【3】PMP試験 計画書・スコープ・スケジュール完全整理|頻出ポイントまとめ
はじめに
本ノートは、PMP(Project Management Professional)試験の学習・問題演習を通じて、頻出だと感じた「プロセス」領域のうち、計画書、管理簿、スコープ、スケジュール、見積もりに関する用語を整理したものです。
PMPでは、用語の意味そのものよりも、
どの文書を先に確認するのか
リスクと課題をどう区別するのか
スコープをどう定義・分解するのか
スケジュール短縮策をどう選ぶのか
見積もり手法をどう使い分けるのか
が問われやすいです。
特に、
「リスク管理簿」と「問題点ログ」
「WBS」と「ガントチャート」
「プロジェクト憲章」と「プロジェクト管理計画書」
「ファストトラッキング」と「クラッシング」
「ストーリーポイント」と「時間見積もり」
は混同しやすいため、試験直前に整理しておきたいポイントです。
1. プロジェクト開始時に確認する文書
ビジネスケース
プロジェクトを実施する妥当性や投資対効果を説明するもの
「なぜこのプロジェクトを行う必要があるのか」を示す
背景、目的、期待効果、投資対効果、リスク、代替案などを整理する
経営層やスポンサーが、プロジェクトを承認するか判断するための材料になる
この内容を文書化したものを、ビジネスケース記述書と呼ぶことがある

一般的な流れは次のイメージ
ビジネスケース
↓
プロジェクト憲章
↓
プロジェクト管理計画書
〖注意〗
ビジネスケースは、詳細な実行計画ではない
プロジェクトを始める前に、「実施する価値があるか」を判断するためのもの
アジャイルにおいて、プロジェクト進行段階での変更要求はビジネスケースの確認より、バックログに記載、プロダクトオーナーと優先順位を決定する方が適切
PMP試験では、「投資対効果」「事業上の妥当性」「経営層の承認」「なぜやるのか」が出たら、ビジネスケースを疑う
〖比較〗
ビジネスケース:なぜプロジェクトをやるのか
プロジェクト憲章:プロジェクトを正式に開始し、PMに権限を与える
ベネフィット管理計画:プロジェクト後にどの利益をどう実現・測定するのか
ミッションステートメント
プロジェクトや組織の目的・ビジョンを示すもの

〖注意〗
チームやステークホルダーの共通理解を作るために役立つ
プロジェクトベネフィット管理計画
プロジェクトの目標や期待される利益、その実現までの時間枠、戦略との整合性を明確に示す計画

〖比較〗
ビジネスケース:プロジェクトを始める価値があるかを説明する
ベネフィット管理計画:プロジェクト後にどの利益をどう実現・測定するかを整理する
プロジェクト管理計画書:プロジェクトをどう管理・実行するかを定める
プロジェクト憲章
プロジェクトの基本方針、目的、範囲を文書化したもの
目的、予算、主要ステークホルダー、前提条件、制約条件などを記載する
プロジェクトマネージャーに正式な権限を与える文書

〖注意〗
予測型で特によく出るが、PMPではプロジェクト開始時の基本文書として広く捉える
詳細なスケジュールやコスト管理方法は、プロジェクト管理計画書で扱う
〖比較〗
ビジネスケース:なぜやるのか
プロジェクト憲章:正式に開始し、PMに権限を与える
プロジェクト管理計画書:どう管理・実行するのか
プロジェクト管理計画書(Project Management Plan)
プロジェクトをどのように管理・実行・監視・終結するかを定めた最上位の管理文書
プロジェクト運営のルールブック

〖注意〗
プロジェクト管理計画書は、単一の資料というより、複数の補助計画を統合したもの
変更が必要な場合、予測型では変更管理プロセスを通す
「計画どおりか」「ベースラインと比べてどうか」を見る文脈でよく出る
インセプションデッキ
アジャイルプロジェクトにおける、プロジェクト憲章に近い役割を持つ資料
プロジェクト開始時に作成される
背景、目的、目標、範囲、価値、制約条件などを明確にし、関係者間で共有する

〖注意〗
アジャイル環境では、硬い文書よりも、関係者が共通理解を持ちやすい形が重視される
インセプションデッキは、初期段階で認識のズレを防ぐために有効
初回のスプリントレビューで大きな誤解が発覚する前に、方向性を揃える効果がある
〖比較〗
プロジェクト憲章:プロジェクトを正式に開始し、PMに権限を与える文書
インセプションデッキ:アジャイル環境で、目的・価値・範囲・制約を共有するための資料
チーム憲章(Team Charter)
プロジェクトチームのルールブック
チームがうまく機能するための役割、責任、行動指針を明文化した合意文書
チーム全体の役割や責任、期待事項を文書化し共有することで、各メンバーの活動が明確になる

〖注意〗
チーム憲章は、PMが一方的に押し付けるものではない
チームで合意することが重要
タスク分担や進捗管理の改善、遅延リスクの軽減にもつながる
2. 各種マネジメント計画
品質管理計画
プロジェクト全体の品質基準や管理手法を定めるもの
〖注意〗
品質は最後に検査するだけではない
計画段階から、品質基準や確認方法を決めておく
アジャイルでは、完了の定義や継続的な検証とも関係する
ハイブリッドアプローチでも、品質管理計画はある
コスト管理計画
プロジェクトの予算、コスト見積もり、コストコントロールに焦点を当てた計画
〖注意〗
見積もり方法、測定単位、コントロール基準、報告方法も含む
EVMの前提になることもある
調達管理計画
調達の手続き、承認フロー、調達基準を定める計画
供給リスクへの対応策、代替案、契約条件なども関係する
外部ベンダーや契約が関わる場合に重要
リスク対応計画(Plan Risk Responses)
識別・分析したリスクに対して、発生した場合にどう対応するかを事前に決めるプロセス
リスクの優先順位に応じて、回避、転嫁、軽減、受容などの対応策を決める
回避(Avoid): 原因そのものをなくす
転嫁(Transfer): 他者に責任を移す
軽減(Mitigate) :発生確率や影響を小さくする
受容(Accept) :特に対策しない(または備える)
〖注意〗
すでに発生している問題は、リスクではなく課題として扱う
ステークホルダーエンゲージメント計画
ステークホルダーが必要とする情報やコミュニケーション頻度を把握し、関与の方法を定める計画
クレームや期待値のズレが出ないよう、関与の体制を整える
〖注意〗
ステークホルダー対応では、政治力・期待を考慮する
影響力の強い人、反対しそうな人、意思決定に関与する人を見落とさない
すべてのステークホルダーに同じ深さで対応するわけではない
〖比較〗
ステークホルダー分析:ニーズや影響力を理解する
ステークホルダーエンゲージメント計画:どう関与してもらうかを計画する
コミュニケーション管理計画:誰に、何を、いつ、どう伝えるかを決める
ステークホルダー分析
ステークホルダーのニーズや影響力を理解するための分析
コミュニケーション方法や関与度を決めるために使う
〖注意〗
ステークホルダー分析は、名前を一覧にするだけではない
その人が何を求めているか、プロジェクトにどれくらい影響を与えるかを見る
分析結果は、エンゲージメント計画やコミュニケーション計画に反映する
コミュニケーション管理計画
失敗を防ぐための設計図
誰に、何を、いつ、どうやって伝えるかを決めた計画
情報共有不足、期待値のズレ、認識齟齬を防ぐために重要
〖注意〗
コミュニケーション管理計画の整備・調整は、基本的にプロジェクトマネージャーの責任
PMOが支援することはあるが、個別プロジェクトでどう伝えるかはPMが主導する
ステークホルダーのニーズに応じて、頻度・形式・内容を変える
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全7冊で、PMP(Project Management Professional)試験で頻出となる「人」「プロセス」「ビジネス環境」を体系…
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