現実感消失症の周知に努めてみる
先日、幹線道路を横断しようと信号が変わるの待っていたら久しぶりに「現実感消失症」の症状に襲われたので、それについて書いてみる。並び称され、併発することもあるらしい「離人感・離人症」に比べると知名度が低いようだし、紹介してみようと思う。
現実感消失症は知らなくても離人感、もしくは離人症という言葉は聞いたことがあるのではないだろうか。これは自分の意識が身体から離脱し、自身を外部から傍観しているような非現実的な感覚のことを指す。TV番組などで有名人の体験談とかに出て来る病気や怪我で死にかけている時に幽体離脱して自分の姿を天井付近から見ていた、っていうのと似ているのかも知れない。
実際、僕も離人症は聞いたことはあったけれど、自分の症状に「現実感消失症」なる名前がついているのは初めて知った。今回、他の事を調べていて偶然この病名を見つけた。
現実感消失症は意識が外部に出て行くことはなく、外部環境の認識に異常を生じる。あくまで僕の場合だが、周囲の物がスーッと離れて行き、景色は平板な書き割りのように見えてくる。音も本来より遠くに感じられる。自分が外界から隔絶される感じ。そして自分以外の時間が現実よりゆっくり過ぎるように感じられる。
これだけだと単に脳への血流が滞って意識が遠くなっているだけなのではと思われるかも知れないが、思考能力に影響は無い。その証拠に、この症状は現実では無いと判断できているし、経験上しばらくすればゆっくりではあるものの回復するのも分かっている。平衡感覚が失われ、倒れてしまうことも無い。
正確には診断基準(DSM-5-TR)であるところの、
この症状によって有意な苦痛が生じているか、社会的または職業的機能が有意に損なわれている
は満たしていないので臨床的には現実感消失症とは見做されないのかも知れないが、知識として持っているのは悪いことでは無いと思うのでこの度紹介した。
離人感・現実感消失症の患者は、しばしば以下のような重度のストレスを経験しているそうで、僕の場合は5以外は当てはまりそうである。
離人感・現実感消失症の患者は,しばしば以下のような重度のストレスを経験している:
1.小児期に心理的虐待またはネグレクトを受けている(特に頻度の高い原因)
2.身体的虐待を受けている
3.ドメスティックバイオレンスを目撃している
4.親が重度の身体または精神疾患患者である
5.家族や親しい友人が不意に亡くなる経験
いま思い返すと中学生くらいまでは結構頻繁に症状が現れることがあったが、成長と共に頻度は下がっていった。
一過性の離人感または現実感消失は,一般集団の約50%が生涯に少なくとも1回経験する。しかしながら,離人感・現実感消失症の診断基準を満たす人の割合は約2%に過ぎない。
(中略)
離人感・現実感消失症は男女に同等の頻度で発生する。発症年齢の平均は16歳である。本疾患は小児期の早期または中期に発症することもあり,25歳以降で発症する症例は5%のみで,40歳以降の発症はまれである。
とのことなので、子供の頃に症状が無かったのなら安心して良いと思います。
