【有力馬紹介・予想】2025チェルトナムゴールドカップ(現地3/14 16:00発走)
ご無沙汰しています。🇬🇧滞在中のPENSKEです。今回は標題のとおり、今月14日(現地時間)に開催される、チェルトナムゴールドカップ(以下チェルトナムGC)について、有力馬を紹介したいと思います。
海外障害競走
さて、日本の競馬ファンの海外競馬に関する基礎知識は、多くの場合ウイニングポストで培われたものだと思います。かくいう私もその一人です。ウイニングポストは素晴らしいシリーズですが、あのゲームの欠点の1つが障害競走を実装していないことだと考えています。ジーワンジョッキーには実装されていたので、のっぴきならない事情がある、という訳ではないと思うのですが。。。
そんなジーワンジョッキーにおいてさえ、海外の障害競走は実装されていませんでした。したがって、海外障害競走に関する情報は、一般的にあまりアクセシブルではないように思います。
このポストでは、🇬🇧障害競馬に関する基本的な事項をおさえた上で、本題のチェルトナムGCについて、有力馬を紹介したいと思います。海外競馬を視聴するコミュニティは旧Twitter上にいくつかあるようですので、そんな方がチェルトナムGCを観戦する際の参考になれば幸いです。
グランドナショナル
海外の障害競走の中で、最も知名度の高いレースは、🇬🇧グランドナショナルだと思います。しかし、グランドナショナルはハンデ戦であり、英国ではハンデキャップ競走がGIやGIIに格付けされることはないため、格付けとしてはGIII相当(プレミアハンデキャップ)になります。
もちろん、格付けの高低にかかわらず、グランドナショナルは英国で最も馬券売上額の多い競走の一つであり、日本の中山大障害や中山GJのモデルになったレースでもあります。また、障害競走のローテーションの中でも重要視されています。
英国は基本的に、夏(5〜10月)に平地競走、冬(11〜4月)に障害競走を実施しています。その理由がBHA等によって示されたものは見つかりませんでしたが、ウマは基本的に暑さに弱い生き物であること、また夏の芝は硬く脚への負担が大きいことなどから、夏に障害競走のような過酷なレースを実施するのは忍びないということかと推察されます。通常は春(皐月賞の前日)に行われる中山GJが、東日本大震災の影響で7月に延期された2011年において、2頭が不幸にも亡くなったことはまだ記憶に新しいかと思います。
グランドナショナルはそんな欧州障害シーズンのフィナーレを飾るレースとして、4月に実施され、そのシーズンを沸かせたジャンパーが出走します。(もっとも、ハンデ戦であることをきらってか、意図的に回避する陣営もいるようです。)
オールザワールド号の遠征計画
最近オールザワールド号がチェルトナム・フェスティバルへの遠征を計画したことが少し話題になっていました。
残念ながら、同馬は骨膜炎を発症し、フジノオー号以来史上2頭目の日本調教馬による海外挑戦は実現しませんでしたが、グランドナショナルと双璧をなす英愛障害競走の祭典が、この3月のチェルトナム開催です。
オールザワールド号が参戦を計画していたのは、ハードル競走の最高峰チャンピオンハードルでしたが、チェルトナム・フェスティバルの一番の目玉はステープルチェイス競走のチェルトナムGCです。
英国障害競走を難解たらしめている要因の一つが、障害競走の中に更に種類があり、しかもその区別があまり明確でない点にあると思われます。ざっくり言えば、ハードル競走は取り外し可能なハードルを飛越する形式で、ステープルチェイス競走は固定障害を飛越する形式です。基本的に後者の方が障害の高さが高く、施行距離も長いため、レースが過酷なものになりがちです。
日本の障害競走はすべてステープルチェイス競走に該当するとされていますが、障害の高さで言えばハードル競走に近く、オールザワールド号陣営もそのような類似性から参戦先としてチャンピオンハードルを選んだようです。
チェルトナムゴールドカップの有力馬紹介
閑話休題、チェルトナムGCはステープルチェイスの定量戦の最高峰で、ハンデ戦のグランドナショナルとは異なる地位を確立しています。後者がメルボルンCなら、前者はコックスプレートのような立ち位置でしょうか。
🇬🇧障害競走といえば、もっぱらグランドナショナルばかりがフォーカスされますが、チェルトナムGCもまた、現地では最強馬決定戦として目されています。
そんなチェルトナムGC開催当日にチェルトナム競馬場を訪れる予定ですので、下調べで得られた情報をシェアしようと思います。
🇮🇪Galopin Des Champs
父: Timos (Sadler's Wells系)
母父: Marchand de Sable (Nureyev系)
まずは大本命、ガロパンデシャン号。現在チェルトナムGC2連覇中のチャンピオンホースで、昨年は🇮🇪シティオブトロイ号(欧州年度代表馬)を抑えて🇮🇪年度代表馬に選出されました。なお本馬はフランス生産のため、現地では仏国馬として扱われることもありますが、本稿では便宜上、JRAにならい、現在の調教国を基準に愛国馬として扱います。
22/23シーズン以降、8-2-2-0と安定して好成績で、この期間中に優勝を逃した4走はいずれもパンチズタウン競馬場開催のものです(1-2-2-0)。昨季と全く同じ臨戦過程(ジョンダーカン記念3着→サヴルズチェイス1着→アイリッシュGC1着)で、盤石の本命だと思われます。現地のNRMBオッズ(=出走しなかった場合返金)は6日時点で1.5倍の1番人気です(Coral: エクリプスSのスポンサー、以下同じ。Cheltenham Races Betting & Odds 2025 | Horse Racing Betting UK)。
(参考)22/23以降戦績
22ジョンダーカン記念(GI) パンチズタウン4000m 1着
23アイリッシュGC(GI) レパーズダウン4800m 1着
23チェルトナムGC(GI) チェルトナム5200m 1着
23パンチズタウンGC(GI) パンチズタウン4800m 2着
23ジョンダーカン記念(GI) パンチズタウン4000m 3着
23サヴルズチェイス(GI) レパーズダウン4800m 1着
24アイリッシュGC(GI) レパーズダウン4800m 1着
24チェルトナムGC(GI) チェルトナム5200m 1着
24パンチズタウンGC(GI) パンチズタウン5000m 2着
24ジョンダーカン記念(GI) パンチズタウン4000m 3着
24サヴルズチェイス(GI) レパーズダウン4800m 1着
25アイリッシュGC(GI) レパーズダウン4800m 1着
Form and Entries for Horse Galopin Des Champs (FR) | irishracing.com
🇮🇪Fact To File
父: Poliglote (Sadler's Wells系)
母父: Trempolino (Native Dancer系)
ガロパンデシャン号と同厩。今季から一線級のレースに出走しはじめ、劈頭のジョンダーカン記念では、僚馬を破り優勝しています。近2走はガロパンデシャン号に力の違いを見せつけられていますが、2度目の大物喰いもあるかもしれません。現地オッズは6倍の3番人気。ただし、前日のライアンエアーチェイス(GI)への出走も取り沙汰されています。
(参考)23/24以降戦績
23ビギナーズチェイス ナヴァン4000m 2着
23バリマルーチェイス レパーズダウン4200m 1着
24ノーヴィスチェイス(GI) レパーズダウン4200m 1着
24ノーヴィスチェイス(GI) チェルトナム4800m 1着
24ジョンダーカン記念(GI) パンチズタウン4000m 1着
24サヴルズチェイス(GI) レパーズダウン4800m 2着
25アイリッシュGC(GI) レパーズダウン4800m 3着
Form and Entries for Horse Fact To File (FR) | irishracing.com
🇮🇪Banbridge
父: Doyen (Sadler's Wells系)
母父: Presenting (Blandford系)
上掲の有力馬2頭と比べると、臨戦過程に安定感を欠くものの、昨年末に制したKGVIチェイスは格式高いレースです。KGVIチェイスでは、ジョンダーカン記念でガロパンデシャン号に先着(2着)したSpillane's Tower(5着)を含む有力馬を撃破。かつてはチェルトナムGC3連覇のベストメイト号なども制した伝統あるレースであり、ガロパンデシャン号を倒すならこの馬、と期待が高まっています。ファクトトゥファイル号同様、同じチェルトナム・フェスティバルの別レースへの参戦も想定されています。現地オッズは5.5倍の2番人気。
(参考)23/24以降戦績
24スヴィニアココンティチェイス(GII) ケンプトン4000m 1着
24ライアンエアーチェイス(GI) チェルトナム4200m 9着
24チャンピオンチェイス(GI) パンチズタウン3200m 1着
24フォートリアチェイス(GII) ナヴァン3200m 4着
24ヒリーウェイチェイス(GII) コーク3400m 落馬
24KGVIチェイス(GI) ケンプトン4800m 1着
Form and Entries for Horse Banbridge (IRE) | irishracing.com
🇮🇪Inothewayurthinkin
父: Walk In The Park (Montjeu系)
母父: Califet (Nureyev系)
2月までは出否不明であったため、一部のブックメーカーでは名前すら見当たりませんが、追加登録料を払ってまでの出走ということもあり、現地オッズは9倍の4番人気と、怖い存在と見られています。特にソフトな(=重い)馬場が得意とされていて、当日の天気次第では一発ある馬、との位置付けです。前走のアイリッシュGC(GI)では、重馬場でガロパンデシャン号の4着と凡走したように見えますが、これは飛越ミスによるものと評価されているようです。(Inothewayurthinkin set to be parachuted into Gold Cup equation at supplementary stage this weekend | Racing Post)もっとも、直近3走でガロパンデシャン号及びファクトトゥファイル号に3連敗しており、バンブリッジ号ほどの期待感はないかもしれません。
(参考)23/24以降戦績
23ビギナーズチェイス フェアリーハウス3200m 2着
23ビギナーズチェイス パンチズタウン3800m 2着
23ノーヴィスチェイス(GI) リムリック3800m 3着
24レパーズダウンハンデ(PrH) レパーズダウン4200m 9着
24アマチュアジョッキーハンデ チェルトナム5200m 1着
24ノーヴィスチェイス(GI) エイントリー5000m 1着
24ジョンダーカン記念(GI) パンチズタウン4000m 7着
24サヴルズチェイス(GI) レパーズダウン4800m 5着
25アイリッシュGC(GI) レパーズダウン4800m 4着
Form and Entries for Horse Inothewayurthinkin (IRE) | irishracing.com
予想
ここまで長々と書いておきながら、ではありますが、ガロパンデシャン号は盤石だと思われます。こちらでは馬券を買わないことに決めているので、いずれにせよ賭けるつもりはありませんが、活躍期間の長い障害競走の定量戦は、馬券的妙味がないですね。特に面白みもなくガロパンデシャン号が制するのではないでしょうか。
ここまでの自信があるなら1万円を1.5万円にすれば良いのでは、という意見もごもっともですが、障害である以上、不意の落馬等のリスクも勘案した上で、敢えて避ける判断をしています。当日の雰囲気等はあらためてnoteに書こうかなと思っています。
