チームアンドロメダ千夜一夜~「パンツァードラグーン」の仲間たち~ 第一夜 アートディレクター 楠木学(前編)
Beep21編集部です。皆さんは、セガサターンの代表作をひとつ挙げろ、と言われたらどのゲームをピックアップしますか? 本体と同時発売になったアーケード移植の「バーチャファイター」や「セガラリー・チャンピオンシップ」、広井王子氏による「サクラ大戦」、シミュレーションRPGの「シャイニング・フォースIII」3部作、ソニックチームの新作「NiGHTS into dreams...」、トレジャーの傑作格闘アクション「ガーディアンヒーローズ」、そしてゲームアーツの「グランディア」……。思い出に残るタイトルはたくさんあると思います。
上記はどれも当時のセガファンを魅了したタイトルですが、その中でも特に異彩を放っていたのがチームアンドロメダによる「パンツァードラグーン」シリーズでしょう。アーケード移植でもなければ、メガドライブ時代からの続編でもありません。広井王子氏やトレジャーなど外部スタッフや開発会社主導のタイトルではなく、セガ純度100%のタイトルです。
新時代の到来を感じさせてくれたオリジナル3Dシューティングで、その世界設定も含めて非常にオリジナリティの高い作品となっています。今でも熱心なファンは多く、現行機で1作目と2作目のリメイク版がForever Entertainmentよりリリースとなったのは記憶に新しいでしょう(「ツヴァイ」のリメイク版は開発中。2026年1月現在で発売日未定)。
この「パンツァードラグーン」シリーズはどのように生まれたのかは、ディレクターを務めた二木幸生氏へのインタビューでその一部を語っていただきました。
本作を作ったのは、セガ社内開発チームであるチームアンドロメダ。ここにいたメンバーの多くは、今でもゲーム業界の最前線で活躍中です。当時、中心メンバーの多くが20代で、その若さの原動力と当時のセガの勢いがマッチして生まれた本作を今一度チームアンドロメダのメンバーで語っていただこう……というのが本連載の意図です。ディレクターの二木幸生氏がホストとなり、同時のメンバーとともにあの頃を振り返っていただきます。
第1回はアートディレクターを務めた楠木学氏です。ぜひご覧ください!
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「パンツァードラグーン」から30年を経て
セガでチームアンドロメダに在籍していた二木幸生です。
Beep21編集部の方から「チームアンドロメダの回顧録を書いてほしいのですが……」というお話をいただきました。
「パンツァードラグーン」を振り返ることについては数年前のGDCでやっていろいろ話したり、個人的な思いは、以前のインタビューで語ったし、もう正直話す事もないかな、と思っていましたが
「セガサターンが出て30周年となりましたし、それを記念してということで」
……なるほど、もう30年経つのですね。当時はまだ自分も若かった。当時一緒に仕事した人たちとたまに会うと、みんなもうすぐ定年。そのあと何をするかという話になったり、身体の不調の話だったりと、当時からは考えられない話をすることが多いのです。話したくても鬼籍に入ってしまって、(当時の話を話したくても)話せない人も何人もいます。
「改めて機会を作らないと、会えないままで人生が終わってしまう人もいそうだし、会えるうちにチームアンドロメダで一緒に仕事をした人と、当時を振り返るのも悪くないかもしれないな」「当時、ゲームを遊んでくれた人もそこそこいい年になっているはずだし、若いころの話と今の話とをつなげていけば、そういった人たちに興味をもってもらえるかも」「自分もいろいろな人と再会するきっかけがつくれるかもな」「そういう企画ならやってみてもいいかもしれない」と思うに至りました。
不定期連載になりますが、次回からひとりずつ「パンツァードラグーン」シリーズの当時の開発メンバーに会っていきたいと思います。
まずは第1回目ということで、チームアンドロメダを一緒に立ち上げた、楠木学さんにお話を聞きました。彼は今、東京を離れ、実家の近くで生活しており、その近くにある、グランディングの京都スタジオで会うことになりました。
Xbox One版「クリムゾンドラゴン」(2014年にマイクロソフトから発売)を開発したときに手伝ってもらって以来、10年ぶりの再会でしたが、自分も忘れていた意外な話も出てきました。


サターン向けタイトルとして、レースゲームから3Dシューティングに企画変更
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