映画『8番出口』を見て、ゲーム原作の映画を作る難しさを痛感した話 やや#ネタバレあり
こんにちは、水無瀬あずさです。月末ですが、ようやく締められそうな余裕が生まれてきたので、昨日に続いてnoteを連続投稿しちゃいます。もっと計画的に働けよって話ですけども、そこはご愛敬。
最近のnoteを眺めていると、ビジネス寄りの発信をする方がずいぶんと増えたなあという印象ですね。収入アップ!収益化!みたいな。noteがGoogleと提携したことで、それだけ価値が上がったことの現れとも言えるのかもしれないけど、なんかこう、もっとみんな肩の力抜いていこうぜ・・・とか思います。
私はnoteでそういうのじゃなくて、「こんな出来事があってさあ!」「ちょっと聞いて聞いて!」みたいなネタをたくさん読みたいのですよ。今そういう発信をしている方にはぜひ、その路線を続けていただきたい!!そして私も、そんなネタ発信として今回、先週家族で見に行った映画『8番出口』の感想をまとめていきたいと思います。
そもそも『8番出口』は、ゲーム系Youtuberのみなさんがこぞって実況を始めた初期にSteamでプレイして、「おお、おもろいやんけ!」と子どもたちと大盛り上がりした思い出のゲーム。映画になったということで、公開してからずっと今か今かと見るのを楽しみにしていました。

実際行ってみての率直な感想は、「・・・うーん・・・」ですかね。見る人によって感じることは違うでしょうが、なんかイマイチだったかなという感じ。ネタバレ無し記事のつもりでしたが、読み返してみると若干ネタバレありなので、これから行く予定で「知りたくない!」という方はバックボタンをどうぞ。気にしないという方は、お付き合いよろしくお願いします!
映画『8番出口』を見に行きました
映画『8番出口』は、日本発インディーゲームとして大人気を誇る『8番出口』を映画化した作品です。
第78回カンヌ国際映画祭で行われたミッドナイト・スクリーニングで上映されたほか、ポスターデザインのコンペティション「Prix Luciole」において本作のポスターが最優秀賞を受賞するなど、世界中で大きな話題を呼んでいます(参考:Wikipedia)。監督は川村元気さん、主演は二宮和也さんで、その他出演者として河内大和さん、小松菜奈さんなど。
公式のあらすじがこちら。
地下鉄の改札を出て白い地下通路を歩いていく。天井には【出口8】の看板。しかしいつまでも出口に辿り着くことができない。何度もすれ違う同じ男に違和感を感じ、やがて自分が同じ通路を繰り返し歩いていることに気付く。そして壁に掲示されている、謎めいた【ご案内】を見つける。通路のどこかに【異変】があれば引き返し、なければそのまま前に進む。【1番出口】【2番出口】【3番出口】…正しければ【8番出口】に近づき、見落とすと【0番出口】に戻る。次々と現れる不可解な異変を見つけ、絶望的にループする無限回廊から抜け出すことができるのか?
二宮さん演じる「迷う男」が、謎の地下空間に迷い込み、出口をひたすらさがすというストーリー。映画は95分ありますが、本当にそれだけの物語です。原作であるゲームにそもそもストーリーなんてものがないので、仕方ないことだとは思いますが。
公式の登場人物名がなかなかユニークで、「迷う男」「歩く男」「ある女」「少年」とか、固有名詞がないんですよね。このギミックに変な違和感を感じて、「どんな話?ちょっと見に行ってみよう」という呼び込みになっているのかなと感じました。
私は原作のゲームをかなり前にプレイしていたので(※実際にプレイしてくれたのは長男氏だけど)、「あのゲームが一体どんな感じで映画になるの?」というのがすごい気になりました。映画の公開は8月29日で、できれば公開すぐに見に行きたかったのですが、映画館が混んでいる時期は避けたかったため、少し遅れた今のタイミングになったわけです。
ゲームをプレイ済みの子どもたちに加えて、「話題のものにはとりあえず触れておこう」と夫も参戦。家族4人で映画とか、とても久しぶりで新鮮でした。戦隊ヒーロー映画ぶりじゃなかろうか。とはいえ、家族で映画を見るとなると1回で6000円が飛んでいくわけで・・・げっふんげっふん。なかなか普通に手痛い出費です。映画もぜいたく品だよなと改めて感じました。
そもそも『8番出口』とは
映画の原作となったインディーゲーム『8番出口』は、地下空間に閉じ込められた主人公が「0番」から始まり「1番」「2番」・・・と「8番」出口を見つける謎解き脱出ゲームです。
Steamのリリース日は2023年11月29日で、リリース間もなくして多くのゲーム系Youtuberがプレイして大きな話題になりました。いやマジで、ゲーム系Youtuberは全員プレイしたんじゃない?というくらい、あの人もこの人もみ~んな『8番出口』!ってくらいホットでした。これを日本のクリエイターが、しかも一人で作ったとか、ジャパニーズクオリティやべえなと驚愕した思い出。
この手の間違い探しゲームの中で、「異変」というワードが一般的に使われるようになったのも『8番出口』が最初だと思います。本作の大ヒットを受けて、Steamではいわゆる『8番出口ライク』とカテゴライズされるゲームが続々と登場。「異変」探しは空前のブームになりました。
ちなみに私は、大好きな「ぴくとはうす」のぴくとさんの動画が初見でした。歩くおじさんのことをぴくとさんがずっと「おっちゃん」と呼ぶから、我が家でも「おっちゃん」呼びが定着しました。スマイリングおっちゃん、ホーミングおっちゃん、巨大化おっちゃんなど、おっちゃんのバリエーションが豊かすぎる。
ゲーム系Youtuberさんの実況、面白いからよく見るんだけど、実際にプレイしてみたいって思うことは少ないのです。でも『8番出口』に関しては、「私も異変探してみたい!」となんか心をくすぐられた感じ。システムはすごくシンプルだけど、やってみると案外難しい、そんなうまいところを付いたアイデア作だと思います。
とはいえYoutube実況を見る限り微妙にホラー要素があるようで、ビビりの私にはクリアできる自信がゼロだったため、例によって長男氏(当時中2)にプレイをお願いし、私は横から見せてもらいつつワーキャーとガヤに徹することにしました。いやね、一応自分でも頑張ってちょっとはプレイしたんだよ?でもなんか、壁の人にいきなり追いかけられたのが怖すぎてさ・・・「無理ぃぃぃぃ!」ってなったのです。追いかけられると背筋がゾワァァってするよね。
そんなゲーム『8番出口』の感想記事がこちら。なおこちらはネタバレなので注意してください。
なおゲーム『8番出口』には続編『8番のりば』もあります。こちらは『8番出口』とはちょっとシステムが異なるため、最初「ん?」となりますが、『8番出口』をプレイした人はとても楽しめる作品です。こちらもぜひ要チェック!おっちゃんも出るよ!
また『8番出口ライク』なゲームとして、チラズアート作品『新幹線0号』もあります。こちらの私のnote、なぜか検索上位に来る代表記事になっておりますので、よろしければ合わせてご覧ください(宣伝)。
映画『8番出口』を見た感想(ややネタバレあり)
ゲーム『8番出口』をプレイして面白かった私が、映画版を見に行ってみての感想をまとめてみます。なるべくネタバレ無しでお届けしていますが、多少ストーリーにも触れてしまうので、まだ見ていない方で「知りたくない!」っていう方はバックボタンをどうぞ。
8番出口なんだからスクリーン8であってほしかった pic.twitter.com/Bm5KR86MiW
— Ogaz/水無瀬あずさ@エンジニア兼Webライター (@azasazazasazaz) September 22, 2025
思ったより短い
映画『8番出口』の上映時間は95分ということで、思ったよりアッサリ終わってしまった印象です。そもそも映画って普通何分ぐらいなのかな?と調べてみたら、平均「120分」ぐらいなんだとか。「140分あたりから長いと感じる人が増える」という調査結果がありました。
そもそも原作であるゲームのあらすじが「あなたは無限に続く地下通路に閉じ込められている。周囲をよく観察し、「8番出口」まで辿り着こう。」(Steamより引用)となっていて、ストーリーもクソもないんです。「なんで閉じ込められているの?」「どういう背景があったの?」とか、全然お構いなしですもん。ってかそれを考えたらゲームを楽しめない。知らなくていいんですよ。
そんな作品を映画にするんだから、そこまで長々としたものにするのはナンセンスってものですよね。95分という時間は、原作のことを考えたら妥当なのかなと感じました。
たまにそこそこホラー要素あり
原作ゲームはそこそこホラー要素があって、たとえば
赤い水が流れてきて触れるとアウト
壁に張り付いている人に追いかけられて掴まるとアウト
謎の双子がゆっくり追いかけてきて掴まるとアウト
突然真っ暗になる
扉が開いて誰かが見ている
などがあります。長男氏に言わせると「こんなもんホラーじゃない」とのことですが、ビビりキングの私にしてみればまずまずのホラーなのです。怖いのです!!

で、原作にそういうホラー要素があるだけあって、映画にもたまにですが、ちょっとしたホラー要素が出てきます。大スクリーンなので超ビビります。わたしはもう飛び上がりそうになって、隣にいた次男くん(同じくビビり)と顔を見合わせましたよ。
一点だけ注意が必要なのが、終盤の方に登場する異変に、津波を想起させるような描写があった点でしょうか。私は映画を見る前にXでそのことを知っていたので別に問題ありませんでしたが、3.11をリアルで経験した人に配慮が必要ということで、公開後に公式からアナウンスが出される異例の事態になっていました。
映画『8番出口』ご鑑賞の皆様へ
— 映画『8番出口』【公式】 (@exit8_movie) September 1, 2025
本映画は、無限に続く地下通路を舞台としていますが、
その中で津波など自然災害を想起させるシーンがございます。
ご鑑賞にあたりましては、
予めご注意いただきますようお願い申しあげます。
映画『8番出口』製作委員会
制作側の配慮が足らなかったという点はあったとして、エンターテインメント作品にはエンターテインメント作品としての楽しみ方っていうのもあって、このへん何とも難しい問題だなあと思いました。
津波関連でニュース記事をいろいろ調べてみると、二宮君が嘔吐するシーンとか、奇形生物が出てくるシーンとかについても「注意しろ」みたいに書かれていて、そこまで気にするならもう見るのやめとけよと思いました。
確かに嘔吐のシーンはちょっとビックリしたし、奇形生物のシーンは純粋に怖かったけど(ビビりだから)、映画を映画として楽しめないの良くない。
ゲームの追体験は少しだけ
そもそものストーリーは「異変を探しながら8番出口を目指す」というものであって、メインは間違い探しです。でも映画では、ストーリー描写(後述)に重きが置かれていて、肝心の間違い探しの部分が割とごっそり抜けている印象を受けました。
ゲーム実況で『8番出口』を見ていたときって、プレイしている人(主人公)と一緒に「異変を探す」のが楽しいと思うんですよ。「私には見つけられた!」みたいな満足感っていうか。それがこのゲームの醍醐味であり、面白さだと思うんです。だから映画でも同じように、ゲームの追体験ができることを期待していました。
でも残念ながら、異変があった?なかった?みたいな描写があったのは、地下迷宮(?)に迷い込んだごく最初だけ。ゲームでも実際に見た異変が何個かありましたが、せっかくの『8番出口』なのに、一番大事なところがお菓子のおまけぐらいの扱いだったのにはガッカリでした。

ただ、今回私は原作ファンとして映画を見てしまったけど、純粋に映画単体としての完成度は高いのかもな、とも感じました。含みを持たせた描写とか、どのようにも解釈できる展開とかが散りばめられていて、「結局あれはどういう意味だったのか!?」と考察し甲斐がありますよね。
少し前、noteで「『8番出口』のゲームはやったことなかったけど、映画を見てゲームをやりたくなった」という感想を見て、なるほどそういう流れもあるのねと思いました。私のように「ゲーム→映画」よりも、「映画→ゲーム」のほうが内容をスムーズに受け入れられるのかもしれません。
ストーリー要素は若干の蛇足感
で、肝心のストーリーです。原作はストーリーもくそもないわけですが、映画なのでストーリーやエッセンスを付けなければいけなかったという事情は分かるとして、なんかこう。蛇足感が否めなかったというのが、正直な感想でしょうか。
二宮くん演じる主人公が、現実の困難から目を背けたくて、でも地下迷宮を経験して人生の在り方を探っていく的なストーリーなのは、まあ理解できるんですが。その主人公にもいろいろな背景があって、派遣社員で、喘息もちで、彼女がいて別れ話が出ていて・・・とか、別にいいんだけどそれ別に『8番出口』がモチーフである必要性はあんまりなかったような気がしました。あと歩いているおっちゃんについてもサイドストーリーみたいのが描かれていたんですが、それも「うーん・・・」ってなりました。
「じゃあ何だったら良かったんだ」って言われたら分からないんですけど、そもそも原作にストーリーがないのだから、内容に厚みを持たせようとしてもやっぱりどうしても無理が出てしまう気が。結論として、やっぱ映画には不向きだったんじゃないのと思います。

夫が感想で「ストーリーが抽象的過ぎるよね」と話していて、個人的にもこれが一番しっくりくる表現でした。まあ95分で、ゲーム要素+物語の深掘りをする時間はないわなあ。だから全体の感想として、「・・・うーん・・・」という形になりましたとさ。
個人的評価としてはイマイチ
ここまでの感想を見ていればお分かりかと思いますが、映画『8番出口』、個人的には期待値が高かった分イマイチだった映画でした。見る前にはあんなにワクワクしたけど、終わってからなんかスンッとして帰った感じ。映画としての完成度は高いかもしれんけど、私のような原作ファン的にはモヤる結果になるかもしれないですね。
まあ正直なところ、映画『8番出口』については、人気のインディーゲームが原作で、かつ「あれをどう映画にするの!?」っていう話題性と、ひたすら同じ動きで歩く「おじさん」がゲームそっくりでウケるwwwっていうのがすべてだったのかなと思います。確かに似ていたよね、おっちゃん。
🇫🇷フランスですごいことになってる🤣#映画8番出口 https://t.co/ClSlMIcxeb
— 河内大和 Yamato Kochi (@k_h3021) September 6, 2025
とはいえ、久しぶりに映画館のド迫力で見れたのは臨場感があってよかったです。だんだん近づいてくる足音とか、異変が出るシーンの不協和音とか、画面一面にいきなり登場するおじさんの顔とか、DVDで見たら感じられない演出が盛りだくさんでした。あと「女子高生風の女の子」のバグった演技も怖くて大変に良かった。
結果的にイマイチではあったけど、ちゃんと映画館に行って体験できて良かったと思いました。
結び
話題の映画『8番出口』を見に行った感想をお届けしました。既に見た方は「そんなことないだろう、素晴らしい作品だったじゃないか!」と思ったかもしれませんが、あくまで私の感想ということでご容赦ください。
今回の映画が好評だと、もしかすると続編『8番のりば』も映画化したりするんでしょうかね。っていうかこの先、もっとさまざまなインディーゲームが映画化の可能性もあって楽しみです。インディーホラーゲーム界隈では有名なチラズアートの作品『夜勤事件』は映画化が決まっているし、今後の動向を胸アツで見守りたいと思います。
なお個人的には『GO HOME』か『シャドーコリドー』を映画化してほしいです!
ところで現在、大好きなインディーゲーム最新作『Garten of Banban8』を(長男氏が)プレイ中。連日、勝手に大盛り上がりでございます。クオリティが上がっとる!!こちらもクリアしたら記事化する予定なので、お楽しみに・・・!
ということで、今回はこのへんで。9月の締め作業を無事乗り切れたら、またお会いしましょう!!
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