言葉に救われた日
〜母として、ひとりの人として〜
夕方、バタバタと夕飯をつくっていたときのこと。
仕事から帰ってきてすぐエプロンをつけて、洗濯物も畳めていないまま、
子どもの「お腹すいたー!」に応えながらフライパンを振っていた。
疲れていた。
正直、余裕なんてひとつもなかった。
焦げかけたフライパン、ぐちゃぐちゃな頭の中、散らかった部屋。
何もかもが「ちゃんとできてない気がする」と、自分を責めたくなる日だった。
「ママって、がんばりやさんだね。」
その言葉が、不意に背中から届いた。
振り返ると、子どもがニコニコして私を見上げていた。
何気なく言ったんだろう。だけど、その一言に――
私は、涙が出そうになった。
**「がんばりやさん」**なんて、誰にも言われたことなかったかもしれない。
ちゃんとできてないって思っていた自分に、
“見てくれてる人がいた”って、それだけで胸がぎゅっとあたたかくなった。
母として、完璧じゃない日なんて、毎日ある。
でもそのたびに、こんな小さな言葉に救われながら、
私は母を続けているんだと思う。
私が日々、言葉と向き合うのは、
きっと、自分がそうやって救われてきたからなんだ。
だから今日もまた、誰かの心にそっと寄り添える言葉を探して、
少しずつ、書いていこうと思う。
