たびびとはたびたび【手のひらの物語・掌編・詩】
たびびとは
たびたび
たびをする
それが
たびびとと
いうものだから
たびびとは
ひとつたびを終えるたび
すぐまた
たびに出たくなる
だって
たびびとなのだから
たびびとにとって
たびは日常
たびびとにとって
たびは
生きることそのもの
たびびとは
たびたびそう思う
でも
ときとして
たびびともくたびれる
つらくなることも
たびたびあって
もうたびすることを
やめてしまおうかと
いくたびか
思い悩んだこともある
けれどまた
たびびとは
ふたたびたびに出る
たびびとは
たびびととして
生きていたいから
たびびとはたびを続ける
たびびとが
たびびとらしくあるために
息の途切れるその日まで
ながいたび路が途絶える
その日まで
粛々と
ただ粛々と
たびをつづける
