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【薬剤師が解説】セラミドとヒアルロン酸はどう違う?保湿成分の選び方

「保湿にはセラミドがいいと聞くけれど、ヒアルロン酸とは何が違うの?」

成分名を見ても、どちらを選べばいいのか迷いますよね。

今回は、ドラッグストアで働く薬剤師が、2つの特徴と、保湿アイテムを選ぶときのチェックポイントを解説します。

1.結論:どちらが上ではなく、性質が違う

セラミドとヒアルロン酸は、どちらも保湿に使われる成分です。ただし、性質は同じではありません。

・セラミド
脂質の一種。肌では角層の細胞の間に存在し、水分を保つ仕組みに関わります。

・ヒアルロン酸
水分を抱え込む性質を持ち、化粧品では肌にうるおいを与える目的で使われます。

大切なのは、「どちらが優秀か」だけで選ばないことです。

両方を配合した製品もあり、必ずしも二者択一ではありません。保湿力や使い心地は、成分名だけでなく製品全体の処方によって変わります。

2.セラミドは「角層のすき間」に関わる成分

肌のいちばん外側には「角層」という薄い層があります。

その細胞と細胞の間を満たしているのが「細胞間脂質」です。セラミドはその主要な成分の一つで、コレステロールや脂肪酸などとともに、水分が過剰に逃げるのを防ぐ仕組みに関わっています。

角層の細胞をレンガに例えると、細胞間脂質は、その間を埋める材料のような存在です。ただし、セラミドだけで肌の仕組みが成り立っているわけではありません。

ここで分けて考えたいのが、次の2つです。

・肌にもともとあるセラミドの働き
・セラミドを配合した化粧品の働き

肌の仕組みの説明から、どのセラミド配合製品でも同じ働きが得られる、と結論づけることはできません。

化粧品としては、肌のうるおいを保ち、乾燥を防ぐための選択肢として考えましょう。

参考資料:[1][2]

3.ヒアルロン酸は「水分を抱え込む」成分

ヒアルロン酸は、水分を抱え込む性質を持っています。

化粧品に使われる高分子のヒアルロン酸は、主に肌表面にとどまって保湿に役立ちます。分子の大きさや製品の処方によって、その性質は異なります。

そのため、「肌の奥まで届くほど優秀」「低分子なら必ず保湿力が高い」と、単純に順位をつけることはできません。

また、ヒアルロン酸を塗ることと、注入する美容医療は別のものです。この記事で紹介しているのは、あくまで化粧品による保湿です。

参考資料:[3]

4.買うときは、この3つを確認

① 成分だけでなく、製品のタイプを見る

乾燥が気になるときは、化粧水や美容液を追加する前に、今使っている乳液やクリームなどの保湿剤を見直してみましょう。

米国皮膚科学会は、乾燥肌ではローションよりクリームや軟膏タイプが適する場合があることを紹介しています。また、保湿成分の候補としてセラミドやヒアルロン酸を挙げています。

なお、ここでいう英語の「ローション」は、日本でいう化粧水だけを指す言葉ではありません。

一方、ベタつきが苦手なら、使い続けやすい質感も大切です。

「セラミド配合だから重い」「ヒアルロン酸配合だからさっぱり」とは限りません。可能であれば、少量サイズなどで製品全体の使い心地を確認しましょう。

参考資料:[4]

② 成分表示の順番だけで優劣をつけない

日本の化粧品の全成分表示は、原則として配合量の多い順に記載されます。ただし、1%以下の成分や着色剤には、順不同で表示できる例外があります。

そのため、成分名が後ろにあるだけで「配合する意味がない」と判断したり、表示順から正確な濃度を読み取ったりすることはできません。

※ここでは化粧品の表示ルールを説明しています。医薬部外品の成分表示を、同じルールで読むことはできません。

参考資料:[5]

③ 続けられる使用感と価格かを見る

購入前には、次の点も確認してみてください。

・表示された使用量で使い続けられる価格か
・朝のメイクや日焼け止めと重ねやすいか
・香りやベタつきが負担にならないか
・過去に合わなかった成分が含まれていないか

高価な美容液を選ぶことだけが、保湿の方法ではありません。

成分名に加えて、無理なく使い続けられるかという視点も大切です。

5.一緒に使っていい?順番は?

セラミドとヒアルロン酸を、必ず別々に買いそろえる必要はありません。

まずは、今の保湿アイテムで困っていることがあるかを確認しましょう。

重ねる場合は、成分名だけで順番を決めるのではなく、それぞれの製品の使用方法に従ってください。

例えば、ヒアルロン酸配合の化粧水とセラミド配合のクリームなら、「化粧水→クリーム」という組み合わせが考えられます。

ただし、これは使用方法の一例です。今のケアで十分なら、両方を追加する必要はありません。

初めての製品は一つずつ取り入れると、合わなかったときに原因を絞りやすくなります。

赤み・かゆみ・ヒリつきなどが出たら使用を中止してください。症状が強い場合や続く場合は、皮膚科へ相談しましょう。

6.初心者は、保湿を複雑にしなくて大丈夫

日々のケアは、洗顔後に肌に合う保湿剤を使うところから考えましょう。

化粧水、美容液、乳液、クリームを、すべて使う必要はありません。

今のケアで乾燥や刺激に困っていなければ、話題の成分だからという理由だけで追加しなくてもよいのです。

迷ったら、まず次のように、自分が困っていることを言葉にしてみてください。

・洗顔後につっぱる
・時間がたつと乾燥が気になる
・ベタついて使い続けにくい
・重ねるアイテムが多く、何が合っているか分からない

「何の成分を買うか」の前に「何に困っているか」を整理すると、見直すポイントが分かりやすくなります。

7.まとめ

・セラミドとヒアルロン酸は、性質の異なる保湿成分。
・肌にもともとある成分の働きと、配合化粧品の働きは分けて考える。
・どちらか一方が、すべての人に優れているわけではない。
・成分名や表示順だけでなく、製品全体の処方・使用感・価格を見る。
・今の保湿で困っていなければ、無理にアイテムを増やさなくてよい。

保湿で大切なのは、有名な成分をたくさん重ねることではありません。

自分が何に困っているかを整理して、心地よく続けられる製品を選んでいきましょう。

参考資料

[1]花王「角層の細胞間脂質」
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-03/

[2]花王「セラミドをはじめとする角層細胞間脂質の網羅解析」
https://www.kao.com/jp/innovation/research-development/fundamental/analytical-science/icl-analysis/

[3]資生堂「美容液は分子の時代へ。ヒアルロン酸を届ける」
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003431

[4]米国皮膚科学会「How to pick the right moisturizer for your skin」
https://www.aad.org/public/everyday-care/skin-care-basics/dry/pick-moisturizer

[5]厚生労働省「化粧品の全成分表示の表示方法等について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta7768&dataType=1&pageNo=1

メーカーの資料は、成分の性質や研究内容を理解するために参照しています。リンク先には商品紹介も含まれますが、本記事は特定商品の購入を勧めたり、優位性を示したりするものではありません。

※本記事は一般的なスキンケア情報であり、病気の診断・治療や、特定の商品・成分の効果を保証するものではありません。化粧品の使用感や肌との相性には個人差があります。

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