レッドカーペット
豪華絢爛な刺繍に彩られた婚礼衣装、錦糸銀糸が輝く帯、吉祥紋様が染め抜かれた振袖…
人生の門出を祝うために誂えられた着物をリメイクし、新たな命を吹き込んだドレスを披露するショーを観に行ってまいりました。
会場は市内の神社。
参道にはレッドカーペットが敷かれ、ランウェイに早変わり。
青空の元、たくさん見物客が見つめる中、着物リメイクドレスを身にまとい、堂々と歩くモデルさんたち。
プロのモデルさんだけでなく、一般市民も参加できるショーだったので、小さなお子さん、学生さん、白髪が美しいマダムまで老若男女、幅広い年代の方々が参加されていらっしゃいました。
身長、体型もまちまちでしたが、それぞれのモデルさんにぴったりと合うドレスが用意され、それはそれは見事なマッチングでした。
事前にモデルウォーキングの練習もされていたそうで、顔をあげて、胸を開き、風を斬るようにレッドカーペットの上を闊歩する姿は自信に満ち溢れ、本当に素敵でした。
陽の光をうけてキラキラと輝く衣装を見つめていると、なぜか目頭が熱くなってくるのです。
鶴、おしどり、松、梅、牡丹、花車、蝶々…
吉祥紋様の刺繍が目の前で揺れる度、鼻の奥がツンとして、涙がこぼれそうになるのです。
親元を離れ、旅立つ娘が嫁ぎ先で愛されますように。
心身ともに健やかに暮らせますように。
衣食住に困ることがありませんように。
新しい家族と仲睦まじく暮らせますように。
親が子を案ずる氣持ち。
子が独り立ちするさみしさと喜び。
この子を守ってくださいという母の祈りを、生地に縫い込まれた刺繍から感じ取っていたのかもしれません。
ほどかれ、切り分けられ、新たな形で縫い上げられ、ドレスに仕立て直されて尚、その生地、その糸に込められた祈りが消えないように、亡き母の愛も形を変えながら、今も私に届けられている。
どこへ行こうとも、何をしていようとも、輝いていてほしい。
母はきっとそう願っているのだと感じました。
世の娘たちよ、顔をあげて、胸を開き、堂々と歩いて行こうじゃありませんか!
世界中、すべての女性たちにレッドカーペットは用意されているのだから。
私たちはいつも大きな愛の力に守られているのだから。
お母さん、ありがとう。
