ふんわりした「求める人物像」に、会社らしさを込める
明るく前向きに業務に取り組める方
チームワークを大切にできる方
成果に向けてやりきれる方
求人票の“求める人物像”の欄には、こうした言葉が並ぶことがあります。
実際、現場の状況や組織の雰囲気を一生懸命言葉にしようとされているのだと思いますし、漠然とした期待をなんとか言葉にしようと試行錯誤の末に書かれているのだろうなと感じることが多いです。
だからこそ、私はこの欄に書かれている言葉を、「もっとよくできるはず」という視点ではなく、「ここからどう広げられるか」という観点で扱いたいと思っています。
求める人物像の役割
求人票の設計をする中で、「求める人物像」の欄がふんわりとした言葉でまとまっているケースは多く見かけます。
実はここ、読み手にとって“自分にフィットするかどうか”を考える入り口にもなるパートです。
特にミドルレイヤー以上の方は、スキルマッチだけでなく、
「自分の経験がどこに活かせるのか」
「どんなチームで、どういう関わり方で、どんな成果を出すことが期待されているか」
そんな視点を持って求人票を読んでいます。
だからこそ、「このポジションでは、どんな動き方が求められているのか」までを言語化しておくことが、実は応募意欲にもつながってくるのではと思うのです。
書き方を変えるには、“逆算のヒアリング”から
ふんわりした印象になってしまう背景には、「考え方」や「人柄」で表現しようとすると、抽象的になってしまうという構造があります。
私が求人票を設計する際に意識しているのは、“実際にどんな行動が求められているか”から逆算して設計すること。
そのために、現場や経営層へのヒアリングでは以下のような問いを立てます:
今このポジションがいなくて、どんなことに困っているか
すでに活躍している人がいるなら、どんな特性が活きているか
逆に、過去にミスマッチがあった場合はどんな傾向だったか
その人は、誰と・どんな関係性で・どのくらいの頻度で動いているか
拾った言葉を、“らしさ”につなげるまで
こうした問いを通して、実際の業務の中にある、行動や判断の癖、コミュニケーションの特徴を丁寧に拾っていきます。
でも、拾った言葉をそのまま書けば伝わるわけではありません。
大切なのは、そこに「期待されている動き方」を重ね、“自分ごと”として読める表現に翻訳していくことです。
たとえば、「前向きな方」「実行力のある方」「チームワークを大切にできる方」といった言葉も、それぞれの現場のエピソードと紐づけていくことで、こんな風に変換されていきます:
【変換例】
Before:「前向きに仕事に取り組める方」
After:正解のないテーマに対しても、自ら仮説を立てて関係者とすり合わせながら、前進できる方
ポイント:価値観ベースの表現を、そのポジションで起こりうる業務シーンに置き換え、実際に求めたい行動レベルまで具体化。Before:「実行力のある方」
After:経営陣や現場とすり合わせをしながら、自分の意見を言葉にして提案・推進できる方
ポイント:抽象的な結果に関わる表現を、実行に至るまでのプロセス(意見の言語化・提案・調整)に分解し、このポジションで求めたい推進行動として具体化。Before:「チームワークを大切にできる方」
After:多様な関係者と調整しながら、互いの立場を理解し、最適な着地を導ける方
ポイント:「チームワーク」という言葉を、実際の社内連携や協働の場面に置き換え、どう関わり、どうすり合わせるかまでを描写。
このように、行動や関係性が具体的に描かれていると、候補者も「自分の過去の経験をどう活かせそうか」が想像しやすくなります。
おわりに:伝わる一文を、らしさとともに
求人票の「求める人物像」の欄は、当たり障りのない表現でまとめてしまいがちなパートかもしれません。
でも私は、そこにもう少しだけ“その会社の期待”を込めてみてもいいのでは、と思っています。
「どこでも言えること」ではなく、「ここで言う意味があること」にできるかどうか。
それが、読み終わったときの印象を少し変えてくれるかもしれません。
採用活動の中で見落とされがちなこの欄に、“会社らしさ”を込めることで、「あ、自分に合うかも」と思えるきっかけが生まれる。
そんなヒントになるnoteになっていれば、うれしいです。
ユアパトへのお問い合わせはこちらから
ユアパトメンバーが発信している、採用のヒントが見つかるマガジンも是非参考にしてみて下さい!
X(Twitter)もやっています。
