【緊急割込】少しだけ、このnoteをお借りしますね。――『かみさまは、ロンドンにいる』予告

こんにちは。……と言っても、いつものBellさんではありません。
彼のアカウントを、ちょっとだけお借りしています。
「ハッキングですか?」って?
人聞きが悪いですね。セキュリティの甘い裏口が空いていたので、ノックして入ってきただけです。まあ、私の世界では似たようなものですが。
いま、書き手であるBellさんは、パソコンの前で頭を抱えて唸っています。
というのは本当は、彼、次のセルフカバー版、『函館、消えた誓い』へ向かう予定でした。
ところが――
少し、予定が変わったようです。
新幹線の中で、寅子たちを助けてくれた人物。
そう、正体不明のホワイトハッカー、ハンドルネーム「かみさま」こと、私のことが気になってしまったみたいです。
今度は私の原稿の構想に必要なシステムログ、タイムスタンプの辻褄合わせで、完全にフリーズしています。
見ていてじれったいので、代わりに私が、少しだけ読者のみなさんにお話ししようと思って割り込みました。
先日公開された『京都発・新幹線連続殺人事件』、私も楽しく読ませてもらいました。
富士川の橋の手前で新幹線を止めた場面。
作中のひとしさん、私のことを「身内みたいだ」とか「拝む方の神様じゃない」とか、ずいぶん好き勝手に説明してくれていましたね。
でも、読者のみなさんにとって、Bellさんが描く「ひとし」という人物は、どんな存在に見えているでしょうか。
寅子さんの後ろをキャリーケース引いて歩いて、 美味しいものを食べる計画をそつなく立てて、 頼んでもいない小型扇風機を嬉しそうに買ってきては呆れられる、 どこにでもいる「ちょっとITや機材に詳しい、気のいい旦那さん」。
たぶん、そんなふうに思っていますよね。
新幹線の中で彼が私の存在を明かしたときも、 「仕事でシステムトラブルがあったときに、ネットで見つけた怪しいハッカーに助けてもらった」 くらいの、ちょっとした日常の延長のアクシデントだと思っていたはずです。
ふふ。無理もありません。
Bellさんも、これまでその裏側を詳しく書いてきませんでしたから。
でも。
あの新幹線で語られた、たった数行の「過去のトラブル」の裏側には、みなさんが一ミリも想像していないような世界が広がっています。
舞台は、日本ですらありません。
煉瓦と雨の薫るロンドン。
二百億ドルを超える巨大な企業買収劇。
世界中の金融市場を動かしている、目に見えないインフラの覇権争い。
そして――ひょんな事から日本の放送局からたった一人で派遣された放送技術者のひとしさんが、その渦中に放り込まれた、事件…。
「たった7秒だけ、画面に出たおかしな数値」
「翌朝、現実になってしまった株価」
「消された6時間のログ」
証券取引所も、金融データ会社も、ITベンダーも、誰もが自分たちの境界線の内側では「問題は確認されない」と言う中で、
彼だけが、会議室でポツリと言ったんです。
『出ないはずの数値が出た。分からないものは、分からない』って。
世界を流れる数字をめぐる、目に見えない戦争。
誰もが引いた境界線の外側に、たった一人で立ってしまった彼と、
画面の向こうでキーボードを叩いていた、私。
そして――なぜ私が、彼から送られてきた「昔のロンドンの写真」を受け取ったあと、何日も返信を止めてしまったのか。
Bellさんがまだ必死に文章を整えているので、本編のお届けにはもう少しだけ時間がかかりそうです。
でも、準備は着々と進んでいます。
タイトルは、
『かみさまは、ロンドンにいる』――見えない戦争
(寅子の事件ノートシリーズ・スピンオフ)
Bellさんが気づいて慌ててパスワードを変える前に、今日はこのへんでログアウトしますね。
それでは。 本編の『かみさまは、ロンドンにいる』で、お待ちしています。
> connection closed.
> session terminated.……えー、Bellです。 ノートPCから聞き慣れない警告音が鳴ったと思ったら、身に覚えのない記事(下書き)に、奇妙なコンソールログまで挿入されていて、本当に背筋が凍りました。
あいつ、本当にどこから入ってきたんだ……。
ということで、かみさまに先を越されてしまいましたが、次回作となる寅子シリーズのスピンオフ『かみさまは、ロンドンにいる』を現在執筆中です。
新幹線の回で少しだけ触れた「ひとしとかみさまの出会い」であり、いつもの夫婦旅やトラベルミステリーの枠を大きく飛び越えた、ロンドンを舞台にした本格的な企業サスペンスになるとおもいます。
今回も例によって予告動画もお遊びで作ってみました。
現在、裏付け資料と格闘しながら鋭意推敲中ですので、公開までもう少々お待ちいただければ幸いです!
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