【読書日記】Netflix『自由研究には向かない殺人 シーズン2』レビュー/ピップが直面する正義の代償 2026/5/31
ミステリー好きなら、今すぐNetflixの検索窓に打ち込んでほしいタイトルがあります。 それは『自由研究には向かない殺人』です!
ランキングを総なめにした最強の翻訳ミステリー3部作。そのドラマ版の最新シーズン(シーズン2)が、2026年5月27日から配信されたのです。まだシーズン1を観てないよーって方は、これを機会にぜひシーズン1から見て下さいね。
小説も凄かったけど、ドラマ版も泥沼級の傑作でした。配信開始と同時に画面にかぶりつき、一晩で一気に駆け抜けてしまいましたよ。そんな私の興奮冷めやらぬ最速レビューをお届けします。
◆配信開始
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) May 27, 2026
Netflixシリーズ
『自由研究には向かない殺人』 シーズン2(イギリス)
エマ・マイヤーズ 出演
未解決事件の真相を解明した今、
裁判を待つピップ。
だが友達の1人が行方不明になり、
優等生と探偵の2つの顔を持つピップは
再び、新たな謎の解決に挑む。#自由研究には向かない殺人 pic.twitter.com/HU2b8WDbli
『自由研究には向かない殺人』とは?
舞台はイギリス、長閑でどこか閉塞感のある小さな田舎町。 主人公は17歳の風変わりで、信じられないほど聡明な女子高生ピップ。
【シーズン1 あらすじ】 ピップは高校の卒業研究(自由研究)という名目で、かつて街で起きた少女失踪事件を再調査する。当時警察は彼女の交際相手の少年が犯人であり、彼はすでに自殺したと結論づけていた。
しかし彼の優しさを知るピップは何かおかしい… と直感。素人ながらも情熱的な彼女は、SNS調査、突撃取材、果ては危険な潜入捜査まで、現役高校生ができる最大限のフィールドワークで、町の暗部を少しずつ剥ぎ取っていくのだった――
何が素晴らしいって、ピップの頑ななまでのまっすぐさと、少しずつパズルのピースがハマっていくような捜査の爽快感! 人間のドロドロした欲望に触れて傷つきながらも、前を向いて戦う彼女の成長に、胸を熱くした人も多いはず。
そして今回の【シーズン2】は、 前作の事件解決から少し時が経ったところから始まります。
【シーズン2 あらすじ】 ピップは前作の事件をポッドキャストで配信し、一躍有名人になっていました。もう危険な行動は控えるようにし、普通の高校生に戻ろう―― そう決意していた彼女のもとに、新たな事件が舞い込む。 今度はなんと、親しい友人の兄のジェイミーが行方不明になってしまう。
最高のパートナー・ラヴィと共に、再び立ち上がることを決意。失踪したジェイミーの足取りを追うのだった。
一方、町ではもう一つの不穏な動きが。前作の事件に関わった「ある男性」の裁判が始まっていたのです。数々の卑劣な工作のせいで、有罪になるかどうかの雲行きは怪しく、正義の天秤は大きく揺らいでくる。果たしてジェイミーはどこへ消えたのか? そして正義の判決は下されるのか?
――ね? もうあらすじを聞いただけで、あの重厚なストリングスのBGMが脳内に流れて、ゾクゾクしてきませんか? そしてシーズン2もピップが大活躍なんです! これは見逃せませんよ~
ココが好き①:ピップが可愛い!でも中身は猛獣
このドラマを語る上で、絶対に外せないのが主人公ピップの魅力です。 演じている女優エマ・マイヤーズさんの芝居が、もうエグいの一言。
見た目はくりくりとした瞳が印象的な、いかにもイギリスの優等生という感じの可愛らしい女の子なんです。お洋服の着こなしもポップで真似したくなるくらいキュート。
なのに、ひとたびスイッチが入った時の猛獣っぷりが凄まじい! とにかくまっすぐで、情熱的で、圧倒的な正義感と行動力の塊。普通なら怖いからやめておこうと足がすくむような場面でも、真実を知りたいという知的好奇心と使命感だけで、ぐいぐい突き進んでいっちゃう。
しかも、ただの猪突猛進タイプじゃない。めちゃくちゃ頭が良いんです。 現代の高校生らしく、SNSの裏アカウントを特定したり、位置情報を解析したり、ポッドキャストで世論を味方につけたり。まるで令和のデジタル私立探偵。そのスマートな手際に、めっちゃクールってシビれっぱなしなんだよね。
そして忘れてはならないのが、相棒のラヴィ! ピップを見守る彼の眼差しが本当に優しくて、二人の関係性は、このダークな物語の中で唯一のオアシス。大人になると忘れてしまいがちな、あの甘酸っぱくて爽やかな空気感に、観ているこっちもホンワカとした微笑みを浮かべちゃうんだよね。
ココが好き②:終盤からの怒涛の展開!もはや探偵ゲームじゃない
シーズン2も最初は困った友達を助けたいという、素朴で優しい動機から始まります。勇ましくみんなを引っ張っていくピップの姿に惚れ惚れしながらみてると、とんでもないパンチを食らうことになります。
これまでの成果を知ってるからこそ、街の人たちはピップを警戒する。彼女たちが想像するよりもずっと深くて冷たくなってるのです。 それでも強大な問題や、突きつけられる衝撃的な事実に真っ向から立ち向かっていくピップの姿は鳥肌モノ。
特に第5話目からの加速の仕方が尋常じゃありません。文字通り画面にかぶりつき状態。 シーズン1以上に手に汗を握るサスペンスフルな展開、そして演出なんです!
もはや高校生の微笑ましい探偵ゲームの枠を完全に踏み越えてしまうんすよきっとあなたも観終わったあとは、しばらくソファから立ち上がれなくなるほどの衝撃が待っていると思いますよ。

ココが好き③:人の心の深淵には何があるのか
前作が爽やかなヤング探偵団の冒険譚だとしたら、今作は間違いなく、人間の心の奥底に潜む闇を描いた至高のダーク・サスペンスなのです。
なぜピップはここまで追い詰められなければならなかったのか。 それはシーズン1で華々しく事件を解決した代償として、彼女が人間の隠された欲望や、醜い心の深淵を覗き込んでしまったからです。
今回ピップは傷を抱え、家族やパートナーに支えられながら成長しつつも、事件の重圧と責任感に押しつぶされそうになりながら葛藤していく。彼女の前に立ちはだかる最大の壁は、皮肉なことに、彼女自身が持つ優等生としての、一見正しそうな道徳感と正義感なんです。
正しいことをやり過ぎる。 悪をくじくことを、徹底的にやり過ぎる。 その先に、一体何が待っているのか。
はたして真実に導くことは、本当に人を幸せにするのか?
深く暗い海の底にあった真実を、強烈な太陽の光のもとに晒したとき、まぶしすぎるその光は、自分自身や、大切だったはずの周囲の人間関係までをも焼き尽くしていく。
大人である私たちは日々の生活の中で知っている。正しいことだけでは割り切れない現実があること。誰かを守るための嘘や、見て見ぬ振りをすることで保たれている平穏があること。
だからこそ、傷だらけになりながら正しさの矛を振り下ろし続けるピップの姿が、痛々しいほどに愛おしく、そして私たちの胸を激しく揺さぶるのです。はたして彼女はこの過酷な経験を経て学ぶことができたのでしょうか。
続きがとっても気になるところでシーズン2は終わりを告げる。原作では既に完結編まで発売されてまして、この先の展開(シーズン3:卒業生には向かない真実)もすべて知っているのですが…… どうしても気になる方はぜひ読んでみて下さいね。まぁびっくりしますから、覚悟してください。
そして絶対にシーズン3もこのクオリティで映像化してくださいね!
まとめ:傷つきながらも一歩を踏み出すということ
画面の中で傷だらけになりながらも真実に向かって走るピップを観ていてふと思ったことがある。
いつも傷つくのを恐れて、あるいは誰かと衝突するのを避けて、自分の意見を無視してしまうことがある。自分さえ我慢すれば、この場は丸く収まるからって、小さな妥協を積み重ねてしまうこと。
もちろん大人の知恵としてそれは正解。でもたまにはピップのように自分の心がおかしいと感じたことに対して、まっすぐに動いてみてもいいのかもしれない。
完璧な正解なんてないし、何かを選べば、何かが壊れることもある。 それでも、自分の信じるもののために一歩を踏み出す姿は、"正直な美しさ"を放ってると思うんだよね。
そう思うとなんとなく明日の自分を強く持てるようになるし、なんかエネルギーがみなぎってくるですよ。こんな可愛い少女に、こんな勇気をもらえるなんて想像もしてませんでした🥰
新作:余命一週間の探偵として/ホリー・ジャクソン
最後に嬉しいご報告! 私と同じようにホリー・ジャクソン中毒になってしまったみなさんに、最高にワクワクするお知らせ。
この『自由研究には向かない殺人』の生みの親である天才、ホリー・ジャクソンの待望の新作が発売されるみたい! こりゃこの夏もワクワクが止まらない。
タイトル:『余命一週間の探偵として』
出版社:東京創元社
発売日:2026年7月10日(金)
ハロウィーンの夜。27歳のジェットは、何者かに殴打されて意識不明となってしまう。2日後に目覚めたものの、医師によると、脳内には確実に動脈瘤が形成されると考えられ、いずれ破裂して死に至るという。手術はほぼ不可能。余命1週間を宣告されたジェットは死ぬまでに犯人を見つけると誓い、幼なじみのビリーと調査を始める。究極のタイムリミットに挑む主人公を描く、『自由研究には向かない殺人』の著者が放つ圧巻の犯人当てミステリ!
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