ハーバード大学で今ナニが起きてるのか?

(以下の記述は1部裏取り出来てない内部告発含みます。その箇所は文頭に*をつけ、段の最後に間接的証拠の有無について記述します)

近年高等教育機関における政治的イデオロギーの偏向に関する議論が活発化しているが、そこに2025年4月トランプ大統領は世界最高の大学と見做されているハーバード大学相手に直球の批判をぶつけてきた。彼は大統領就任以降、ハーバード大学が左派的なイデオロギーに染まっており、「Woke mind virus」を拡散していると繰り返し主張し、これに対処しない限りあらゆる財政支援を停止すると宣言している。これらの主張は同政権が大学における活動を制限するための広範な規則変更を要求する中で行われた。

大統領はハーバード大学を「ジョーク」と呼び、「道を失った」と非難し、教員を「左翼の愚か者」とまで表現した。更にはハーバード大学が「憎悪と愚かさを教えている」と述べ、連邦政府からの資金援助を打ち切るべきだと主張し、2025年4月17日現在では同大学を教育機関ではなく政治団体として税制優遇措置を剥奪する手続きを進めてさえいる。

これらの発言の背景にはトランプ政権がハーバード大学に対し、多様性、公平性、包括性(DEI)プログラムの見直しや、親パレスチナの抗議活動へのより厳しい対応などを求める姿勢変更を要求したことがある 。ハーバード大学がこれらの要求を拒否したことが、トランプ大統領の批判を激化させる要因となったのは疑いようがない。大統領の主張はハーバード大学の教員の人事、特に元学長のクローディン・ゲイ氏の盗用疑惑や議会証言における対応にも向けられた。以下、簡単にトランプ政権のハーバード大学に対する要求事項を列挙し簡単に解説するが、それでも結構長くなるので太字の見出しだけ見て読み飛ばしても結構だ。

ガバナンスと指導体制の改革: 2025年8月までに、権限と責任の明確化、学術使命に専念するテニュア教授と上級指導部の権限強化、学生と非テニュア教員、活動に重点を置く教員と管理職の権限縮小、非効率なガバナンス構造の是正など 。 

能力主義に基づく採用改革: 2025年8月までに、人種、肌の色、宗教、性別、出身国に基づく一切の優遇措置を廃止し、能力主義に基づく採用方針を採用・実施すること。既存および将来の全教員に対する剽窃調査の実施と、剽窃ポリシーの一貫した執行。採用に関する全データの連邦政府への共有と、2028年末までの包括的な監査の義務付け  

能力主義に基づく入学改革: 2025年8月までに、学部、大学院、専門職大学院など全プログラムにおいて、人種、肌の色、出身国、またはそれらに準ずる要素に基づく一切の優遇措置を廃止し、能力主義に基づく入学方針を採用・実施すること。入学に関する全データの連邦政府への共有と監査。合格者と不合格者の人種、肌の色、出身国、GPA、標準テストの成績別の非個別統計情報の公開が2028年末までに求める。各プログラムの入学審査委員長による規則遵守の証明も義務付け  

国際入学審査の改革: 2025年8月までに、テロや反ユダヤ主義を支持する学生を含む、アメリカの価値観や制度に敵対的な学生の入学を防ぐための国際学生の募集、選考、入学審査の改革。違反行為を行った外国人学生の連邦当局への即時報告が義務付けられている。これらの改革は、全プログラムにわたって包括的かつ持続可能であり、連邦政府による監査、非個別ベースでの公開、および改革期間中の入学審査委員長による証明が必要となる 

入学と採用における多様性の確保: 2025年8月までに、連邦政府が認める外部機関による学生、教員、職員、指導部の人事における多様性の監査を実施し、各学部、分野、教育ユニットが個別に多様性を確保すること。この監査は2025年夏までに開始し、学部ごとに実施し、2025年末までに報告書を提出する必要がある。入学と採用におけるイデオロギー的な踏み絵となる基準、優遇措置、慣行の全廃。多様性を欠く学部や分野は、多様性をもたらす新たな教員を採用し、多様性を欠く教育ユニットは多様な視点を持つ学生を一定数入学させること。既存の教員や教育ユニットがこれを達成できない場合、採用または入学許可は、達成可能な関連する学部、分野、教育ユニットに移管される。この監査と是正措置を2028年末まで毎年実施

反ユダヤ主義またはその他の偏見の記録が著しいプログラムの改革: 2025年8月までに、連邦政府が認める外部機関による、反ユダヤ主義的なハラスメントを助長したり、イデオロギー的な偏向を反映したりするプログラムや学部の監査を実施すること。これには、神学部、教育大学院、公衆衛生学部、医学部、宗教と公共生活プログラム、FXB健康と人権センター、中東研究センター、ハーバード・ケネディスクール・カー人権センター、近東言語文化学部、ハーバード・ロー・スクール国際人権クリニックなどが含まれる。報告書には、2023年10月7日以降にユダヤ人またはイスラエル人学生を差別したり、大学規則の違反を煽ったりした教員の情報を含める必要があり、大学と連邦政府は、学問の自由と修正第1条の範囲内で適切な制裁について協力すること。報告書は2025年末までに提出し、改革を実施する必要がある。この監査と改善プロセスを2028年末まで毎年実施する

DEI(多様性、公平性、包容性)の廃止: 全てのDEIプログラム、オフィス、委員会、役職、イニシアチブを直ちに閉鎖し、名称に関わらず、DEIに基づく懲戒または言論統制ポリシーを含む全てのDEIに基づくポリシーを停止すること。連邦政府が納得する形で、構造的および人事的な変更を通じて、これらの改革が持続可能かつ効果的であることを示すこと。2025年8月までに、これらの改革を確認する証明付き報告書を提出せよ

学生の懲戒改革と責任: 学生の懲戒ポリシーと手続きを直ちに改革し、既存のポリシーをアイデンティティやイデオロギーに基づく2重基準なしに、迅速かつ透明性をもって一貫して公平に執行すること。奨学金、学習、またはキャンパスライフの妨害を防ぐために現在のポリシーが不10分な場合は、適切なポリシーを開発し実施すること。これには必要に応じてハーバード大学警察による即時介入と妨害の停止、時間、場所、方法に関する規則の厳格な執行、ハーバード大学学長に責任を負う単1の機関に置かれた懲戒プロセス、執行を遅らせる制度的機関の廃止または改革が含まれる。犯罪行為、違法な暴力、またはハラスメントを支持する学生団体への承認、資金提供、または便宜供与を禁止する新たなポリシーを採用すること。また反ユダヤ主義活動に関与した学生及び団体への懲戒の実施

内部告発者の報告と保護: これらの改革への不遵守を大学指導部と連邦政府の両方に報告するための手続きを直ちに確立し、そのような報告に対する不利な措置からの完全な保護を保証すること

透明性と監視: 全ての連邦規制当局との完全な透明性と協力を確保するための組織変更を行うこと。2025年6月30日まで、およびその後少なくとも2028年末まで4半期ごとに、これらの改革の実施状況を文書化した証明付き報告書を連邦政府に提出すること。また連邦政府が納得する形で、全ての外国資金の源泉と目的を開示し、外国資金の使途に関する法医学的監査に協力し、要求された全ての移民情報を提供し、全てのSEVISシステム要件を遵守すること

https://www.harvard.edu/research-funding/wp-content/uploads/sites/16/2025/04/Letter-Sent-to-Harvard-2025-04-11.pdf

大学側はこれに対して現在「反ユダヤ主義またはその他の偏見の記録が著しいプログラムの改革」の箇所のみ具体的に「大学側は反ユダヤ主義や偏見と闘う努力をしてきた」と反論している。そして政府要求に従わない理由を以下の通りとした。

修正第1条の権利の侵害: ハーバード大学は政府の要求が「最高裁判所によって長く認められてきた大学の自由を侵害し」、修正第1条に違反すると主張している

法定権利の迂回: 大学は政府の条件が議会によって制定され法律で義務付けられた必須の手続きを通じて政府が証明していないとされる損害に対して、根拠のない破壊的な救済策を要求することにより、ハーバード大学の法定権利を迂回していると主張している

資金提供の脅威による強要: ハーバード大学は2025年3月31日付の書簡で最初に明示された、これらの条件に従わない場合、数十億ドルに及ぶ連邦資金を失うリスクを負うという条件に異議を唱えている。大学はこの資金が別法人であり独立して運営されている医療および研究病院が行う生命を救う研究を含む、重要な研究と革新にとって不可欠であることを強調している。ハーバード大学は「その独立を放棄したり、憲法上の権利を放棄したりすることはなく」連邦政府に支配されることを許さないと述べている

トランプ大統領のハーバード大学に関するイデオロギー批判は、同大学が政府の要求した人事改革における透明性確保等に具体的に反論しなかったことから来てるとみて間違いない。しかしトランプ大統領が主張する、ハーバード大学は左派的なイデオロギーに偏向しており、その政治活動の場となり、それが人事面や学生の懲戒においてイデオロギーによる不公平を起こしてる…という指摘はどの程度妥当なのだろうか?この記事では、それを検証していく。

大学教員の政治的傾向

が著しく左寄りの傾向にあること自体は議論の余地がない。「ハーバード・クリムゾン」紙の2023年調査によると、調査対象となった教員のうち「非常にリベラル」と回答したのが31.8%、「リベラル」が45.3%であり、単純計算で教員の77%が左派である。1方で保守に関しては「非常に保守的」が0.4%、「保守的」が2.5%であり、単純計算で右派教員は3%未満ということになる。尚、残り20%の教員は「穏健派」だ。

更に教員による政治献金に関するデータも同様に左派への偏りを示唆している。2017年から2020年の連邦選挙委員会への公開された届け出によると、ハーバード大学教員による民主党候補者への献金総額は744143ドルであったのに対し、共和党候補者への献金はわずか3010ドルであった。意地の悪い見方をすれば政府からの支援がハーバード大学を通じて民主党に流れてると表現出来る(し、トランプ大統領はそう見做してる)。

※また教員は2016年と2024年にトランプが大統領に就任すると教授陣は授業を中止し、選挙結果を分析する特別クラスを組織したり、トランプの勝利に抗議するデモに参加したり組織したりした。

※反知性ネットーワーク会員番号74より、torにて授業中止を勧めるメールのスクショや精神的心労による傷病者のリストあり(onion.56179)。 表に出てる情報としては2016年に教員が似たような騒動をやったとのニュースが語られてる。また授業中止があったこと自体はハーバード大生それぞれが証言しており疑う余地なし。

ハーバード大学学生の傾向

も教員ほどではないにしろ左派傾向が強いことが明らかになっている。そもそも「ハーバード・クリムゾン」紙の学生調査によると、新入生の83%がトランプ大統領に否定的な見解を持っているそうだ。

2023年入学した学生の調査によれば「非常にリベラル」と回答したのが19.5%、「リベラル」が45.2%であり、単純計算で65%が左派ということだ。1方で「非常に保守的」と答えたのは1.3%、「保守的」は7.1%であり単純計算で右派は8%しかいない。尚24%は「穏健派」だ。

そして学内には明確な政治的傾向を持つ様々な学生団体が存在し、件の反ユダヤ主義と政府が見做す…何と呼称するか?それ自体が政治的意味合いを帯びて中立性を失ってしまうが、便宜上「親パレスチナ」とする…親パレスチナ学生団体もおり、学内で主にイスラエルに対する抗議活動を行っていた。

とは言え、ハーバード大学の主張通り野放しにしていたわけではなく、2024年4月には集会の登録を怠り、会場利用に関する抗議活動ガイドラインに違反したとして親パレスチナ学生団体の1つ「PSC」に解散を命じている。しかしあくまで処分理由は「抗議内容」ではなく「活動方法」だった為、5か月後適正手続きの基に復活している。

学生の政治的意見の表明に関する調査では、多くの学生が授業中に物議を醸す可能性のある意見を表明することに抵抗を感じていることが明らかになっている。

2024年卒業予定の学生の調査では在学中に物議を醸す可能性のあるトピックについて意見を表明することに快適さを感じていたのは僅か3分の1だった。この傾向は政治的所属によって異なり、リベラルな学生の41%が快適に意見を表明できると回答したのに対し、穏健派は25%、保守派は17%である。この調査結果はハーバード大学の学生の大部分がリベラルな考えを持っている1方で、保守的な学生は意見を表明出来ない環境である可能性を示唆している。

フェミニズム

についてはハーバード大学は親フェミニズムどころか女性蔑視に染まり切ったミソジニー集団だという告発がある。女性は常にハーダード大学の男性達の蔑視に苦しみ、男女の扱いに関する僅かな差異から、性的暴力のような極端な形のそれまでひっきりなしに攻撃を受けているというのだ。

左派や親フェミニズムのはずのハーバード大学でそのような事が本当に起きているのだろうか?その告発によるとハーバード大学では以下のような性暴力が蔓延してるという。

・男性教授が女子学生からハラスメント告発されたのに(証拠不10分)で処罰しなかった

・学生グループで「女性が嫌い」という声が聞こえた

・男子学生が多いクラブを潰さなかった

・STEAMに女性が少ないことを話された

ハーバード大学におけるフェミニズムイデオロギーの癒着は疑いようがない。例えばハーバード大学は2018年に男女別クラブを禁止したが、女性限定クラブだけは特例を設けて認めている。

またDEIの1環としてハーバード・ロー・レビューは「匿名の実力主義選考プロセスはミソジニー」として、性別に基づく格差是正措置…要は女性優先採用を行ったりしている。

更にハーバード大学は性犯罪においては「推定無罪」の原則を排除すべきだと主張している。なんでも推定無罪の原則は性的暴行被害者を黙らす為に使われるツールであり、被害者に多大な負担を与えるから…という理由だ。

こうした事例は無数にあるが、告発内容を1つあげると※人類学者リチャード・ランガム博士は「男性は即時絶滅すべき」という思想を有しており、男性を劣等種として扱っているそうである。

※反知性ネットーワーク会員番号74より(onion.56177)。彼は「Demonic Males」というまんまな本を書いてる他、ポッドキャストで何気なく「男性は虫だ」と発言していたりするので、別にそこまで隠してるわけじゃなさそうだが、同じことを性別を変えていったらどうなるか?という思考実験してみよう

研究

についてハーバード大学出版局の出版物を対象とした研究では左派的な偏向が示唆されている 。2000年から2010年の間にハーバード大学出版局が出版した書籍のうち、政治的偏向が認められる494冊を調査した結果、古典的自由主義または保守主義の視点を持つ書籍はわずか8冊(1.6%)であったのに対し、明らかに左派的または共同体主義的な視点を持つ書籍は198冊(40%)であった。

またカリキュラムには批判的人種理論(CRT)やジェンダー研究といった、進歩的または左派的な視点と関連付けられる分野に焦点が当てられているコースや研究センターが存在する。保守派的なモノはあまりなく…疑似科学やイデオロギーの範疇を出ない家父長制理論やケアの倫理を教えておいて地球平面説やID説を教える事を拒むことを正当化するのは難しいように思えなくもない。

まとめ

ハーバード大学の教員と学生の政治的傾向は調査データにおいて有意な左派への偏りを示しており、これはトランプ大統領の主張する左派的イデオロギーの蔓延という主張と合致する。またハーバード大学が批判的人種理論やジェンダー研究といった、進歩的な視点と関連付けられる分野のコースを提供し、研究を支援していることも事実ではある。また人事の1部においてDEIに基づく性差別も確認されてはいる。

たまたま左派的な傾向を持つ方が集まってイデオロギーが蔓延したのか?イデオロギーが蔓延してるから人々が左派に染まるのか?また相互に作用してるのか…までは分からない。しかし多様性を推進してるはずのハーバード大学が、多様性推進を反対しているトランプから多様性の無さを批判されているのは、凄まじい入れ子構造だと言わざるを得ないだろう。

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