&here kyoto 私にやさしい金継ぎセットの使い方 その2
京都のギャラリー&herekyotoで金継ぎ教室を担当しています。
&herekyotoではオリジナルの金継ぎセットを1DAYWORKSHOPや通常の金継ぎ教室へご参加頂いている方へご用意しています。
またご興味のある方が増えてくれば他での販売も考えたいなーと思っています。
この記事はこちらの金継ぎセットを使って金継ぎの流れや方法を初心者の方へ向けて説明していくシリーズです。
今回は「その2」になります。
ご興味のある方は「その1」もご覧ください。
「&here Kyoto 私にやさしい金継ぎセット」
私にやさしい5つの理由
*本漆を使って身体にやさしく
*初心者の方へ分かりやすく簡単に
*なおす作業で気持ちが整う
*自分でなおして未来にやさしく
*最小限セットで気軽に始める
この5つをテーマに考えました。
金継ぎ初心者の方でも分かりやすいように最低限の方法や道具の種類にしています。少し慣れてきた!金継ぎにはまった!他の方法も試してみたい!という方は少しずつ道具を買い足したりしながら楽しんで頂ければと思います。
欠けた器を繕ってみよう③
用意するもの
〈セットに入っている物〉
耐水ペーパー(#800)
〈各自用意してもらうもの〉
ゴム手袋
水(耐水ペーパーを湿らせる用)
ティッシュやぼろ布
錆漆を研ぎます
前回、錆漆(漆、砥の粉、水を混ぜて作ったパテのこと)
を器の欠けた部分に塗りました。
今回はその錆漆が固まった状態から始めます。
しっかり固まっていない場合は、もうしばらく漆風呂に入れてしっかり硬化させてから今回の「錆漆を研ぐ」を始めて下さい。
(漆風呂については前回の「その1」で説明しています)

今から研いでいきます
耐水ペーパーを小さくカットし、水をつけ、錆漆を研いでいきます。
少しずつ表面を研いでいくと茶色い水が出てきますので、それをティッシュやぼろ布で拭きながら作業を進めていきます。
水を拭きながらでないと器にシミがついてしまう事があるので、注意しながら進めて下さい。

研いでいきます

茶色の水がでてきます

研いでいきます
錆漆を研ぎながら器の形に合わせてきれいにしていきます。
表面も平らになるようにしていきます。
この時、欠けの埋まりが足りなかった、表面がぼこぼこしている、穴が空いてしまった所がある、研ぎすぎた、などの状態になる事がよくあります。
その場合は、一つ前の作業、欠けた器を繕ってみよう②「錆漆を欠けた部分に塗り込みます」という作業をもう一度します。
錆漆を足し、漆風呂へ入れてまた錆漆がしっかり乾いてから錆漆研ぎの作業をもう一度繰り返して下さい。
錆漆についてちょっと脱線話
早く次の工程へ進みたいですが、この錆漆を塗って、乾かして、研いで、また塗り足して、また乾かして、研いでという作業は本漆を使った金継ぎで一番時間がかかる作業です。
そして、一番難しいかもしれません。
でも、どんなに上手な人でも何度か塗り直しはします。
最初は何度も「また錆足し、研ぎ、足し、研ぎ、、、、あー、研ぎすぎた、、また足すんか、、」と同じループにはまり、わけが分からなくなるかもしれません。
当教室でも皆さん、一番繰り返している作業です。
ここできれいに錆漆を仕上げておく事で、最後の金色に粉をつけた時に仕上がりがきれいにできるか、でこぼこになってしまうか、など最後の仕上がりに差がでてきます。
教室の時も「もう一度錆漆足して下さい」というと初めて参加された方にはいぶかし気な目でみられているような気がしてしまいます。
「だましてへんよー、何度も通わせようとしてるんちゃうで!!」と言いたい!本当にここを繰り返すのが大事なんです!!
何個か器を直していくと錆漆が大事、という事を皆さん気付いてくれますが、最初は分かりにくいですね。
どこまで研いだらよいか分からない、という感じがするみたいです。
とりあえず進めてみて、最後に「なぜ上手くきれいに出来なかったのでしょう?」と質問される時が多いのですが、「錆漆の時ですよ」というとみなさん「そうだったのかー、錆漆大事なのね」「先生が言っていた意味がやっと分かった」と言って下さいます。
と、いうわけで、まず一個目は完璧を目指すよりもとりあえず進めてみるというのも良いかもしれないとも思います。
各自のお考えに沿って進めてみて下さい。
欠けた器を繕ってみよう④
用意するもの
〈セットに入っている物〉
色漆(弁柄)
筆
ガラス板
〈各自用意してもらうもの〉
ゴム手袋
食用油
漆風呂
欠けた部分に漆を塗ります
錆漆の研ぎがきれいに仕上がったら、漆を塗っていきます。
今回のセットでは色漆の弁柄色を入れています。
金継ぎの時に何の漆を使用するかは各先生や、教室、本によって若干違いがあります。今回は値段、量、仕上がりなど色々バランスを考え、小さなサイズの色漆を入れています。
色漆をガラス板に少量出し、筆に漆をなじませ、塗りすぎに気を付けながら、欠けている部分を全て覆うように漆を塗ります。
錆漆の部分より少しオーバーに塗ってきれいな形にしておくのもおすすめです。
漆は絵の具などと違い、ねっとりしているのが特徴です。最初は少し扱いにくいかもしれませんが、教室で様子をみていると何度かで皆さん慣れてきている感じがします。
そして一度できれいに塗るというより、薄めに塗ることを繰り返す事で漆の塗りはきれいに仕上がります。ついつい多めに塗ってきれいにしたくなるのですが、
多くぬると「ちぢむ」といって漆が乾く時にクシャっとなってしまいます。
そして、乾きにくくなってしまいます。
思っているよりも薄めに塗ってみて下さい。





塗り終わっった器はまた漆風呂に入れて夏なら3日ほど、冬は1週間ほど置き、漆を乾かします。
次回、「その3」へ続きます。
筆、道具類の洗い方
食用油を用意します。ゴム手袋もつけておきます。
〈筆の洗い方〉
ガラス板に食用油を適量出し、筆にしっかり浸します。
ヘラ(小)の反対側を使い、筆の毛の中に入った漆をしごき出します。
これを筆がきれいになるまで油を変えながら、繰り返します。
漆が残っていると筆が固まってしまい、筆が使えなくなってしまいますので丁寧に作業しましょう。
筆に油をしみこませてラップを巻いて保管します。
〈道具の洗い方〉
ガラス板に食用油を適量出し、ヘラで漆を溶かし、ティッシュでふき取ることを繰り返します。ガラス板とヘラをティッシュで拭いても何もつかなくなったら完了です。
自宅では食器用洗剤などで洗って綺麗にしておくと良いでしょう。
漆を使うときの注意点
乾いていない漆が皮膚についた場合、体質や体調によってかぶれる事があります。
説明に書かれていない時でも作業をする時はゴム手袋をつけて下さい。
作業中に漆が付いてしまった時は、ティッシュに食用油を含ませ、油でふき取って下さい。すぐに水などで洗うと逆に漆は固まってしまい、取れずらくなります。
すぐにふき取った場合、かぶれる事は稀ですが、もし皮膚に異常を感じた時は皮膚科を受診して下さい。
金継ぎの動画など&herekyotoのインスタでも載せています
