「それがどうした」
いつまで経っても季節が深まらない。
どうなっているんだ。まだ革ジャンを一度しか羽織ってない。それも雨のおかげで少し冷えた日だ。
おれの体温調節機能がぶっ壊れてしまっているせいもあるが、さすがに今年は異常だ。
夏はずっと暑かった。信じられないくらい暑かった。その余韻というか、夏のあがきがしぶと過ぎる。夏も生きのびたいのだろう。季節とて死にたくはないのだ。
このくらいの季節になるとBUMP OF CHICKENの「宇宙飛行士への手紙」が聴きたくなる。CDを買いに行くのに着いていった友人はもうこの世にいない。
神様とやらは不公平だと思う、なぜおれの真逆みたいな素晴らしい人間のあいつを夭折して、おれみたいな人間を生かすのだろう。
白状(するまでもないが)するが、おれは生きるのが下手くそだ。
もっと追い詰めていうと人間に不向きだ。
けれども、人間に生まれてきた以上、まっとうして生きなければと思う。
これは以前どこかで書いたかもしれないが、たとえば、幼少期に遊びの最中で少し高い場所から勇敢に飛び降りられるかどうか、という場面がある。
おれは臆してしまい、飛び降りることができなかった人間だ。
人生はそういうところで始まり、決まってくると思う。
人生はよく勝ち負けで表現されるが、おれは今までそういう類のことは考えもしなかった。
けれども、最近おれの中で人生の勝ち負けを思案し、それの結論が出た気がする。
それは金や名声でもない。
「おれがおれの過去を笑って完全にネタにできるか」
かどうかである。
この30年近く、おれはどちらかというと「せんでいい経験」ばかりしてきた。
しかし、そういった経験を、本当の意味でネタに出来たとき、笑いとばすことが出来た時。
それこそがおれの人生における
「勝ち」
の瞬間なのだと思う。


漫画「日々ロック」でいうところの象徴さんみたいになりたい。
過去の最悪な部分をすべて何かしらの形で昇華(ネタに)し、補完することができた時が、おれの人生においての「勝ち」なんだと思う。
おれはおれの人生に勝ちたい。
