《もうひとつの可能性》トゥイッターやってないことを密かに誇りに思っている小学生
給食の牛乳は一気飲みせず、2、3回に分けて飲むのがマナーだと信じている小学生
XというSNSがあるらしい?あの娘もやってるらしい?と気づいた小学生
あの娘がやってるならトゥイッターはやらないけどXはやってもいいかなと思うが、あの娘がやってるから始めたと思われるのはやっぱり恥ずかしくなり、誰も聞いたことない「Pudding(プリン)」とかいう謎のSNSを始めた小学生
クラスの男子で唯一宿題を必ず提出している小学生
「おれPudding始めたよー。トゥイッターとXはやってないけどw」と言ったら一瞬クラスに静寂が訪れ、その後、爆笑を巻き起こす小学生
中学生になった小学生
逆に親とめちゃくちゃ仲良くするのがカッコいいと思っている中学生
体育祭のクラス対抗リレーで転けてしまい、次に待つあの娘に繋がなきゃいけないのに、パニックになってその場から走り去り、1分後、バトンだけ返しに戻ってきて共感性羞恥を呼ぶ中学生
市の「税金についての作文」で入賞するが、特に誰からも触れられなかった中学生
授業参観で来た母親に、休み時間に自分から話しかけに行き、手まで繋いだ中学生
クラスメイトからの嘲笑の視線が急に気になって、休み時間が終わるのが怖くなってズル休みで早退して母親とちょっと離れて歩いて帰った中学生
高校生になった中学生
高校の思い出は特になかった高校生
大学生になった高校生
20歳になるまで絶対に酒は飲まない、と決めていた大学生
新歓の時期にどこにも行かなかったので、特に酒を飲む機会は無かった大学生
あの娘と同じ研究室に入れて有頂天になったが、意外と話すタイミングないことに気づく大学生
大教室の一番後ろでボーッと講義受けてたらプリントが回ってこなくて、でも言い出せずに期末テスト範囲を勘で当てに行く大学生
Puddingで得た知識をもとに就活に臨むが、Puddingには拗らせた奴しかいないので、まともな面接ができず、研究室の多忙さを理由に就活をやめる大学生
研究室にも顔を出さず退学処分になり高卒フリーターになった大学生
タイミーという名の日雇い労働で食いつなぐ高卒フリーター
あの娘のLINEアイコンがウエディングドレスになってて結婚したことを知ったけど、意外とすぐ忘れた高卒フリーター
ベトナム人のパート主婦たちの何て言ってるか分からない雑談をBGMにコンビニ弁当工場でひたすらきんぴらごぼうを詰める高卒フリーター
磯辺焼きのちくわを半分に切る機械の担当がありえないくらいラクだと気づき、毎回担当にして欲しいと申し出る高卒フリーター
却下される高卒フリーター
Puddingでバイトの愚痴を長文投稿する高卒フリーター
文章力だけは高く、徐々に投稿がバズり始める高卒フリーター
妄想の「ホントはこうだった人生」を連載しはじめたら意味わからんくらい読まれて、Xでシェアされて、Puddingのアカウント数の急成長に貢献する高卒フリーター
急増したフォロワーのなかに、見覚えのある顔と名前を見つける高卒フリーター
ネット上だけではあるが人気者になり自信がついた結果、今まで見せたことのない行動力を見せて、いきなり初LINEしてみる高卒フリーター
「すみません、結婚しています💦」とだけ返ってきて、Puddingのフォローは外されていた高卒フリーター
Puddingで友だちやお金が増えたことは一度もなかったが、読者からのスキだけを生きがいに気づけば65歳になった高卒フリーター
急に心臓が痛くなって、ひとりで部屋で苦しみながら、救急車を呼ぶかでも呼んだら呼んだで面倒くさいし、延命されても良いことあるのかなとか考え出す高卒フリーター(65歳)
なんでこんな人生になったのかと涙目で振り返る高卒フリーター(65歳)
そうか、今みたいな無気力逃げ癖の積み重ねかもしれないなと思った高卒フリーター(65歳)
悶えながらふとPuddingのコメント通知「なんか底辺すぎて元気もらいましたw」が目に入った高卒フリーター(65歳)
急にすべてのことにムカついてきた高卒フリーター(65歳)
「あなたの元気のために底辺やってません」とだけ返信して、救急車を呼ぶ高卒フリーター(65歳)
一命を取り留めて、年齢・独身・持病とかの条件的に公営の高齢者施設に入れた高卒フリーター(65歳)
そこに何となく見覚えのある顔と名前のひとが入所してきた高卒フリーター(68歳)
認知症でこっちのことは何一つ覚えてなかったが、かつて書き散らした「ホントはこうだった人生」を本当かのように話して聞かせる高卒フリーター(70歳)
騙してるようでバツの悪さも感じつつ、相手も何か楽しんでそうなのでまあいいかと思う高卒フリーター(73歳)
別々の人生を生き、別々の墓に眠った高卒フリーターと同級生のあの娘
BAD END?
HAPPY END👇
