PC-X88AD オーレックスカセットデッキ修理しました。
先日、クインシー・ジョーンズがお亡くなりになりました。
彼が有名になったきっかけの「愛のコリーダ」を聞こうと
カセットテープを探します。
カバー曲とはいえオリジナルよりも良くかかりこちらが原曲では?
と思うほどラジオや有線で流れていました。
当時よく聴き気に入っていた曲なのでお気に入りのカセットデッキで
聴こうとオーレックスのPC-X88ADにテープを入れました。
あれ?
ヘッドホンの右チャンネルしか音が出ていません。
又か?、、、、、、、、
かなり長く保管状態でしたのでヘッドホンジャックの端子接点腐食でもしたかな?
と思いプラグを連続で抜き差ししてみましたが変化有りません。
又修理の始まりです。
PC-X88ADはオーレックス自慢のノイズリダクション
ADRES(アドレス)を搭載しています。
ノイズリダクションとしてDOLBY(ドルビー)は有名ですが、使用にあたってライセンス料が発生しています。
DOLBY搭載の全てのカセットデッキにこのライセンスの説明が本体背面や
マニュアルに記載されています。
そんな中東芝が独自に開発したノイズリダクションがアドレスです。
ADRES
Automatic Dynamic Range Expansion System の頭文字の略です。
DOLBYより効果があると感じています。
簡単に動作確認してみます。
・左チャンネルのメーターが動きません。
・左チャンネル音が出ない。
だけの様です。
基板裏をチェックすると幾つかの半田クラックを発見。
修正して確認するも変化なしです。

まずは図面確認。
PC-X88ADの再生回路は
ヘッド → 再生アンプ(IC) → DOLBY(IC) → SW → メーター → VR → リレー → ヘッドホンアンプ(IC) → ヘッドホンジャック
の構成です。
今回の症状から想定される故障を大まかに確率順に並び変えると
高 →→→ 少
再生/ヘッドホン各アンプ → VR → DOLBY(IC) → SW
→ リレー → ヘッド
メーターは分岐しているだけなので含みません。
どこで途切れているか確認します。
カセットデッキにおいて音が出ない現象を調査するのはさほど難しくは
有りません。
幾つか方法はありますが今回はこのやり方で挑みます。
音声信号が流れる順に音を拾い途切れている個所を探します。
ヘッドホンプラグの先端(左チャンネル)と根元のアースにICクリップと
ワニ口クリップを繋ぎます。
アースは本体のアースに繋ぎます。

再生アンプのオペアンプ出力の1番7番ピンにICクリップを当てると音が
聞こえます。
続いてヘッドホンアンプのオペアンプの同ピンにクリップを当てます。
7番左チャンネルピンからは何も聞こえません。
メーターが振れていないのでメーター以降は信号が流れていません。
症状と合っています。

ヘッドとICは正常です。
続いて各DOLBYICの出力9番ピンにクリップを当ててみます。
両チャンネルとも音が聞こえます。
DOLBYICの出力までは音声信号は両チャンネルとも来ていることが
分かります。
このことから
DOLBYIC ~ メーター回路の間に不具合があることが分かります。
ここにはノイズリダクション用とモニター切り替えの各SWだけです。
どちらかに原因があります。
更に調べるとモニターSWで途切れていることが分かりました。
外して分解洗浄です。

3ヘッド機特有のスイッチですが接点が増えることで故障の要因が増えます。
このスイッチが無い2ヘッド機はそういう意味で有利です。
接点が無ければ汚れが付きませんので音質劣化になりません。
信号が切り替わる接点のコマがやや変形していました。
これは長期間保管しておいたことが原因ではありません。
暫く使っていなかったので今回通電前に各スイッチの接点を活性化させようとスイッチレバーをガチャガチャと切り替えました。
その時にコマがズレたのだと思います。
故障ではなく壊してしまった?
という結果でした。
一通り組み上げて試運転です。
両チャンネルともメーターが振れて音が出ます。
完了です。
大きな故障でなくて良かったです。
暫く使わなかった場合、接点は乾いているので滑りが悪いです。
接点の活性化はゆっくりと優しくレバーを動かすべきでした。
オーレックス、アドレス搭載デッキPC-X88ADはお気に入りのカセットデッキです。
好みの音質です。
長短ありますが詳細は別の機会に紹介したいと思います。
