、シンシーが身柄を確保したようなのです。

果たして、エリシャは本当に核融合反応の新技術を開発したのでしょうか。という感じで、やや唐突な感じではあったものの、物語の中心に核融合の話が出てきました。

一昔前であれば、小型核爆弾など、核分裂兵器が機密情報として登場していましたが、VIVANTでは核融合技術が、世界の覇権を左右する次世代エネルギー技術として登場しました。

これは時代の流れもありますが、日本のテレビドラマだからということも大きく関係していると思います。日本は、世界で唯一の戦争被爆国ですし、専守防衛を基本的な防衛政策に掲げている国です。核兵器をはじめ、兵器をキーとなる技術として登場させにくかったのではないでしょうか。

それに加えて、ここ数年、気候変動やエネルギー危機が如実に現れてきています。それらの原因である石油依存から抜け出すためにも、核融合には、今、熱い視線が注がれています。そのような情勢を取りこんでいます。

核融合ってなに?

「核融合」と聞いて、「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごそうだ」と思う人もいるでしょう。

核融合とは、その言葉の通り、原子核を融合させる技術のことを指します。それじゃあ、何にも説明していないって? まあ、まあ、あわてない、あわてない。私たちの体をはじめ、私たちの周りにある物質を細かく分けていくと、原子に到達します。

原子核は、この原子を構成するものの1つで、陽子と中性子からできています。核融合は、この原子核を融合させ、別の原子核をつくる技術です。

実は、私たちは既に、核融合の恩恵を受けています。地球から約1億4960万km離れた場所にある太陽の内部で起きているのが核融合です。詳しい話は省きますが、原子核が融合すると、質量が少し減って、莫大なエネルギーを生み出します。

太陽は核融合によって生まれた莫大なエネルギーを宇宙空間に放出し、その一部が地球まで届き、地球を暖めたり、私たちが活動するためのエネルギーとなっているのです。

核融合は、太陽の内部で起きていることを地上でも再現して、大きなエネルギーをつくりだそうというものです。言葉にすると一言で済んでしまいますが、これを実現しようと思うととてもたいへんです。

原子は原子核の周りに電子があります。まず、電子と原子核を引き離し、その上で原子核同士を衝突させる必要があるのです。そういう状態にするために、1億℃以上の温度に保つ必要があるそうです。それだけでなく、その状態の原子核を閉じこめておく技術も必要となります。

そうです。核融合で莫大なエネルギーを生み出す状態にするためには、たくさんの技術とエネルギーが必要になります。それらの壁を乗り越えて核融合発電が実現すれば、石油をはじめとした化石燃料依存を脱却し、気候変動やエネルギー危機を回避する大きな一歩となるでしょう。

現在、世界中の研究機関で核融合が研究されています。また、AI(人工知能)技術の発展によって、電力需要が大きくなったことも相まって、投資家も核融合に注目していて、それらの資金を背景に核融合ベンチャーが立ち上がっています。

VIVANTでは、そのような問題を解決する技術をエリシャ・ママドフが開発したことになっています。これは、シンシーだけでなく、世界中の研究者や企業が欲しいことでしょう。もちろん、国も。

現実世界では、日本、EU、アメリカなど34の国が協力して国際熱核融合実験炉(ITER)の建設が進められています。運転開始は2030年代終盤の予定です。ITERは核融合が持続的なエネルギー源として使えるかどうかを検証するための施設で、核融合発電をおこなうわけではありません。核融合発電の実証をするのは、ITERの後につくられる施設となります。

フランスで建設中のITER(画像提供:ITER Organization)

現実がこのような状況ですが、VIVANTの中ではエリシャ・ママドフという1人の科学者が世界を一変させる大きな発見をしたようです。どんな技術なのか、具体的に示されるかどうかわかりませんが、物語はエリシャ・ママドフの消息と、彼の持つ技術を軸に進みます。

私の読みとしては、エリシャ・ママドフはジャミーンのおじいちゃんなのかなと感じています。VIVANTは、これらどのような展開になっていくのでしょうか。この先も楽しみですね。



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荒舩良孝 サポート頂いたお金は、取材経費(交通費、宿泊費、書籍代など)として使用します。経費が増えれば、独自の取材がしやすくなります。どうぞよろしくお願いいたします。