本棚:『Think clearly』
よい人生を送るために必要な「思考の道具箱」として、52の思考法が紹介されています。本書はスイスの『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』紙と、ドイツの『ハンデルスブラット』紙に連載されていたコラムをまとめたものだそうです。52の思考法を毎週1つずつ実践していけば、ちょうど1年ですから、その1年で劇的に変わっていくことでしょう。
まず最初にあるのが「考えるより、行動しよう」というもの。考えること自体は悪いことではないですし、行き当たりばったりよりは、地に足がついているように思います。でも、これ以上考えたところで1ミリも先に進まないのに、いつまでたっても行動に移さなければ、ずっと頭の中だけのことになってしまいます。
たぶん、いろいろな人がいろいろな素晴らしい考えを持っていると思うのですが、それを行動に移せるかどうかが大きな差であると、行動力のある人を見ると思います。頭の中ではすごいことを考えていても、それを態度なり行動なり、外からわかる状態で表さないと、傍から見たら、何も考えていないのと同じなんだろうなと思います。
ドキッとしたのが、8つめにあった「必要なテクノロジー以外は持たない」というもの。車の平均速度と言われたら、市街地だったら30km/hぐらいかなと思いますが、車の購入費を稼ぐための労働時間とか、保険料や維持費とか、諸々のものを考慮して算出すると、あるアメリカ車の平均速度は6km/h程度だったそう。
車以外にも、一見、便利に見えるけれど、トータルのコストを考えると、思ったほどでもないもの、あるかもしれないなと思いました。
確かになぁと思ったのは、34番目の「解決よりも、予防をしよう」というもの。経営破綻しかけた企業の事業再生・企業再建を請け負うスペシャリストの活躍は、とても称賛されます。しかし、もっと高く評価されるべきなのは、企業再生が必要な状況に陥ることを未然に防いでいるマネージャーのほうでしょう。しかし、「予防措置」による成功は、外からは認識できないため、メディアに取り上げられることはありません。
私が人事評価で納得がいかないのが、新しくやったことに対しては評価が高いけれど、やるべきことを地道に淡々とこなしたことに対しての評価は低いと思われること。やるべきことはちゃんとやった上で、新しいことにも挑戦したというのは素晴らしいと思うのですが、やるべきことはほったらかしなのに、目新しいことをやっている人が評価されやすいように思います。
37番目にあるのが、「読書の仕方を変えてみよう」というもので、著者は「よい本を選んで、二度読む」ようにしているそうです。しかも、「続けて二度読む」そう。ついつい、いろいろな本が読みたくなってしまいますが、読んだ本の内容をいかに覚えていないことか…。続けて二度読むのは、すぐには実行できないかもしれないけれど、今まで読んだ本の中でよかった本をもう一度読んでみようと思いました。
