映画鑑賞「Her Story(好东西)」感想。
去年、中国の興業成績10位を記録するなど話題となった映画、「Her Story(好东西)」を観ました。
日本では未公開のようです。
”フェミニストコメディ”というような紹介をされているようです。
監督はまだ30代という女性監督、邵艺辉。
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主人公の、シングルマザーの鉄梅(宋佳演)。

鉄梅は有能な編集者。
過去の仕事で受賞歴もあるバリバリのキャリアウーマン。
夫と別れ、上海の古いアパートで、娘と新生活を始めます。
この古いアパートが、なかなか味があります。

そのアパートの隣人、小葉(钟楚曦演)はまだ芽の出ていないバンドのヴォーカリスト。
隣人となった鉄梅と小葉、性格も似てないし年齢差もあるのですが、すぐに親しくなり、互いの部屋を行き来するような不思議な生活が始まります。


ちょっと現実味のうすい展開ですが、まあそこは映画なので。
鉄梅の元夫は娘の茉莉を溺愛しており、鉄梅に対しても未練がありたびたび部屋に遊びに来ます。また、小葉のバンド仲間の小馬は鉄梅にほとんど一目惚れのような感じで、曖昧な恋愛関係に進展したりも。


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こうして感想を書こうとすると、意外と物語の太い軸がなかったような気もします。
鉄梅や小葉の仕事も恋愛も、進展はあるものの、それが物語の中心にあるという感じもせず。
茉莉の成長もありますが、そこが見どころ、という感じもしませんでした。
色んなエッセンスが散りばめられ、みんなが少しずつ成長する、という感じでしょうか。
ただ、前進の見られる女性と比べ、元夫や、小馬、小葉の恋人の医者は、ひ弱に描かれています。女性に振り回されている感じでした。
フェミニスト映画と言われる所以でしょうか。
ある場面で、元夫が、小馬に対して「上野千鶴子(日本のフェミニスト・社会学者)の本は読んだか?」と尋ねます。(知らなかったのですが、上野千鶴子さんの著作は中国でよく読まれているそうです。)
ここは、中国映画らしく、これはフェミニスト映画ですよ、というわかりやすいメッセージを伝える場面だったのかもしれません。
そういえば、従来の映画なら、鉄梅をめぐって小馬と元夫の間でもう少しせめぎ合いがあってもおかしくないところを、そこはほどほどに描き、最後は鉄梅、小葉、茉莉が外国旅行に向かう、というシーンだったのもフェミニスト映画としての象徴的な締めくくりだったのかもしれません。
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ただ、結末のカタルシスがどうとか、そういう楽しみ方ではなく、小気味のいいセリフ回しや印象的なシーンの積み重なりを楽しむ映画かな、と思いました。
中国語のスラングも勉強になりました。(「倒贴」=経済的負担を女性が負う)、「拉黑」=ブロックする、「雄竞」=主に恋愛における男性間の争い、などなど。)
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本編と関係ないですが、他に「おっ」と思った点。



蒋易という俳優さんです。
ということで、今回も(おそらく)日本では公開されない映画の感想記事でした。
以前書いた中国映画の感想記事も、良かったらどうぞ。
(「No More Bets」の感想記事は、なぜか私の全記事の中で2番目にビュー数が多いです。)
