清瀬に「ハワイの雪」を降らせた春風亭一花
9月13日(土)第136回 清瀬けやき亭 落語応援会 そうだじゅげむきこう

十八 熊の皮
十八さんは甚兵衛さんのように味のあるおかしな御仁である。
一花 のめる
謝楽祭の話題、小さい頃モスラごっこをした話をマクラに。
お互いに口癖を言ったら金を払うという他愛もないゲームに興じる男たちの生態を微笑ましく、バカバカしく描く。女性ならではの「バッカじゃないの」という一花さんの声が聞こえるようだ。
一花 粗忽の釘
ある夫婦の引っ越しの荷造りから始まる苦難の一日。たった一本の八寸の瓦釘が爆笑を生む。
夫婦で庭に出てたらいで行水をする場面。「フェーフェー」言い合うなまめかしい場面だが、一花さんはカラッとした色気ある笑いに変えた。
壁に打ち抜いた釘について謝りにゆく場面もありえない展開の連続だが、きっとりと観客を飽きさせず、サゲまで惹きつけた。
ー仲入りー
一花 ハワイの雪
新潟県上越高田市に暮らす留吉と孫の恵のもとに一通のエアメールが届く。差出人はジョージ・フジカワ。留吉の幼馴染の千恵子の容体が思わしくなく、会いに来てほしいという。だが金が無い。そんな中、腕相撲大会の案内が届く。ディープシニアの部賞金は100万円という。
柳家喬太郎が創ったこの新作落語をほかの落語家が演るのを初めて聴いた。一花さんは本家よりも落ち着いてしっとりした「ハワイの雪」を描いた。
腕相撲大会における“越後のトビウオ”や“上越のサルスベリ”というニックネームが登場せず、対戦も喬太郎版よりはわりにあっさり描かれる。
ラストの再会では鳴り物も入り、一花さんの雪が降るような落ち着いた描写が逆に情感を高める。
古典だけでなく、新作も意欲的に取り組む一花さん、ダンナ・金原亭馬久に続いての真打昇進、見えた。
