テレビのない4日間の夏休み。子どもたちと身体で感じた、四万十の自然と人の営み。
今年の夏休みは8月17日(月)から21日(金)の5日間、子どもたちと高知県四万十町へ行ってきました。
長男は中学2年生。来年は受験生になります。来年になれば自ずと「勉強、勉強」の日が続きます。しかしながら、「このままそれでいいのか」という疑問を抱き、受験生になる前に一度、日常生活から離れ、子どもたちと思いっきり遊びたい。そんな気持ちが湧いてきました。
今回の旅の目的は、観光地を巡ることではなく、「四万十の自然と、そこで暮らす人たちの営みを身体で感じること」。
滞在先に選んだのは、「しまんと分校」です。
昨年の7月、子どもを連れて「うなぎゼミ」に参加した際に宿泊させていただいた研修所と宿泊所が隣接した施設。1棟貸しもしていると知り、3泊4日で泊まることを決めました。
今回、出発前に予約したのは
・行き帰りの航空券
・レンタカー(4泊5日)
・宿泊(しまんと分校3泊、高知市内1泊)
・よって西土佐のBBQ(3日前までに予約)
の4つのみ。
ほかの予定はノープラン。
しまんと分校に到着するとすでに「おかえり」と言ってもらっているかのような安心感。
しかしながら、「しまんと分校」の宿泊棟にはテレビはありません。
我が家の子どもたちは、普段は家に帰ると、Netflixや動画を見ながら過ごすことの多い。テレビのない場所で4日間、いったいどのように時間を過ごすのだろうと、私の内心ワクワク、子どもは少し不安な、四万十の旅が始まりました。
四万十の人たちに迎えてもらった2日間
四万十に到着した初日の夜は、畦地さん、刈谷さんと夕食をご一緒させていただきました。
「しまんと分校」を予約してすぐに、「しまんと分校」を管理している佐々倉愛さんから連絡をいただき、1日目の夜はぜひお食事をと、夕ごはんのお店まで予約してくださり、畦地さんと刈谷さんにも声をかけてくださり、一緒に食事をさせていただきました。
畦地さんとは昨年の「うなぎゼミ」でも大変お世話になり、子どもたちも畦地さんに会えることを楽しみにしていました。
刈谷さんとは、2019年に「四万十ドラマあしもと塾・第一弾:営業」に参加した時以来の再会でした。

訪れた土地で、地域の方と同じ食卓を囲み、近況報告や畦地会長の高校球児時代のすごい話を聞かせていただきました。また、四万十で子連れで楽しめる体験についても教えていただき、ネットでは知ることのできない四万十の日常や人柄に、触れられたような時間でした。

翌日は、佐々倉愛さんご家族と一緒に、中津川へ川遊びに出かけました。
子どもたちは川へ飛び込んだり、魚を捕まえたりと、夢中になって遊びました。最初は川の様子をうかがっていた子どもたち。次第に地元の子どもたちが飛び込む姿に刺激され、徐々に水の冷たさや流れに慣れ、気がつけば何度も飛び込みを繰り返していました。伊豆では、岩の上からの飛び込みもなかなか監視があってできない状況なので、とても新鮮だったようです。



川から上がった後は、「道の駅 よって西土佐」で地元の食材を購入し、子どもたちと一緒にカレー作り。

野菜を切り、ご飯を用意し、食べ終わったら片付ける。家ではつい大人が先回りしてしまうこともありますが、旅先では子どもたちも自然と自分の役割を見つけ、動いてくれました。
四万十川を全身で感じたカヌー体験
3日目は、親子、初めてのカヌー体験です。

出発前は少し緊張した様子でしたが、カヌーを漕ぐ前に沈下橋からの飛び込みからスタート。橋の上から川をのぞき込み、一瞬ためらいながらも、覚悟を決めて飛び込む。飛び込んだことで、一気に緊張がほぐれました。
川岸に着くと、まずパドルの持ち方や漕ぎ方とカヌーの乗り方・乗っている姿勢を聞き、いざ四万十川へ。
四万十川には、激しく流れる場所もあれば、水面が鏡のように穏やかな場所もあります。
流れの速いところでは必死にパドルを動かし、穏やかなところでは周囲の景色を眺めながら、ゆっくりと進みました。
最初は硬かった子どもたちの表情。途中、激流に挑戦し、転倒も経験する。激流にもまれながら、川を下るにつれて、どんどん生き生きとしたものに変わっていきました。

川の上からは、予土線を走る列車の姿も見ることができ、とても贅沢な気持ちになりました。また、次回は列車の窓からも四万十川を眺めてみたくなりました。

カヌーだと一瞬で通り過ぎた場所も、実際に川を歩いてみると石がゴロゴロしていて歩きにくさも体感しました。

川の涼しさ、川の流れの強さ、風の音、川の流れが早くなる時の音、パドルを通して伝わる水の重さ。五感をフルに使った半日。
ただ景色として「見る」のではなく、四万十川を全身で感じた一日になりました。
今回カヌー体験で利用させていただいた
『カヌー館』
📍〒787-1603 高知県四万十市西土佐用井1111−11(よって西土佐から車で3分)
■午前カヌーツアー 8:30受付〜11:30前後終了、午後カヌーツアー 13:00までに受付〜15:40前後終了 【要予約】
■講習:カヌー館周辺で初心者講習 ■川下り:1時間半前後
「してはいけない」より「できる」を大切にする『雲の上図書館』
カヌーを楽しんだ後は、1日目に刈谷さんに紹介していただいた梼原町にある「ゆすはら雲の上の図書館」へ向かいました。
隈研吾さんが設計した館内は、木のぬくもりに包まれた開放的な空間です。
驚いたのは、一般的な図書館では禁止されていることの多い、
飲食やおしゃべり、館内の撮影もできること。
階段に座って本を読んだり、寝転がったりと、それぞれが思い思いの姿勢で過ごすことができます。

子どもたちは本を読むと思いきや、カウンターでボールを借りられると知り、外の芝生で野球を始めました。(ここでも野球するのか、、、)と内心思いながら、私は館内で本を読んでいると、気づけば地元の子どもたちと一緒に野球をやっていました。戻ってきた時には、汗だくになりながらいい笑顔。
よかったよかった。





この図書館では「静かにしなさい」「走ってはいけません」「座って本はよみなさい」と言われません。テーブル席でおしゃべりしているだけでもOK。皆思い思いのスタイルで時間を過ごします。
けれど、何でも自由だからといって落ち着かないわけではありません。むしろ、自分で心地よい場所や過ごし方を見つけ、自然と本を手に取りたくなる。そんな不思議な力が、この図書館にはありました。
禁止されていないからこそ、自分で考え、自分なりの過ごし方を見つけられる。
子どもたちの姿を見ながら、「してはいけない」と制限することよりも、「ここで何ができるだろう」と考えられる環境をつくることの大切さを感じました。
気がつけば、3時間があっという間に過ぎていました。

最後まで川で遊び、さらに再会で人の温かさに触れた4日目
4日目。
4日目は、お昼に「よって西土佐」のBBQを予約し、BBQを食べたら高知市へ向かう日程でした。
BBQまでの午前中(9:00〜10:00)、「短い時間だけど、子供達を川に連れて行くよ」と愛さんが声をかけてくれ、子どもたちはもう一度川遊びへ。私は荷物をまとめたり、少し仕事をさせていただきました。(ありがたや〜)
子どもたちは橋桁にできたよどみに魚がいることを教えてもらい、魚を捕まえたり、泳いだり、最後まで四万十の川を満喫しました。

夢中になって魚を追いかける次男。


息子たちはすっかり弟子入りしました。
お昼は、「よって西土佐」でバーベキュー。地元の食材を味わいながら、四万十で過ごした日々を振り返りました。

直接レクチャーを受けることができます!!
その後は、「カゴノオト」さんを訪ねました。
今回の高知旅行で、四万十以外にも訪れたかった場所がいくつかあり、その1つが四万十町土居にある「カゴノオト」さん。
四万十町の季節の果物にこだわり、12ヶ月季節ごとに素材を集め熟成させ、それらすべてを入れて焼き上げた「シュトーレン」を作る前さんと小清水さんご夫妻。東京や大阪の百貨店での催事でも大人気。
お二人とは、コロナ禍に、四万十ドラマさん主催のオンラインイベントで繋がり、シュトーレンを購入させていただいたご縁や、度々商談会でご一緒させていただいたり、お二人が挑戦し続ける姿に、いつも刺激をいただいておりました。
今回、実際にどんな場所でお店を開いているのか、訪れてみたかった場所でした。
「カゴノオト」さんの店舗兼厨房は、道の駅「とおわ」から約50分ほど土佐湾の方に進んだ「仁井田」地域に近い、田んぼや小川に囲まれた自然豊かな場所にありました。「仁井田」地域は、四万十川の豊かな水と寒暖差に育まれた、香りと甘みが強いおいしいお米「仁井田米」と呼ばれるのお米の産地でもあります。
そこで、挑戦し続ける前さんと小清水さん。
ちょうど伺った時には、季節のシュトーレンの仕込み中で、前さんの計らいで、子どもたちと一緒に特別に厨房に入らせていただきました。


突然の訪問にも関わらず、ありがとうございました。
シュトーレンの生地はとても繊細で、外気の温度や湿度で、生地の状態が異なるそう。今回訪れた8月下旬から、すでに年末のシュトーレンの仕込みをされていました。夏にシュトーレンを仕込む際、生地の扱いが難しく、試行錯誤されながら、手際よく作業を進めていました。
従業員さん3名と前さん小清水さん。とても明るい雰囲気の厨房で、ここで作られたお菓子はとても幸せなんだだろうなと思ってしまいました。

そしてたまたまお店に来られた地元のお米会社の社長奥様と麹屋さんの奥様と。
家業をきりもりされているお二人とも短い時間でしたがお話させていただき、
とても豊かな時間でした。
その姿からは、地域で暮らし、仕事をつくっていくことの楽しさと力強さが伝わってきました。

思わず、裸足になって魚を捕まえる子どもたち。なんて豊かな時間でしょう。
一方、子どもたちは近くに小川を見つけると、再び魚捕りを始めました。
テレビやゲームがなくても、水が流れていて、生き物がいて、一緒に遊ぶ人がいれば、それだけで夢中になれる。子どもたちにとって、自然そのものが最高の遊び場なのだと感じました。
今回の旅を豊かなものにしてくれたのは、四万十の美しい景色だけではありません。
川遊びに誘っていただいたり、一緒に食卓を囲んでくださったり。四万十で出会った皆さんの温かさとともに、2019年からの繋がりの答え合わせと、さらにこれからさらにご縁が広がる予感と。
「つながる人たちとはつながる」
縁がある相手とは自然なタイミングで引き寄せられるというのは本当なんだと実感しました。
高知で過ごす最後の一日
最終日は、桂浜と桂浜水族館へ向かいました。
海を見つめる坂本龍馬像の前に立ち、桂浜の景色を眺めると、川に囲まれて過ごした四万十の日々とは、また違った高知の魅力を感じます。

桂浜水族館は決して大きな施設ではありませんが、訪れた人を楽しませる工夫が随所にありました。



子どもたちは金魚やカメへのエサやりを楽しみ、長男は「あこや真珠のガチャ」に夢中になりました。
自分で貝を選び、中から真珠を取り出す体験。どんな真珠が出てくるのか、貝が開くまで分かりません。


念願だった真珠のネックレスを手にした長男は、とてもうれしそうでした。(そんな一面があることにも内心びっくり)
旅の最後に、思いがけない宝物が一つ増えました。
そして、高知名物のアイスクリンも味わい、家族らしくにぎやかに5日間の旅を締めくくりました。

テレビがなくても、退屈する暇はなかった
「しまんと分校」で過ごした4日間はテレビがありませんでした。初めは「退屈するのではないか」と心配しましたが、しかし、実際には退屈する暇などありませんでした。
常にテレビから音が聞こえていた生活から、生活音や外から聞こえてくる虫の音、川の音。時おき聞こえてくる予土線が通る音。全てが豊かな時間にしてくれました。
朝になれば外へ出てラジオ体操で1日が始まり、川で泳ぎ、魚を捕まえ、カヌーを漕ぐ。食材を買い、一緒に料理をし、片付ける。
本を読み、芝生で出会った子どもたちと野球をする。
用意された娯楽がなくても、子どもたちは目の前にある自然や人との出会いの中から、自分たちで遊びを見つけていました。
そして、4日目の夜、高知市内「ひろめ市場」からほど近いビジネスホテルに到着し、4日ぶりのテレビのある生活に戻る。ずっとみていたのは野球の試合でした。笑
「四万十での5日間の旅」は、当初、子どもたちだけで行かせる予定でした。しかし、長男から激しく反対され、私も一緒に3人での旅となりました。
過保護すぎるかもしれませんが、今回3人で、5日間という、少し長い時間を一緒に過ごすことで子どもたちの知らなかった一面を会話見ることができ、今までやったことがないことに挑戦する姿にも間近で見ることができました。旅を振り返ってみると、今回、母子3人の旅でよかったと思いました。
今までの旅行はだいたい1泊2日、予定を詰め込み、子どもたちの楽しみを用意し、子どもたちはただただ連れて回されていた旅行になりがちでした。今回は5日間、予定もほとんど入れず、子どもたちと翌日何をしたいかを決めながら、スケジュールを一緒に考えました。
そして、毎晩短いながら日記も書きました。
少しの余白があったからこそ、子どもたちは自分で考え、動き、
親の私も、子どもたちの小さな挑戦に一緒に喜んだり、何気ない表情の変化に気づけと思います。
長男が中学2年生になり、こうして家族で旅をして、同じ景色を見ながら過ごせる時間は、もう数は少ない。来年はもう一緒に行ってくれないかもしれないと考えると、今回一緒に行けてよかったなと思いました。
四万十の川の豊かさ、カヌーから見上げた四万十の空や景色、みんなで作ったカレーの味も、出会った人たちの笑顔も、きっと私たち家族の中に残り続けると思います。
そこにあったのは「何もない時間」ではなく、自然と人に出会い、自分たちで過ごし方を見つける、豊かな時間でした。
とても快適だった「しまんと分校」「かいこ小屋」
今回、4日間滞在した研修施設「しまんと分校」と隣接する宿泊施設「かいこ小屋」。今回は1家族で利用しましたが、最大11名まで宿泊でき、宿泊場所と研修ができる施設が揃っていて、さらに研修施設には広いキッチンと講師(先生)用の個室も完備されているので、企業研修や2〜3家族での利用もできます。
毎月開催されている1泊2日の「しまんとゼミ」のほか、企業や大学での研修なども積極的の受け入れています。
ぜひ、四万十にご友人や会社での旅行・研修を考えている方におすすめです。






研修棟・宿泊棟ともに家具はほとんどは「無印良品」で統一されています。


それぞれ、各部屋の名前は「MATSU(松)」「SUGI(杉)」「HINOKI (ヒノキ)」と木の名前になっていて、各部屋の床の木材はその名前の木材が使われていて、少しずつ表情も異なります。



そして、伊豆に帰ってからもそれぞれ自分の部屋で寝るようになりました。


