放置竹林をビジネスに変える方法|竹産業再生のヒント
「竹林整備は大切ですね。」
これまで、本当にたくさんの方からそう言っていただきました。
でも同時に、こんな声も何度も聞いてきました。
「結局、お金にならないんですよね」
「補助金がないと続かない」
「竹を切っても赤字になる」
これは、全国の竹林問題に共通する大きな壁だと思います。
どれだけ想いがあっても、どれだけ環境に良くても、“続けられる仕組み”がなければ広がりません。
だからこそ私は最近、強く感じています。
竹を「守るべきもの」としてだけではなく、“稼げる資源”として再編集する必要がある、と。
今回は、岸和田市で竹に関わり続けてきた中で感じた、「竹を価値に変えるために必要なこと」について書いてみたいと思います。
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「竹はある」のに、「産業にならない」という現実
日本には、竹が大量にあります。
特に西日本では、放置竹林が地域課題になっている場所も少なくありません。
一方で、竹製品を作る国内産業は衰退し、多くの竹製品は海外産になっています。
つまり、
・竹は余っている
・でも使われていない
・なのに国内産業は弱い
という、少し不思議な状態になっています。
実際、竹林整備にはかなりの手間がかかります。
竹は成長が早く、管理を止めるとすぐに広がります。
伐採も危険で、運搬コストも高い。
さらに、竹は木材と比べて規格化が難しく、加工や流通の仕組みも十分ではありません。
だから、「竹を切れば儲かる」という単純な話にはなりにくいのです。
これは、竹そのものが悪いわけではありません。
むしろ、“価値の作り方”がまだ十分に整っていないのだと思います。
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「素材」だけでは、価格競争に巻き込まれる
これは竹に限った話ではありませんが、単純な素材販売だけでは、どうしても価格競争になりやすいです。
安いものが選ばれ、
大量生産できるものが強い。
その中で、日本の地域資源が勝負するのは簡単ではありません。
だからこそ必要なのが、「意味」を作ることです。
たとえば、岸和田市のパンダバンブープロジェクトでは、単に“竹製品”を作っているわけではありません。
「20年間、パンダが食べてきた竹」
「食べ残しを地域資源として再生」
「竹林整備による里山再生」
「フクロウが戻る森づくり」
「地域の人と学生と企業が関わる物語」
こうした背景そのものが、価値になっています。
人は、単にモノを買っているわけではありません。
その背景にあるストーリーや共感に、お金を払っている時代なのだと思います。
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“応援したくなる”が、これからの地域資源になる
最近、特に感じるのは、「応援消費」が大きな力を持っているということです。
たとえば、
・地域の想いに共感した
・環境に良い取り組みを応援したい
・子どもたちの未来につながってほしい
・日本文化を残したい
そんな感情が、人を動かしています。
実際、「きらめく丘」のクラウドファンディングでは、1000人以上から1900万円以上の支援が集まりました。
あれは単なる“竹アート制作費”ではなかったと思っています。
「この挑戦を応援したい」
そんな気持ちが集まった結果でした。
つまり、これからの地域資源は、
「何を売るか」だけではなく、
「なぜやるのか」が非常に重要になる。
私はそう感じています。
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行政だけでも、民間だけでも難しい
もうひとつ大切だと思うのが、“役割分担”です。
竹の課題は、かなり複雑です。
・森林整備
・景観
・防災
・生態系
・観光
・教育
・商品開発
・流通
・ブランディング
さまざまな要素が絡み合っています。
だから、行政だけで解決するのは難しい。
でも逆に、民間企業だけでも難しい。
短期収益だけでは成立しにくい部分もあるからです。
だからこそ必要なのが、「共創」だと思っています。
地域住民、企業、大学、クリエイター、行政。
それぞれが強みを持ち寄ることで、初めて新しい価値が生まれる。
実際、岸和田市でも、竹アートや茶室、NFT、商品開発など、多くの挑戦が“つながり”から生まれてきました。
ひとつの組織だけでは、きっとここまで来られなかったと思います。
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「売る」より先に、「惹きつける」が必要
そして今の時代、特に重要なのが“発信”です。
どれだけ良い取り組みでも、知られなければ存在しないのと同じです。
私は、Pinterestやnoteを使い始めてから、それを強く感じています。
海外では、日本の竹林や和文化に強い興味を持つ人がたくさんいます。
でも、日本側がその魅力を言語化できていないケースも多い。
だからこそ、
・写真
・物語
・デザイン
・世界観
・英語発信
こうした部分が、これからますます重要になると思っています。
「竹を売る」のではなく、
「竹のある世界観に惹きつける」。
そこから商品や体験につながっていく。
これは、地域資源の新しい可能性かもしれません。
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竹は、“未来をつくる素材”かもしれない
私は、竹だけで大きな産業が生まれるとは簡単には思っていません。
でも、竹には確実に“未来につながる要素”があると思っています。
・サステナブル
・地域循環
・日本文化
・クラフト
・自然再生
・アート
・教育
・観光
・Web3/NFT
・コミュニティ
これらを横断できる素材は、実はかなり珍しい。
だから竹は、単なる植物ではなく、“地域の未来を編集する素材”なのかもしれません。
そして、その未来をつくるためには、
「環境に良いからやる」
だけではなく、
「続けられる仕組みを作る」
ことが、これからますます重要になる。
私はそう感じています。
まだ道半ばですが、岸和田市の竹の挑戦も、そのひとつの実験として、これからも続けていきたいと思います。
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English Summary
How can bamboo become a profitable local resource instead of just an environmental problem?
In Japan, bamboo forests continue to spread, while the domestic bamboo industry has declined. Simply harvesting bamboo does not automatically create economic value.
Through the Panda Bamboo Project in Kishiwada City, we have learned that bamboo gains value when combined with storytelling, sustainability, culture, community, art, and emotional connection.
People today do not only buy products — they support meaningful stories and visions for the future.
To make bamboo sustainable as an industry, collaboration between governments, companies, creators, universities, and local communities is essential.
Bamboo may not just be a material. It could become a platform for rebuilding local culture, ecosystems, and new regional economies.
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