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アームの次はSBエナジーとRozeか ソフトバンクG「次の巨大含み益」を大胆予想

ソフトバンクグループの企業価値が跳ね上がる時には、共通点がある。市場がまだ十分に値段を付けていない未公開資産が上場し、その価値が一気に顕在化する時だ。アームはその象徴だった。2016年に約3兆3000億円で買収した資産が、いまではソフトバンクグループのNAVを支える最大の柱になっている。

しかも、状況は動き始めている。8月17日には、NVIDIAがSBエナジーに15億ドルを出資し、オハイオ州PORTS-Pikeで最大8 IT-GWのAIファクトリー計画に参画することが明らかになった。OpenAIが長期顧客となり、NVIDIAがAI計算基盤を独占供給する。SBエナジーの企業価値を考える前提は、わずか数カ月前とは明らかに変わりつつある

そして今、アームの次を考える時期が来た。候補は、米国で電力・AIデータセンター事業を急拡大するSBエナジーと、孫正義氏がAIとロボティクスを結び付けようとしている新会社Rozeだ。まだ上場時期も上場価格も決まっておらず、Rozeに至っては会社の全容さえ十分には明らかになっていない。

それでも、すべてが明らかになり、誰もが価値を計算できるようになってからでは遅い。今回は、これまでアセットアライブで追ってきたAIデータセンター、電力、ロボット、資金調達戦略を一本につなぎ、「もしこの2社の上場が実現したら、ソフトバンクグループに何が起きるのか」を考えてみたい。

◆アームの次に「2つのIPO」が見えてきた

まずSBエナジーだ。同社は2026年5月、米国でのIPOに向けて登録届出書案を非公開で提出する意向を明らかにしており、ロイターはJPモルガン、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、シティ、みずほなどが上場準備に関与していると報じている。つまり、もはや単なるIPO観測ではなく、具体的な準備段階に入っているとみていい。

重要なのは、SBエナジーが昔の「再生可能エネルギー会社」のままではないことだ。2026年1月にはOpenAIとソフトバンクグループがSBエナジーに合計10億ドルを出資し、OpenAI向けにテキサス州ミラム郡で1.2GWのAIデータセンターを開発・運営する計画が動き始めた。

AIデータセンターの競争が激しくなればなるほど必要になるのはGPUだけではなく、土地、建物、送電網、そして大量の電力である。SBエナジーは、その中でも最大のボトルネックになりつつある電力を押さえ、データセンター開発まで一体化するAIインフラ企業へ姿を変えようとしている。

6月29日の記事でも、SBエナジーの米国IPO構想とAIデータセンター時代の電力問題を取り上げた。

https://note.com/asset_alive/n/nb4729af5a4e6

当時よりもIPOの現実味は明らかに高まっている。SBエナジーは現在、稼働中・建設中を合わせて約5GWのエネルギーポートフォリオを持ち、巨額のプロジェクト資金を調達しながらAIデータセンター開発へ軸足を移している。そして8月17日、SBエナジーの位置付けをさらに大きく変える材料が出た。エヌビディア、OpenAI、ソフトバンクグループ、SBエナジーは、オハイオ州PORTS-Pike Technology Campusで最大8 IT-GWのAIファクトリーを開発する。

SBエナジーがデータセンターを建設・保有・運営し、OpenAIが20年間のリース契約で顧客となり、エヌビディアがAI計算基盤を独占的に供給する。さらにエヌビディアはSBエナジーに15億ドルを出資する。SBエナジーは、OpenAIとソフトバンクグループだけでなく、NVIDIAまで資本参加するAIインフラ企業になった。

もう一つがRozeだ。こちらはSBエナジー以上に興味深い。フィナンシャル・タイムズによると、ソフトバンクグループはAIとロボティクスを組み合わせた新会社Rozeの米国上場を検討しており、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、みずほ、モルガン・スタンレーなどが上場準備に関与しているとされる。

Rozeが目指しているのは、単なるロボットメーカーではない。AIデータセンターをはじめとする大型インフラ建設をロボットで効率化し、AIと現実世界をつなぐ巨大な物理インフラ企業を作ろうとしているとみられる。

その中核候補となるのが、ソフトバンクグループが53億7500万ドルで買収を決めたABBのロボティクス事業だ。さらにソフトバンクロボティクス、バークシャー・グレイ、オートストア、アジャイル・ロボッツなど、これまで個別に積み上げてきたロボティクス関連資産を考えると、AIロボットを単独企業の集合体ではなく、大きな事業基盤としてまとめようとしている可能性が見えてくる。

ここまで整理すると、これまで個別に見えていたソフトバンクグループの投資が一本につながってくる。アームはAIを動かす計算基盤を支え、SBエナジーはAIデータセンターと電力を支え、Rozeはロボティクスによってその巨大インフラを実際に作る。

そしてOpenAIが、その上でAIを動かす。半導体、AIモデル、データセンター、電力、ロボティクスを一つにつなげると、個々のAI企業への投資ポートフォリオではなく、AIを動かす巨大なインフラ全体の構築が目的という見方ができる。

私はこれまで、ソフトバンクグループのAI投資について、電力、データセンター、資金調達、ロボット、アームと個別に追いかけてきた。今回、この2つのIPO構想を改めて並べてみると、それぞれの点が一本の線になり始めたように感じる。そして投資家にとって本当に重要なのは、ここからである。事業として面白いだけではソフトバンクグループ株の価値は変わらない。問題は、これらの資産に株式市場がいくらの価値(株価)を付けるかだ。

では、SBエナジーとRozeが実際に上場した場合、ソフトバンクグループにはどれだけの資産価値が生まれるのか。ここからは、現在判明している持分、取得価格、報道されている上場構想をもとに、あえて最も強気のシナリオを置いて試算してみる。

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