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施設からの着信をお風呂場で取った日。

お風呂時間を止めた一本の着信

その日は、お風呂に入っていました。

湯船にゆっくり浸かって、ほっとひと息ついたあと、「さあ体を洗おう」と立ち上がった、その時です。

滅多に鳴らない携帯電話が鳴りました。

画面を見ると、義母の施設からの着信。

その瞬間、胸がドキッとします。

何かあったのではないか。
転んだ?
体調を崩した?
誰かに迷惑をかけた?

ほんの数秒の間に、いろんな想像が頭を駆け巡ります。

私はいつも、お風呂にも携帯電話を持ち込んでいます。音楽を聴きながら、ゆっくり過ごす大切な時間だからです。

でも、その日は癒やしの時間が一瞬で緊張の時間に変わりました。

ここで電話に出たら、お風呂だとバレるかな。
でも、あとで折り返すほうがもっと嫌だ。

そう思って、その場で電話に出ました。

「はい、もしもし」

声がお風呂場に響きます。

相手はケアマネさんでした。

「あ、大丈夫なんですよ」

ケアマネさんのその一言で、少し息をつきました。

用件は、介護認定の書類が届いているかの確認と、ケアプラン作成の了承について。

何事もなかった。ホッとした。

それだけで、胸の奥から力が抜けました。


施設からの電話は、いい知らせばかりではない

正直に言うと、施設からの電話を平常心で受けることはできません。

スマホの画面に施設の名前が表示された瞬間、胸がざわつきます。

よく考えれば当然なのかもしれません。

施設からの連絡で、うれしい知らせが届くことはそう多くありません。

たいていは、

何か対応してほしいことがある。
トラブルが起きた。
転倒した。
体調を崩した。

そんな内容です。

少し時間を置いて動けばいいこともあります。
でも、ときには“今すぐ”動かなければならないこともあります。

義母が骨折した時もそうでした。


「今から病院へ連れて行きます。すぐ来てください」

その一言で、その日の予定は全部消えました。

仕事の段取り。
約束していた時間。
自分の都合。

いったん全部横に置いて、介護の案件が最優先になります。

そして動くのは予定だけではありません。感情も動きます。

また振り回される。
職場にも迷惑をかける。
どうして私ばかり。

そんな思いが湧いてくる日もあります。

キーパーソンという立場は、ずっと重い荷物を背負っているようなもの。

本当に、その通りだと思います。


このしんどさは、経験者にしか伝わりにくい

この思いの厄介なところは、介護を経験した人にしか、なかなかわかってもらえないことです。

私自身も、介護を経験する前なら思っていたかもしれません。

「電話一本で、そんなに?」

でも、同じ立場の人ならきっとわかると思うのです。

その一本の電話に、どれだけの意味が含まれているか。

何か起きたのではないか。
これから予定が崩れるのではないか。
また自分が動くことになるのではないか。

まだ何も起きていないのに、不安だけが先に膨らんでいく。

そうやって、心は少しずつ消耗していきます。

勇気を出して誰かに話しても、

「ふーん、そうなんだ」
「大変だね」

そんな言葉で終わることもあります。

悪気がないのはわかっています。

でも、なんとも言えない肩透かしを感じるのです。

この感覚を味わいたくなくて、友達にも話せなくなりました。

夫に話しても、どこか温度差がある。

「同じ出来事のはずなのに、背負っている重さが違う。」

そう感じてしまうことがあります。

介護のしんどさは、出来事そのものだけではなく、わかってもらえない孤独にもあるのかもしれません。


だから、気持ちを置ける場所を作りたかった

だからこそ、その気持ちを吐き出せる場所が必要だと思いました。

今、私はThreadsというSNSで毎朝、介護友Threadsという投稿を続けています。

批判なし。
正論なし。

ただ、その時の気持ちを置いていける場所を作りたくて始めました。

答えがほしい日ばかりではありません。

ただ、しんどかった。
ただ、疲れた。
ただ、誰かにわかってほしい。

そんな日もあります。

最初は、自分のために作った場所でした。

でも今、そこには少しずつ人が集まってきてくれています。

「私も同じです」
「わかってもらえてうれしい」

そんな言葉をいただくたびに、作ってよかったと思います。


今、ひそかに抱いている野望

そして今、私はひそかな野望を持っています。

noteメンバーシップで、クローズドの介護友の場所を作ることです。

否定されず、比べられず、安心して本音を話せる場所。
しんどい日には、ただ「しんどい」と言える場所。

そんな居場所を、いつか形にできたらと思っています。

この野望が叶うかどうかは、まだわかりません。

それでも、必要としている人はきっといる。

そう信じて、これからも私なりに発信を続けていこうと思います。


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