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【番外編】菊水の紋を辿って

御朱印がブームになって長くなる。
ブームの前から、寺社を訪れた時に授かってきた立場からすると、御朱印集めの良さを知ってもらって嬉しい反面、スタンプラリーではない、という気持ちもどうしても出てしまう。
最近では、お城や鉄道や飛行機でも、「御◯印」を出していて、ここまでくるとなんでもありだなあ、と思ってしまう。

先日、勤め先の近くにある湊川神社にゲストを案内することがあった。

灯篭の中に、楠木氏の紋である菊水が見える

この神社の祭神は、南北朝時代の楠木正成。いわゆる大楠公である。

戦前は、楠木正成は忠君として英雄視され、修身の授業などでその生涯が語られることも多かったが、現代ではあまり知られていないだろう。

ゲストは海外の方で、日本通ではあるが、歴史上の偉人が神として祀られていることに違和感を示していた。こういう例は他にもあると、道真や信長の話などをしたが、たしかにちょっと不思議かもしれない。
そして社務所では、ゲストを待たせて、御朱印をいただいた。「それは何だ?」と言われて、英語で説明するのには少し難儀した。

湊川神社には、楠木正行も配祀されている。正成の息子であり、父の思いを受けて、南朝のために戦った。正成が大楠公と呼ばれるのに対し、小楠公と呼ばれている。最期の地は大阪の四條畷。その地には正行を祀る四條畷神社がある。

菊水の紋が狛犬の台座に

実はこの神社とはご縁があって、両親はこちらで結婚式を挙げている。高齢の父が手術を受けることが決まった時に、母が「四條畷神社に平癒をお願いしたい」と言い出したのは、ここが二人の出発点だからだろう。
母を伴い、久しぶりに伺ったが、綺麗に整備され、手水には陶器の鞠のようなものが浮いていた。

社務所に伺い、病気平癒のお守りを授かり、御朱印もいただいた。御朱印帳に湊川神社と四條畷神社の菊水の紋が入った御朱印が並ぶことになった。偶然そんな流れになったのだが、これも何かのご縁だろうか。

父の手術が決まってから、元気がなかった母も、社務所の方に「私、ここで結婚式したんです」と話を聞いてもらい、昔を思い出したのか、笑顔だった。無事に手術が終わったら、またお礼参りに来よう、と約束して神社を後にした。

大阪平野を見下ろす場所にある